【2025年最新】夫が死亡したら妻(専業主婦)が受給できる遺族年金はいくら?種類・金額・手続きを完全解説

「もし夫に先立たれたら、これからの生活はどうなるんだろう…」
専業主婦として家庭を支えてきた方にとって、お金の不安はとても大きい問題ですよね。
「遺族年金」という制度があることは知っていても、「自分がいくらもらえるのか分からない」と漠然とした不安を抱えていませんか?
遺族年金は、夫の職業(会社員か自営業か)や、子どもの有無、ご自身の年齢によって、受け取れる種類も金額も複雑に変わります。
この記事では、専業主婦が受け取れる遺族年金の種類やモデルケース別の具体的な金額、複雑な手続き、そして年金だけで生活が不安な場合の対策まで、2025年の最新情報に基づいて分かりやすく解説します。
漠然とした不安を「具体的な備え」に変えるために、ご自身が受け取れる金額を一緒に確認していきましょう。
専業主婦が受け取れる遺族年金の種類と受給条件

夫が亡くなった後、ご自身がどの遺族年金を受け取れるのか、わからず不安に感じていませんか。
遺族年金には複数の種類があり、夫の職業や子どもの有無、ご自身の年齢によって受け取れる年金が異なります。まずは全体像を把握することが大切です。
ここでは、遺族年金の種類と受給条件を確認していきましょう。
- 遺族基礎年金|18歳未満の子どもがいる場合
- 遺族厚生年金|夫が会社員・公務員の場合
- 寡婦年金・死亡一時金|夫が自営業の場合
- 中高齢寡婦加算|40歳以上の妻への上乗せ
- 受給資格を失うケース|再婚・養子縁組など
ご自身のケースを正しく理解すれば、漠然とした不安が具体的な行動に変わります。
遺族基礎年金|18歳未満の子どもがいる場合
遺族基礎年金は、18歳未満の子ども(障害のある場合は20歳未満)がいる場合に受け取れます。
夫が国民年金の保険料納付要件などを満たしていると支給対象です。
2025年度(令和7年度)の基本額は年額831,700円で、子どもの人数に応じて加算があります。
子どもが1人の場合は月額約8.9万円、2人の場合は月額約10.9万円が支給されます。
ただし、子どもが18歳になった年度の末日(3月31日)を迎えると支給が終了します。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 対象者 | 18歳未満の子のある配偶者 |
| 2025年度支給額 | 年額831,700円 + 子の加算額 |
| 夫の受給条件 | 国民年金の被保険者である、保険料納付要件を満たす など |
| 注意点 | 子どもが18歳の年度末に達すると受給権が消滅する |
遺族厚生年金|夫が会社員・公務員の場合
遺族厚生年金は、夫が会社員や公務員で、厚生年金に加入していた場合に受け取れます。
子どもの有無にかかわらず受給対象となりますが、受給期間は妻の年齢や状況によって異なります。子がいる妻、または夫の死亡時に30歳以上の妻は生涯受給できますが、子がなく30歳未満の妻は5年間限定です。
支給額は、亡くなった夫の厚生年金の加入期間や過去の収入に基づいて計算され、その金額の4分の3が支給されます。
令和5年度の厚生労働省統計によると、遺族厚生年金の平均月額は約8.3万円です。
ただし、夫の死亡時に妻が30歳未満で子どもがいない場合は、支給期間が5年間限定となる点に注意が必要です。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 対象者 | 厚生年金に加入していた夫に生計を維持されていた遺族 |
| 支給額の計算 | 夫の厚生年金額(報酬比例部分)の4分の3 |
| 夫の受給条件 | 厚生年金の被保険者である、老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある など |
| 妻の受給条件 | 夫によって生計を維持されていた、妻自身の前年の年収が850万円未満である |
寡婦年金・死亡一時金|夫が自営業の場合
夫が自営業などで国民年金の第1号被保険者だった場合、遺族厚生年金は支給されません。
会社員の妻と比べ、公的年金からの遺族保障が手薄になる現実があります。
その代わりとして、「寡婦年金」または「死亡一時金」という2つの制度が用意されています。
この2つは同時に受け取ることはできず、どちらか一方を選択します。
寡婦年金の対象・金額・受給条件
寡婦年金は、国民年金第1号被保険者として保険料を納めてきた夫が亡くなったとき、一定の条件を満たす妻に支給されます。
