県営住宅はやめたほうがいい?市営住宅との違いは?入居前に知っておきたい情報を徹底解説

家賃を抑えるために県営住宅を検討しているものの、ネット上の「やめとけ」という口コミが気になって踏み出せない。
そんな悩みを抱えていませんか。
確かに、県営住宅は建物の古さや自治会活動など、民間賃貸とは異なる大変さがあるのは事実です。
しかし、相場より大幅に安い家賃は、日々の生活を支える大きなメリットとなり得ます。
この記事では、県営住宅のメリット・デメリットを詳しくお伝えします。
入居後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、ご自身の状況と照らし合わせながら読み進めてみてください。
県営住宅はやめたほうがいいと言われる5つの理由

県営住宅が「やめたほうがいい」と言われる背景には、次のような理由があります。
- 設備が古く生活の不便さを感じやすい
- 住民トラブルが発生しやすい環境
- 世間体やプライバシーへの懸念
- 収入超過による退去リスク
- 退去時に高額な原状回復費用がかかる可能性
それぞれの内容を理解しておけば、自分にとって本当に適した住まいかどうか、冷静に判断できますよ。
1. 設備が古く生活の不便さを感じやすい
県営住宅の中には築30年以上経過した建物も多く、水回りの設備や断熱性能に不便を感じるケースがあります。

旧式の給湯器が残る物件では追い焚き機能が使えなかったり、断熱性の低さから冬場の寒さや結露、カビの発生に悩まされたりすることもあるでしょう。
ただし、すべての県営住宅が古いわけではありません。宮城県では外壁改修率が令和7年度に86%まで上昇し、兵庫県では子育て世帯向けのリノベーションが始まっています。
自治体によって改修状況は大きく異なるため、入居を検討する際は物件ごとの築年数や改修履歴などの情報を確認し、内覧で実際の設備状態をチェックすることが欠かせません。
最新の民間賃貸と同じ快適さを期待すると、ギャップを感じる可能性があることは覚えておきましょう。
Yahoo!知恵袋では、県営住宅の設備の古さ、特にお風呂の追い焚き機能の有無や給湯器の故障といった、水回りのトラブルに関する声が見られました。

こんにちは。県営の団地に入居しているのですが、お風呂に追い焚き機能が無く、とても不便に感じています。団地なので許可を得て、後付けで付けられれば…と思い色々と調べてはみるものの、知識が乏しく混乱するばかりです。現状は、タッチパネルでお湯の温度や湯量、お湯張り出来る機能はあります。そして外側に謎の穴が空いています(風が入るのでテープで塞いでますが)。違う階に住んでいる方は、追い焚き機能があるそうです。バスタブには排水できる穴が底に一つあります。こういった状態で、追い焚き機能を付けるとしたら、どういう施工でどのくらいお金がかかるものなのでしょうか。拙い説明で申し訳ないですが、宜しくお願い致します。
引用:Yahoo!知恵袋