大きな特徴は、妻が60歳から65歳になるまでの5年間限定の給付である点です。
支給額は、夫が受け取るはずだった老齢基礎年金の4分の3相当額です。
65歳から始まる自身の老齢基礎年金までの「つなぎ」の役割を果たします。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 夫の要件 | ・国民年金第1号被保険者 ・保険料納付期間が10年以上ある |
| 妻の要件 | ・夫との婚姻期間が10年以上継続している ・夫によって生計を維持されていた ・妻が60歳以上65歳未満である |
| 支給額 | 夫の老齢基礎年金額(第1号期間)の4分の3 |
| 支給期間 | 妻が60歳から65歳になるまでの最長5年間 |
死亡一時金の対象・金額・受給条件
死亡一時金は、寡婦年金の支給条件(婚姻期間10年以上など)を満たせない場合に検討する制度です。
夫が国民年金保険料を36月(3年)以上納めていたにもかかわらず、老齢基礎年金などを受け取らずに亡くなった場合に支給されます。
支給額は、保険料を納めた月数に応じて12万円から32万円が一度だけ支払われます。
「何ももらえない」という事態を避けるための救済措置といえます。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 夫の要件 | ・国民年金第1号被保険者 ・保険料納付期間が36月(3年)以上ある |
| 遺族の要件 | ・夫によって生計を維持されていた遺族 ・遺族基礎年金を受け取れる遺族がいない |
| 支給額 | 120,000円〜320,000円(一時金) |
| 注意点 | ・寡婦年金と死亡一時金はどちらか一方しか受け取れない ・請求期限は死亡の翌日から2年以内 |
中高齢寡婦加算|40歳以上の妻への上乗せ
中高齢寡婦加算は、遺族厚生年金に上乗せされる特別な加算給付です。
対象となるのは、夫が会社員(厚生年金加入で加入期間20年以上)で、妻が40歳以上65歳未満の場合です。ただし、夫の死亡時に18歳未満の子がいない妻、または子どもが18歳になって遺族基礎年金の支給が終わった妻(40歳以上)が対象となります。
この加算は、遺族基礎年金を受け取れない妻の収入減少を補うために設けられています。
2025年度(令和7年度)の支給額は年額623,800円、月額にして約5.2万円です。
この加算は、妻が65歳になると終了します。その代わり、65歳からは妻自身の老齢基礎年金が受け取れるようになります。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 対象者 | 1. 夫死亡時、40歳以上65歳未満で18歳未満の子がいない妻 2. 遺族基礎年金を受けていたが、子が18歳になり支給終了した妻(40歳以上65歳未満) |
| 支給額 | 年額 623,800円 (月額 約5.2万円) ※2025年度 |
| 夫の要件 | 厚生年金の加入期間が20年以上ある(または中高齢の特例) |
| 支給期間 | 妻が40歳(または遺族基礎年金終了時)から65歳になるまで |
受給資格を失うケース|再婚・養子縁組など
遺族年金は、一度受給が始まっても、特定の状況になると受給する権利(受給権)がなくなります。
最も注意が必要なのは「再婚」したときです。
法律上の婚姻届を提出した場合だけでなく、生計を共にする「事実婚」や「内縁関係」とみなされた場合も受給権は消滅します。
一度失権すると、たとえその後に離婚したとしても、遺族年金が復活することはありません。
受給資格を失った場合は、年金事務所への届け出が義務付けられています。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 婚姻 | 法律上の婚姻をしたとき |
| 事実婚 | 婚姻届を出していなくても、内縁関係・事実婚とみなされたとき |
| 養子縁組 | 直系血族または直系姻族(亡夫の父母など)以外の人の養子になったとき |
| 死亡 | 受給者本人が死亡したとき |
| 子の要件(遺族基礎) | 子が18歳の年度末に達したとき(または子が結婚したとき) |
専門家プロファイルでは、税理士の柴田博壽さんが、遺族年金の受給資格に関する以下のような質問に回答しています。
【質問(要約)】

夫は障害年金を受給しており、私は無収入のため息子の扶養に入っています。夫の年金で生活していますが、もし夫が亡くなった場合、息子の扶養に入っている私が遺族年金を受給することは可能なのでしょうか。
【回答】

アールポコさん はじめまして 税理士・FPの柴田博壽と申します。 ご質問にお答えします。 遺族年金を受給することは、配偶者の権利です。ご子息の控除対象親族と なっていても受給権は妨げられません。 アールポコさんもやがて65歳を迎えることになると思います。もし、その年金 を受給することになった場合、65歳以上の方は公的年金の雑所得の計算上、 年金収入から最低120万円の控除(現在の控除)ができます。 控除後の金額が所得金額になりますがこれが38万円(現在の金額)を超える とご子息の控除対象親族とはなれないので、そのときは、ご子息が扶養控除 を受けなければ良いということですね。 ご参考になれば幸いです。
引用:専門家プロファイル|息子の扶養に入っていても夫の遺族年金は受給できますか。
遺族年金の制度は複雑で、ご自身の家庭の状況によって受給資格や金額が大きく変わります。
少しでも疑問や不安な点があれば、専門家プロファイルで専門家に相談してみることをおすすめします。
遺族年金の手続きと必要書類

遺族年金を受け取るために、どのような手続きが必要か、不安に感じていませんか。
遺族年金は自動的に支給されるものではなく、ご自身で請求手続きをする必要があります。また、受給権には発生から5年という時効があるため、早めに行動することが大切です。
ここでは、遺族年金の請求手続きの流れと必要書類について確認していきましょう。
- 遺族年金の請求手続きの流れ
- 必要な書類と取得方法
- 申請時の注意点とよくあるトラブル対策
手続きの全体像を把握しておけば、悲しみの中でも迷わず進められます。
遺族年金の請求手続きの流れ
遺族年金の手続きは、おおむね以下の6つのステップで進みます。
何から手をつけてよいか分からないときは、まず「①死亡届の提出」と「②年金事務所への相談」から始めましょう。
| ステップ | 内容 | 期限・所要時間(目安) |
|---|---|---|
| 1. 死亡届の提出 | 市区町村役場に死亡届を提出します。 | 死亡を知った日から7日以内 |
| 2. 年金事務所へ相談 | 最寄りの年金事務所などで、受給資格や必要書類を確認します。 | なるべく早く |
| 3. 必要書類の準備 | 戸籍謄本や住民票など、指定された書類を取得します。 | 書類による |
| 4. 年金請求書の提出 | 書類が揃ったら、年金事務所の窓口で年金請求書を提出します。 | 権利発生から5年以内(時効) |
| 5. 審査・決定 | 日本年金機構で審査が行われ、支給額が決定されます。 | 請求から1〜2ヶ月程度 |
| 6. 受給開始 | 支給が決定されると、指定した口座に年金が振り込まれます。 | 請求から2〜3ヶ月後 |
必要な書類と取得方法
遺族年金の請求には、多くの書類を揃える必要があります。
まずは年金事務所で「年金請求書」を入手することから始めましょう。その際にご自身のケースに必要な書類のチェックリストをもらえるので、それに沿って「戸籍謄本」「住民票」「年金手帳」などの書類を一つずつ揃えていくと安心です。
基本となる書類は以下の通りです。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 年金請求書 | 年金事務所の窓口で受け取ります |
| 年金手帳(基礎年金番号通知書) | 亡くなった夫と、請求する妻(ご自身)の両方のもの |
| 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書) | 夫の死亡の事実と、妻との婚姻関係を証明します |
| 世帯全員の住民票 | 夫と生計を同じくしていたことを証明します |
| 住民票の除票(亡夫のもの) | 夫が世帯から除かれたことを示す住民票です |
| 妻の所得証明書 | 妻の前年の収入を確認するために使います |
| 死亡診断書(または死体検案書)のコピー | 医師が発行した死亡の証明書です |
| 受取先金融機関の通帳コピー | 年金の振込先となる妻名義の口座情報がわかるもの |
| 印鑑 | 請求書に押印するための認印です |
この他にも、18歳未満の子どもがいる場合はその子の在学証明書などが追加で求められます。
申請時の注意点とよくあるトラブル対策
遺族年金の申請では、いくつかの注意点や、つまずきやすいトラブルがあります。