私の友人が困っています。市営住宅で給湯器が壊れたら自費で修理するのは普通ですか?ちなみに入居一年未満です。
引用:Yahoo!知恵袋
追い焚き機能がなかったり、突然給湯器が故障したりと、水回りのトラブルは日々の生活に直結する大きな悩みですよね。
入居前に確認しきれない設備の不安や入居後のリフォームについてお悩みなら、一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
2. 住民トラブルが発生しやすい環境
県営住宅は多くの人が集まって暮らす集合住宅である以上、どうしても住民トラブルのリスクは避けられません。
特に築年数が古い物件では防音性が低く、生活音が響きやすいといった構造的な課題があります。
また、民間賃貸と大きく異なるのが「濃い近所付き合い」です。
共用部分の掃除や草むしりを住民たちで担う「自主管理」が基本となるため、活動に参加しない人やルールを守らない人がいると、不公平感から住民同士の対立に発展しやすくなります。
生活リズムや価値観が異なる世代が混在していることも、些細な行動がトラブルの火種になりやすい一因です。
トラブル発生時の対応窓口
もし騒音や迷惑行為に悩まされた場合、当事者同士で直接注意し合うのはリスクが高いためおすすめできません。さらなるトラブルを招く恐れがあるためです。
まずは管理公社や自治会の相談窓口へ連絡しましょう。いつ、どのような被害があったか記録を残し、第三者を通じて改善を求めるのが賢明な対処法です。
3. 世間体やプライバシーへの懸念
県営住宅への入居を躊躇する理由の一つに「恥ずかしい」「みじめ」といった心理的な抵抗感があります。
公営住宅に住むことは経済的に困窮しているイメージと結びつきやすく、社会的な偏見が根強く残っているのが実情です。
親族や友人に住所を知られたくない、職場で話題にしたくないといった声も少なくありません。
また、入居者の生活背景が多様であることから、プライバシーの保護に不安を感じる方もいます。
共用部分での立ち話や自治会活動を通じ、家族構成や生活状況が周囲に伝わってしまうケースも考えられるためです。
ただし、こうした懸念は個人の価値観によって大きく異なります。家賃の安さや住環境の安定を優先する方にとっては、世間体よりも実利を重視する選択が合理的な場合もあるでしょう。
大切なのは、他人の評価ではなく自分自身の生活設計に合った住まいを選ぶことです。
参照:兵庫県|兵庫県/【特集】県営住宅のグレードアップ改修~新婚・子育て世帯向けリノベーション~
4. 収入超過による退去リスク
県営住宅では、入居後に収入が増えると「収入超過者」に認定され、家賃が段階的に上がる仕組みがあります。
基準は自治体や条例により異なりますが、国の基準をもとにした一般的な目安としては、月収15万8千円(裁量世帯は21万4千円)を超えると収入超過者となり、明け渡し努力義務が発生します。
家賃は1年目から段階的に引き上げられますが、すぐに市場家賃になるわけではありません。
注意が必要なのは、5年以上入居し、かつ高額所得者(月収31万3千円超などが目安)に認定された場合です。このケースでは、期限付きの明け渡し請求を受ける可能性があります。
毎年の収入申告は義務付けられているため、昇給や転職で収入が変動する見込みがある方は、お住まいの自治体の基準を確認しつつ、将来的な住み替えも視野に入れておくと安心です。
5. 退去時に高額な原状回復費用がかかる可能性
県営住宅を退去する際、想定以上の原状回復費用を請求されるケースが少なくありません。
民間賃貸では通常損耗や経年劣化は家賃に含まれるため入居者負担外とされますが、公営住宅では経年劣化も含めて原状回復を求められることが多く、退去費用が割高になりやすいのです。
実際の請求額は、2DKで15万円程度から、一般的には30万円~60万円前後です。愛知県営住宅で約25万円、東京都営住宅で47万円を請求されて裁判になった例があります。
参照:2025年3月24日 高額修繕費払えない 公営住宅のあり方問う
入居者負担になりやすい項目
退去費用が高額になりがちな理由は、公営住宅特有の「家賃の仕組み」にあります。
民間賃貸の家賃には、通常の使用による損耗(自然な劣化)を修繕するための費用が含まれているのが一般的です。しかし公営住宅は、低所得者向けに家賃を安く抑えるため、建物が古くなることによる減価分を家賃から差し引いています。
その結果「自然な劣化の修繕費は家賃に含まれていない」とみなされ、退去時に畳の表替えや襖の張り替え費用を入居者が負担するケースが多いのです。
裁判例でも、この考え方が支持される傾向にあります。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 畳・襖 | 状態に関わらず、表替えや張り替え費用を請求される場合がある |
| 設備 | 入居者が設置した風呂釜や照明などは撤去が必要 |
| その他 | 換気扇の油汚れや、タバコのヤニによるクロス変色など |
トラブルを防ぐため、退去時の立ち会いでは担当者と一緒に修繕箇所を確認し、本当に必要な補修か、見積額が相場より高すぎないかをしっかりチェックしましょう。
参照:国民生活センター|公営住宅を退去する際の 原状回復費用は借主の負担?
Yahoo!知恵袋でも、県営住宅の退去時にかかる高額な原状回復費用について、不安や不満の声が多数寄せられていました。