あらかじめ知っておくことで、手続きをスムーズに進めましょう。
特に見落としがちなのが「未支給年金の請求漏れ」です。
夫が老齢年金を受給中に亡くなった場合、まだ受け取っていない年金(死亡月分まで)が残っていることがあります。
これは遺族年金とは別に「未支給年金」として請求できるため、あわせて確認してください。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 5年の時効 | 遺族年金を受け取る権利は、発生から5年で時効になります。 |
| 書類不備 | 戸籍謄本の日付が古いなど、書類に不備があると審査が遅れる原因になります。 |
| 二重請求の禁止 | 寡婦年金と死亡一時金のように、どちらか一方しか選べない制度があります。 |
| 生計維持の否認 | 別居していた場合など、生計関係を証明する書類が必要になる場合があります。 |
| 納付要件不足 | 亡くなった夫の保険料納付期間が足りない場合、遺族年金が支給されないこともあります。 |
専門家プロファイルでは、社会保険労務士・行政書士の高橋 圭佑さんが、以下のような質問に回答しています。
【質問(要約)】

現在、同居している母を税法上の扶養に入れています。この状況で父が亡くなった場合、母は「生計を維持されていた」という遺族年金の受給資格を満たせなくなるのでしょうか。税法上の扶養関係が影響しないか心配です。
【回答】

結論から申し上げますと、お母様は遺族厚生年金の受給資格を満たします。 ご両親が同居しており、お母様に年収850万円以上の収入が無いからです。 ご質問者様がお母様を税法上の扶養にしていても問題はありません。
遺族年金の受給要件には「生計を維持されていた」という要件があります。 これは、「生計を同一にしていること」および「収入(所得)が一定未満であること」の2つを満たしている必要があります。
1.生計を同一にしていること ここが気がかりであった部分かと思います。 生計を同一にしているというのは、扶養関係にあることとイコールではありません。 同じ家計で生活をしているという意味であり、具体的には 原則:同居している(住民票の世帯や住所に関わらず、起居を共にし家計も同一であれば生計を同一にしているといえます) 例外:同居していなくても、仕送りなどで経済的援助などが行われている場合は生計を同一にしているとされます(例:下宿中の学生など)
ご両親は同居されているようですので、問題はないと考えられます。
2.収入(所得)が一定額未満であること 前年の収入が850万円(所得ベースでは655.5万円)未満であるか、それ以上であっても近い将来(5年程度)に収入850万円を下回ることが見込まれることが要件となっています。
以上となりますが、ご不明な点などあればまたご質問ください。 よろしくお願いいたします。
遺族年金の請求手続きでは、個々の家庭状況によって今回のような疑問が生じることがあります。手続きで不明な点があれば、専門家プロファイルで専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
遺族年金だけで生活できる?不足額と対策

遺族年金だけで、今後の生活を維持できるのか不安に感じていませんか。
遺族年金は生活を支える基盤ですが、それだけで以前と同じ生活を維持するのは難しいケースも少なくありません。まずは、ご自身の収支状況を具体的な数字で把握することが大切です。
ここでは、平均的な生活費と遺族年金額を比較し、不足分を補うための対策を確認していきましょう。
- 平均生活費と遺族年金の比較
- 不足する場合の金額目安
- 年金以外の給付を活用|生命保険・退職金・iDeCoなど
- 資金を確保する方法|資産運用・家計見直し・パート収入など
- 可能であればリースバックを検討
具体的な数字を知れば、漠然とした不安が「今すべきこと」に変わります。
平均生活費と遺族年金の比較
まず、ご自身の年金収入で日々の生活費を賄えるか、おおよその収支バランスを確認しましょう。
総務省の家計調査によると、65歳以上の単身世帯の消費支出は、持ち家か賃貸か、また生活水準によって異なりますが、おおむね月10万円から15万円程度が目安となります。
| 費目 | 金額(月額) |
|---|---|
| 食料 | 約37,000円 |
| 住居 | 約12,000円 |
| 光熱・水道 | 約13,000円 |
| 保健医療 | 約8,000円 |