県営住宅の退去費用について
先日、母親が亡くなり母親が住んでた県営住宅を退去と言うか明け渡し。
母親の私物は処分済み
自分達も子供の頃は住んでましたが、既に独立。
30年以上 居住してて、畳や壁紙、襖、フローリング等に傷みあり
間取りは3K。
この場合は、退去費用はどれくらい掛かるのでしょうか?
因みに、母親は生活保護を受けてました。
引用:Yahoo!知恵袋

県営住宅の補修費に納得できませんが 2月で3年間住んでいた千葉の県営住宅から出ましたが先日千葉県住宅供給公社の職員と工事請負業者が来て補修費として計:15万程請求されました。金額のほとんどが畳の表替と襖の張り替えです。 襖も畳も特に目立った汚れはないのに3年過ぎた物は取り換えるとの事でした。 3年過ぎた物は取り換える事なんて契約書の何処にも書いていません。ただ原状復帰が基本とだけあります。 納得出来る金額はもちろん払いますがこんな言いなりの金額は支払いたくありません。 支払いの拒否または意義申し立てをしても無駄でしょうか。
アドバイスをお願い致します。
引用:Yahoo!知恵袋

県営住宅退去費用で経験した方に聞きたいのですが この度、18年住んだ県営住宅を退去する事になったんですが県営住宅は民間とは違いガイドラインが適用されないと聞き不安です。長く住んでいたため色々な所が傷んでいます。 経験した方はいくらくらい請求がきましたか? そんなのは立ち合いしてみなきゃ分からないという回答はいりません。 経験された方だけ教えてください
引用:Yahoo!知恵袋
このように、居住年数や部屋の状態にかかわらず、高額な退去費用を請求されるケースが多いため、不安に思うのは当然です。
もし請求額に納得がいかない場合や事前に専門家のアドバイスが欲しい場合は、専門家プロファイルで気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
それでも県営住宅に住むメリット4つ

デメリットを読んで「やっぱり県営住宅は住みにくいのでは」と感じたかもしれません。
しかし、経済的な面では民間賃貸にはない大きな魅力があります。家賃の安さだけでなく、契約や入居時にかかる費用負担が軽いのも見逃せません。
主なメリットは次のとおりです。
- 民間賃貸より圧倒的に安い家賃設定
- 敷金礼金や更新料が不要
- 保証人不要で入居できるケース
- 初期費用を大幅に抑えられる
これらを踏まえれば、県営住宅が自分の家計にどう影響するか、より現実的に判断できますよ。
1.民間賃貸より圧倒的に安い家賃設定
県営住宅の最大のメリットは、やはり家賃の安さです。
民間賃貸とは異なり「入居者の収入」に応じて家賃が決まる仕組みです。そのため、収入が少ない世帯ほど家賃設定が低くなり、無理なく支払い続けられるよう配慮されています。
物件や自治体にもよりますが、近隣の民間アパートの相場と比べて、半額〜3分の1程度の家賃で済むケースも珍しくありません。
毎月の固定費を大幅に抑えられるため、生活にゆとりが生まれるのは県営住宅ならではの魅力といえるでしょう。
2.敷金礼金や更新料が不要
県営住宅では、敷金礼金や更新料が原則不要です。
民間賃貸では通常、入居時に敷金1~2か月分と礼金1~2か月分が必要となります。
一方、県営住宅では礼金が全国的に不要です。敷金は家賃の3か月分が必要な場合が多いものの、礼金や仲介手数料がかからないため初期費用を大幅に抑えられます。
さらに注目すべきは、更新料が一切かからない点でしょう。
民間賃貸では2年ごとに家賃1~2か月分の更新料が発生することが多いのですが、県営住宅なら何年住んでも更新料はゼロです。
10年間住み続ければ、その差は数十万円にもなります。
ただし、敷金や更新料の取り扱いは自治体によって条例で定められている場合もあるため、申し込み前に必ず確認しておきましょう。
3.保証人不要で入居できるケース
多くの県営住宅では、令和2年(2020年)4月以降の入居者から連帯保証人が不要です。
これは全国的な制度改正によるもので、埼玉県や愛知県をはじめ、各自治体で同様の措置が取られています。
保証人を頼める親族や知人がいない方、または依頼しにくい事情を抱えている方にとって、この変更は大きな安心材料となるでしょう。
ただし保証人が不要になった代わりに、緊急連絡先として1名の届出が必要になる場合があります。
これは万が一の際に連絡が取れる人を登録するもので、保証人のような経済的な責任を負うものではありません。
すべての県営住宅で保証人が不要とは限らないため、入居を希望する自治体の最新条件を必ず確認するようにしてください。
参照:令和4年9月定例会 一般質問質疑質問・答弁全文(渡辺大議員)-埼玉県議会
4.初期費用を大幅に抑えられる
これまで見てきた「安い家賃」「敷金礼金・更新料不要」「保証人不要」という3つのメリットを総合すると、県営住宅は初期費用を大幅に抑えられる住まいだといえます。
民間賃貸では、敷金3か月分・礼金1~2か月分・仲介手数料1か月分・前家賃などを合わせると、家賃の6か月分以上の初期費用がかかることも珍しくありません。
一方、県営住宅では敷金3か月分のみで済むケースが多く、礼金や仲介手数料が不要なため、初期費用は約半分以下に抑えられます。
経済的な理由で住まい探しに悩んでいる方にとって、県営住宅の利用は非常に有力な選択肢となるでしょう。
貯金が少ない方や引っ越し費用をできるだけ抑えたい方は、この初期費用の差を具体的にシミュレーションしてみることをおすすめします。
県営住宅で後悔しないための対策4つ