| 交通・通信 | 約11,000円 |
| 教養娯楽 | 約14,000円 |
| その他の消費支出(交際費など) | 約33,000円 |
| 合計(目安) | 約138,000円 |
この支出に対し、前の章で試算した65歳以降の年金収入を比べてみます。
夫が会社員だった妻は、遺族厚生年金と自身の老齢基礎年金を合わせて月約13.7万円(ケース1・2参照)となります。
持ち家でローンが完済している場合、一般的な生活費の範囲内で生活できる可能性があります。
一方で、夫が自営業だった妻は、自身の老齢基礎年金のみで月約6.8万円(ケース3参照)となります。
一般的な生活費と比べると、大幅な不足が生じる可能性が高くなります。
不足する場合の金額目安
毎月の赤字額がわかったら、それが生涯でどれくらいの金額になるか計算してみます。
例えば、毎月5万円の赤字が出ると仮定します。
1年間では60万円、もし65歳から平均寿命(約87歳)までの22年間続くと、総額は1,320万円にもなります。
| ケース | 毎月の収支(参考値) | 22年間の累計不足額(参考値) |
|---|---|---|
| 持ち家(ローン完済) (会社員の妻:収入13.7万円) | 黒字の可能性 (住居費が少ないため) | 生活水準による |
| 賃貸(家賃8万円) (会社員の妻:収入13.7万円) | 赤字の可能性 (家賃負担が大きいため) | 約1,200〜1,800万円程度 |
| 自営業の妻 (収入6.8万円、持ち家想定) | 大幅な赤字 (収入が少ないため) | 約1,600〜2,000万円程度 |
年金以外の給付を活用|生命保険・退職金・iDeCoなど
遺族年金だけを見ると不安になるかもしれませんが、夫が亡くなったときには年金以外にも受け取れるお金があります。
これらを合わせれば、まとまった資金が確保できるケースも少なくありません。
「まず夫の加入状況を全て洗い出す」ことが、生活設計の第一歩です。
| 給付の種類 | 内容・金額目安 | 手続き先 |
|---|---|---|
| 生命保険(死亡保険金) | 夫が加入していた民間の保険。契約内容に応じ数百万円〜。 | 各保険会社 |
| 死亡退職金・企業年金 | 夫の勤務先の規定による。勤続年数に応じ数百万円〜。 | 夫の勤務先 |
| iDeCo(個人型確定拠出年金) | 夫がiDeCoに加入していた場合、積立金が遺族に支払われる。 | iDeCoの運営管理機関 |
| 団信(団体信用生命保険) | 夫名義で住宅ローンを組んでいた場合、ローン残高が全額弁済される。 | ローンを組んだ金融機関 |
| 国民年金基金 | 夫が自営業で国民年金基金に加入していた場合、遺族一時金が支給される。 | 国民年金基金連合会 |
| 労災保険(遺族補償) | 夫が業務中や通勤中の事故で亡くなった場合、遺族補償年金などが支給される。 | 労働基準監督署 |
特に、住宅ローンが団信で完済されると、その後の住居費負担がゼロになります。
資金を確保する方法|資産運用・家計見直し・パート収入など
年金や一時金を受け取ってもなお資金が不足する場合、対策は3つの方向から考えます。
それは「支出を減らす」「資産を活用する」「収入を増やす」です。
最も即効性があり、すぐに取り組めるのは「支出を減らす」ことです。
家計全体の見直しで月3万円の支出を削減できれば、年間で36万円の余裕が生まれます。
| 対策の方向 | 具体的な方法 |
|---|---|
| 1. 支出を減らす | ・家計の見直し(通信費、保険料、サブスクの解約) ・住み替え(家賃の安い場所へ引っ越す) |
| 2. 資産を活用する | ・貯蓄や保険金の運用(低リスクの投資信託など) ・リバースモーゲージ(自宅を担保に融資を受ける) ・リースバック(自宅を売却後、賃貸で住み続ける) |
| 3. 収入を増やす | ・パートや再就職で働く ・公的支援制度の活用 |
可能であればリースバックを検討
持ち家を活用する方法の一つに「リースバック」があります。
リースバックは、ご自身の自宅を一度売却してまとまった資金を受け取り、その後は買主と賃貸契約を結んで、家賃を払いながら同じ家に住み続ける仕組みです。
引っ越しが不要で、売却によって数百万円単位の資金を一度に確保できるのが最大のメリットです。
ただし、メリットばかりではありません。デメリットも理解したうえで慎重に検討してください。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| メリット | ・まとまった老後資金が手に入る ・引っ越しが不要 ・固定資産税や修繕費の負担がなくなる |
| デメリット | ・家の所有権を失う(資産ではなくなる) ・売却価格が、通常の市場価格よりも安くなる傾向がある ・毎月、家賃の支払いが発生する |
専門家プロファイルでは、ファイナンシャルプランナーの渡辺行雄さんが、夫を亡くし高額な保険金を受け取ることになった方の資産運用に関する相談に回答しています。
【質問(要約)】

夫が事故で亡くなり8000万円の保険金が入ります。5歳の子供がおり、遺族年金とパート収入で生活はできますが貯金はできません。この大切な資金を運用で増やしたいものの、知識がなく金融機関の言われるがまま契約しそうで不安です。
【回答】

はじめまして、個別相談専門のファイナンシャルプランナーとして活動しています、渡辺と申します。
『この夫が遺してくれた8000万円を運用して少しでも増やしていきたいのですが、知識が乏しいため保険屋や銀行の薦められるままに契約してしまいそうで、少々不安を感じます。』につきまして、
min未亡人さんも書いているとおり、まず、ご主人様が保険をかけていた保険会社の方がすぐにやってきて、お子様のためにということで死亡保険への加入を勧めてくるものと思われます。
もちろん、死亡保険による保障もある程度は必要となりますが、加入する保険商品を間違えると、とても割高な保険に加入することになりますし、最近では外貨建ての年金保険なども勧めていますが、為替リスクは自分ではコントロールが難しく、高い運用リスクを考慮した場合、min未亡人さんがとることのできるリスクに見合う保険商品とはいえないかも知れません。
亡きご主人様がmin未亡人さんやお子様のために遺してくれた大切な保険金なのですから、運用商品をすぐに決める必要はないと考えます。
まず、これからのライフイベントの時期と費用を整理して、いつ頃にいくらくらいのイベント資金が必要になるのかに合わせて、お金を小口に分けて定期預金などでまずは元本割れなどすることのないように、手堅く運用するようにしてください。
そのうえで、お金が余るようでしたら、株式投資などの資産運用の知識を少しずつ蓄えながら、min未亡人さんがご自身で十分に納得できる金融商品で、運用をはじめていけばよろしいと考えます。
時間はたっぷりあると思われますので、じっくりと時間をかけて取り組んでいってください。
必要でしたらファイナンシャルプランナーなど、専門家に直接、相談をしてもよろしいと考えます。
以上、ご参考にしていただけますと幸いです。
今回のような予期せぬ事態だけでなく、マイホーム購入やお子様の教育資金、老後の生活設計など、お金に関する悩みは尽きません。
専門家プロファイルで、あなたのライフプランに寄り添う専門家を見つけて相談してみてはいかがでしょうか。
【2028年改正】遺族厚生年金の有期化について

2028年4月から年金制度が変わると聞いて、ご自身の遺族年金に影響がないか心配していませんか。
2025年に成立した法改正により、遺族厚生年金のルールが一部変更されます。ただし、この改正は「若年で子どものいない配偶者」に限定されたものです。
ここでは、2028年改正の内容と、ご自身に影響があるかどうかを確認していきましょう。
- 30歳未満・子どもなしの妻は5年間の有期給付に
- 影響を受けない人・従来通り受給できる人
多くの方は従来通りの受給が可能です。まずはご自身のケースを確認しましょう。
30歳未満・子どもなしの妻は5年間の有期給付に
今回の改正で、遺族厚生年金のルールが変更されます。
「2028年4月1日以降」に夫が亡くなった場合、その時点で「妻が30歳未満」で「18歳未満の子どもがいない」ケースでは、遺族厚生年金の支給が5年間で打ち切られます。
これは、若い世代は再婚や就労によって自立する可能性が高いという考え方に基づき、制度の見直しが行われたためです。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 対象となるケース | 2028年4月1日以降に配偶者が死亡した |
| 条件(すべて満たす場合) | ・死亡時に配偶者(妻)が30歳未満である ・18歳未満の子どもがいない |
| 支給期間 | 5年間で終了 |
| 5年後の状況 | 遺族厚生年金はゼロになる(中高齢寡婦加算も対象外) |