県営住宅への入居を決める前に「本当にこの選択で大丈夫だろうか」と不安を感じる方も少なくありません。実際、事前の情報不足が原因で、入居後に想定外のトラブルに直面するケースも見られます。
しかし、適切な対策を講じておけば、そうしたリスクは大幅に減らせます。入居前の準備段階で確認すべきポイントを押さえておくだけで、安心して新生活をスタートできるでしょう。
主な対策は次のとおりです。
- 内覧で設備・周辺環境・共用部分をチェックする
- 入居前に自治会ルールと住民の雰囲気を把握する
- 収入上限を超えないための長期計画を立てる
- 入居時に室内の写真を撮って保存しておく
これらを実践しておけば「こんなはずじゃなかった」という後悔を未然に防げますよ。
1. 内覧で設備・周辺環境・共用部分をチェックする
内覧は、建物の現状を直接確認できる唯一のチャンスです。
まず室内では、水回りの設備に注目しましょう。蛇口やシャワーの水圧、排水の流れ、浴室のカビや変色、キッチンのコンロや換気扇の動作状況を確認してください。
建具の開閉がスムーズか、窓の結露跡や隙間風がないかもチェックが必要です。
| 確認箇所 | チェックポイント |
|---|---|
| 水回り | 水圧、排水、カビ、変色、設備の動作 |
| 建具・窓 | 開閉状況、結露跡、隙間風 |
| 共用部分 | 清掃状況、ゴミ置き場の管理 |
| 周辺環境 | 日当たり、風通し、騒音、生活施設までの距離 |
共用部分の管理状況も判断材料となります。
階段や廊下の清掃が行き届いているか、ゴミ置き場が適切に管理されているかを観察すれば、住民の意識レベルや管理体制が見えてくるでしょう。
気になる点は写真に残し、担当者に質問して納得してから判断することをおすすめします。
2. 自治会のルールと住民の雰囲気をチェックする
入居後のトラブルやミスマッチを防ぐには、現地の掲示板や共用部分から「住民の生活ぶり」を読み取ることが大切です。
内覧の際は部屋の中だけでなく、以下のポイントもあわせて確認してみてください。
| チェック場所 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 掲示板 | ・清掃や草むしりの当番表(頻度や義務の厳しさ) ・騒音やゴミ出しに関する注意書き(トラブルの有無) |
| 敷地内・共用部 | ・ゴミ置き場や駐輪場の整理状況(住民のモラル) ・すれ違う人の挨拶や雰囲気(自分に馴染めそうか) |
掲示板に厳しい口調の張り紙が多かったり、駐輪場が荒れていたりする場合は注意が必要です。
書かれているルールや現地の空気が、自分の生活スタイルや性格に合っているか、冷静に見極めましょう。
Yahoo!知恵袋では、公営住宅への入居を検討するにあたり、人間関係や実際の雰囲気に不安を感じる、といった声が見られました。