影響を受けない人・従来通り受給できる人
この改正を聞いて「自分の遺族年金もなくなるのでは」と不安に感じた方もいるかもしれません。
しかし、この改正が影響する範囲は、先述した「30歳未満・子なし」のケースに限定されます。
すでに遺族年金を受給している方や、ほとんどの方は、これまで通りのルールが適用されます。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| すでに受給中の人 | 2028年3月31日までに受給権が発生し、すでに遺族年金を受け取っている人 |
| 改正前に配偶者が死亡した人 | 2028年4月1日より前に夫が亡くなった人 |
| 死亡時に30歳以上だった人 | 夫が亡くなった時点で妻が30歳以上だった人(子なしでも影響なし) ※ただし60歳未満で受給権が発生した場合、無期給付となるのは60歳以上で受給権が発生する場合に限られます |
| 子どもがいる人 | 夫が亡くなった時点で18歳未満の子どもがいる人(妻の年齢問わず影響なし) |
遺族年金と老齢年金の併給ルール
65歳以降、遺族年金とご自身の老齢年金を両方とも満額で受け取れるのか気になっていませんか。
65歳になると、ご自身の「老齢年金」の受給が始まります。その際、夫の「遺族年金」とどのように組み合わせるかは、非常に複雑なルールが定められています。特に、会社員経験があるかどうかで受け取り方が大きく異なります。
ここでは、65歳以降の併給ルールを確認していきましょう。
- 65歳以降の併給の仕組み|専業主婦は両方満額受給可能
- 会社員経験がある場合の選び方|2つの選択肢を比較
- 年金の繰り下げ受給で有利になるケース|健康に自信があれば検討
仕組みを理解しておけば、損をすることなく最適な受給方法を選べます。
65歳以降の併給の仕組み|専業主婦は両方満額受給可能
65歳以降の併給の仕組みとして、ずっと専業主婦(第3号被保険者)だった方は、ご自身の「老齢基礎年金」と、夫の「遺族厚生年金」を、両方とも満額で受給できます。
これは、ご自身に厚生年金の加入歴がないため、遺族年金との併給調整を受けないためです。
例えば、ご自身の老齢基礎年金が月6.8万円、夫の遺族厚生年金が月10万円の場合、合計で月16.8万円が支給されます。
これは、65歳まで支給されていた中高齢寡婦加算(月約5.2万円)が終了する代わりに、ご自身の老齢基礎年金(月約6.8万円)の支給が始まるためです。
会社員経験がある場合の選び方|2つの選択肢を比較
会社員経験がある場合の選び方として、ご自身も厚生年金に加入していた方は注意が必要です。
65歳以降は、ご自身の「老齢厚生年金」と夫の「遺族厚生年金」を、両方満額で受け取ることはできません。
厚生年金の部分については、以下の2つの選択肢のうち、金額が高くなる方をご自身で選ぶ仕組みになっています。
| 選択肢 | 計算方法 |
|---|---|
| 自分の年金を優先 | 自身の老齢厚生年金(全額) + 遺族厚生年金(自身の老齢厚生年金額との差額) |
| 遺族年金を優先 | 遺族厚生年金(3分の2) + 自身の老齢厚生年金(2分の1) |
この計算は非常に複雑なため「自動的に有利な方で支給される」と思い込まず、65歳が近づいたら年金事務所でご自身のケースを試算してもらうことが大切です。
年金の繰り下げ受給で有利になるケース|健康に自信があれば検討
年金の繰り下げ受給で有利になるケースとして、ご自身の老齢年金を増やす戦略も考えられます。
繰り下げ受給とは、ご自身の老齢年金の受け取り開始を66歳から75歳の間で遅らせる仕組みです。
1ヶ月遅らせるごとに0.7%増額され、70歳まで繰り下げれば42%増、75歳までなら最大84%増額されます。
夫の遺族厚生年金は繰り下げできません。
しかし、ご自身の老齢基礎年金(と老齢厚生年金)は繰り下げできます。
夫の遺族厚生年金だけで当面の生活費が賄える方や、貯蓄に余裕がある方は検討の余地があります。
専門家プロファイルでは、ファイナンシャルプランナーの渡辺行雄さんが、老後資金に関する以下のような質問に回答しています。
【質問(要約)】

30代後半の共働き夫婦です。65歳で住宅ローンは完済予定ですが、年金が当てにならないと感じており、老後のお金について不安です。安心して老後を迎えるためには、具体的にどのくらいの貯蓄を用意しておけば良いのでしょうか。
【回答】

はじめまして、個別相談専門のファイナンシャル・プランナーとして活動しています、渡辺と申します。