公営住宅(県営や市営)は、人間関係が面倒臭いと聞いたのですが、本当ですか? 隣町の閑静な県営住宅街の雰囲気はなかなか気に入っていたので、よくそこへ、散歩、ウォーキングやジョギングをしに行ったりはしていましたが下手すればあまり治安は良くない場所ですかね?
引用:Yahoo!知恵袋

県営住宅に当たりました。 でも入居を辞退しようか迷っています。
4歳の子がいるシングルマザーです。 実家に住んでいます。 このたび、物は試しと何となく応募した県営住宅に一回で当選してしまいました。 最初は喜んだものの、今は入居をためらう気持ちが出てきています。なぜかというと、当選した住宅を見に行ってみて(外観、街のようす)、その住宅の雰囲気や周辺の空気がどんよりしててとても気になったからです。その建物のオーラ、気、佇まい…が灰色、みたいな。
都心に近く立地はとても気に入っています。 3LDK、家賃も相場よりかなり安いはずです。 (まだ家賃の審査されてません) 通勤にも便利。
今は田舎で不便も多く、また親と同居というのも、キツイです。良かれと思ってやってくれていることにもイライラしてしまって…。
狭いながらも外部業者が入って掃除の行き届いたアパート、マンションに慣れてしまっていて。そういう経験からも今回の下見でやっぱり辞退しようか、と思いました。 環境は大事だし子供が過ごすし、と数万上がってもいいから民間の賃貸を探すべきか迷っています。
引用:Yahoo!知恵袋
このように、書類上の条件が良くても、実際の雰囲気や人間関係は住んでみないとわからない部分が多く、不安を感じる方は少なくありません。
入居後のミスマッチで後悔しないためにも、住まい選びに詳しい専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
3. 収入上限を超えないための長期計画を立てる
県営住宅は「終の住処」ではなく、生活基盤を整えるための「通過点」と捉えるのが現実的です。
収入が増えて基準を超えると、以下のように家賃の増額や退去を求められる仕組みになっています。
| 入居期間 | 認定区分 | 措置内容 |
|---|---|---|
| 3年以上 | 収入超過者 | 家賃に割増金が加算される(近隣相場と同等になる場合も) |
| 5年以上 | 高額所得者 | 期限付きの「明け渡し(退去)」を請求される |
そのため、安さに甘んじることなく、将来を見据えた準備が必要です。
将来のトラブルを防ぐための対策
いざ退去や家賃増額となっても困らないよう、入居中から以下の対策を習慣にしておくと安心です。
| 対策 | 具体的なアクション |
|---|---|
| 家賃差額の貯蓄 | 生活レベルを上げず、差額を引越し費用として積み立てる |
| 区分の確認 | 毎年の通知書で、収入超過区分に近づいていないか確認する |
キャリアアップして収入が増えるのは喜ばしいことです。
民間賃貸や持ち家へスムーズにステップアップできるよう、資金的な体力をつけておきましょう。
4. 入居時に室内の写真を撮って保存しておく
退去時に「入居前からあった傷」か「あなたがつけた傷」かで揉めないよう、入居直後に室内全体の写真を撮っておきましょう。
県営住宅の退去費用は30万円〜60万円と高額になる場合もあります。入居時の記録がないと元からあった汚れまで請求される恐れがあります。
撮影すべき箇所は以下の通りです。
- 天井・壁・床の傷や変色
- 建具やドアの傷・隙間
- キッチン・浴室などの水回りの汚れ
- 照明器具やスイッチ類の状態
国交省のガイドラインでは、入居時に現況を写真等で記録しておくことがトラブル防止に役立つとされています。
日付付きで保存することで、後日の証拠として有効です。
撮影したデータはスマートフォンだけでなく、GoogleドライブやiCloudなどのクラウドストレージに保存し、複数のバックアップを取っておくと安心です。
この記録があれば、退去時の不当な請求に対して客観的に反論でき、金銭的なトラブルを未然に防げますよ。
参照:国土交通省住宅局|原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)
県営住宅の入居資格と申し込みの流れ