『老後に備えてどのくらいの貯蓄をしておくとよいのでしょうか。』につきまして、よく老後資金として最低3,000万円くらいは用意しておく必要があるなどと言われていますが、実際に老後資金としてひつようとなる金額は、人それぞれ異なりますので、AllAboutProFileさんの場合は幾らくらい準備しておく必要があるのか、おおよその金額を把握しておくことは必要です。
老後資金として幾らくらい用意しておく必要があるのかにつきまして、具体的な金額に算出方法は、現在の毎月の生活費が幾らくらいかかっているのかをまず把握します。
さらに、老後を迎えてかかる例えば車の買い換えや夫婦旅行などのライフイベント費用を幾らくらい見積もっておくのか。
など、亡くなるまでにかかるおおよその支出金額を把握します。
そのうえで、今後見込むことができる収入を把握することになります。 給与収入は幾らくらいの金額を何歳まで見込むことができるのかを前提に、もらえる年金収入なども年金定期便などのデータをもとに算出します。
そして、収入金額から支出金額を差し引いた差額が老後資金として、AllAboutProFileさんが用意しなければならない老後資金となります。
安心できる老後生活を送れるためにも、今からしっかりと老後資金を準備しておくようにしていってください。
以上、ご参考にしていただけますと幸いです。
遺族年金と老齢年金の併給ルールのように、公的年金の仕組みは複雑です。ご自身の状況に合わせた最適な資金計画を立てるためには、専門家への相談が有効です。専門家プロファイルでは、お金に関する様々な悩みを専門家に直接相談できます。
遺族年金に関するよくある質問

最後に、遺族年金に関するよくある質問に回答します。疑問をお持ちの方は参考にしてください。
夫が亡くなっても、妻ご自身の老齢基礎年金(国民年金)は減りません。
専業主婦の方であれば、65歳以降にご自身の老齢基礎年金(満額で月約6.8万円)は生涯受け取れます。
夫の死亡によって影響があるのは、夫が受け取っていた老齢厚生年金の部分です。
夫の老齢厚生年金は支給停止となりますが、代わりに妻は遺族厚生年金を受け取れます。
遺族厚生年金の支給額は、夫の老齢厚生年金の「報酬比例部分」を基礎として計算され、その4分の3相当額が支給されます。報酬比例部分は、夫の厚生年金加入期間と過去の収入によって決まります。
「年金分割」と「遺族年金」は、目的がまったく異なる別の制度であり、どちらが得かを比較することはできません。
年金分割は、離婚の際に夫婦の厚生年金記録を分け合う制度です。
夫の厚生年金記録の最大50%(半分)を、妻がご自身の年金記録として受け取れます。
遺族年金は、死別の際に遺族の生活を支えるために支給される制度です。
離婚して年金分割を選ぶと、配偶者ではなくなるため、元夫が亡くなっても遺族年金は受け取れません。
専業主婦の方が保険料負担なしで国民年金に加入できる「第3号被保険者制度」ですが、2025年10月時点で廃止の予定はありません。
しかし、これは将来的な年金改革の議論の一つとして名前が挙がるだけで、正式に廃止が決定した事実はありません。
公的な発表がない限りは心配しなくてよいでしょう。
本記事の「【2028年改正】遺族厚生年金の有期化について」で解説した遺族年金の有期化とは別のため、混同しないようにしましょう。
まとめ
本記事では、専業主婦が夫を亡くした後に受け取れる遺族年金について解説しました。
遺族年金は、夫の職業(会社員か自営業か)や18歳未満の子どもの有無、妻の年齢によって「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」「寡婦年金」など、受け取れる種類や金額が大きく変わります。
シミュレーションで見た通り、夫が会社員だった場合に比べ、自営業だった場合は年金額が少なくなる傾向があります。
遺族年金だけで生活費を賄うのが難しいケースも少なくないため、ご自身の受給見込額を把握することが大切です。
年金収入だけでなく、生命保険や死亡退職金といった年金以外の給付も漏れなく確認し、家計の見直しなども検討してみてください。
遺族年金に関する複雑な手続きや将来の生活設計に関する悩みは、社会保険労務士やファイナンシャルプランナーなど幅広い分野の専門家が回答する無料Q&Aが充実した専門家プロファイルを活用すれば、あなたの状況に合わせたアドバイスを得られます。
気になることがあれば、ぜひ質問してみてください。