県営住宅への入居を考えているものの「自分は申し込めるのか」「どんな手続きが必要なのか」と不安に感じていませんか。
県営住宅には収入基準や世帯構成など、いくつかの条件があります。ただし、仕組みを理解すれば、自分が対象になるかどうかの判断は意外とシンプルです。
入居までの流れを、次の3つに分けて説明します。
- 入居に必要な条件と資格要件
- 申し込みから抽選までの手続き
- 入居後の収入申告と更新手続き
全体の流れを把握しておけば、書類の準備や申し込み時期の見通しが立てやすくなりますよ。
STEP1:入居に必要な条件と資格要件
申し込みの準備を始める前に、世帯が条件を満たしているか確認が必要です。
自治体によって細部は異なりますが、基本的には以下の4つをすべてクリアしていれば申し込めます。
| 条件 | チェックポイント |
|---|---|
| 同居親族 | 原則として親族や婚約者がいること ※単身向け物件もあるが、間取りや広さに制限がある |
| 収入基準 | 世帯全員の収入が、自治体の定める基準内であること |
| 住宅の困窮 | 現在持ち家がなく、家賃負担などで住宅確保に困っていること |
| 支払い能力・履歴 | 敷金(家賃3ヶ月分程度)を支払えること 住民税の滞納や過去の公営住宅でのトラブルがないこと |
まずはこの4点をチェックし、問題がなければ次のステップへ進みましょう。
収入基準と優先枠の仕組み
県営住宅への入居可否を判断する上で、最も重要なのが収入基準です。
多くの都道府県では、世帯全員の月収が158,000円以下であることが基本条件となっています。
ただしひとり親世帯や障害者世帯など、裁量階層に該当する場合は214,000円〜259,000円以下と基準が緩和される場合があります。(参照:裁量階層とは|湖南市)
また低所得者以外でも入居できる可能性があるのが、優先入居枠の存在です。多くの自治体では以下のような世帯が優先枠の対象となっています。
- 子育て世帯や多子世帯
- 母子・父子世帯
- 高齢者世帯や障害者世帯
- 生活保護世帯
- 被災者など特別な事情がある世帯
優先枠では抽選時に一般世帯の2倍の当選倍率が設定される場合もあり、入居のチャンスが広がります。
ただし具体的な基準や優先順位の付け方は自治体ごとに大きく異なるため、必ず各都道府県の住宅供給公社や担当窓口で最新情報を確認しましょう。
STEP2:申し込みから抽選までの手続き
申し込みは郵送や窓口が主流ですが、最近はネットで完結する自治体も増えています。
募集は年に数回、期間は1〜2週間と短めです。所得証明書や住民票などは発行に時間がかかることもあるため、早めに手配しておきましょう。
応募多数の場合は公開抽選です。当選後に資格審査をパスすれば、晴れて入居決定です。
もし落選しても、次回の募集で再挑戦できます。自治体ごとにスケジュールや必要書類が異なるため、広報紙などで最新の募集要項をチェックしてみてください。
STEP3:入居後の収入申告と更新手続き
県営住宅には、民間アパートのような2年ごとの更新契約や更新料はありません。
その代わり、年に1回必ず「収入申告」する必要があります。
毎年6月~7月頃に、世帯全員の前年の収入を報告します。この申告をもとに、翌年度の家賃が決まる仕組みです。
注意したいのは、申告を忘れると「一番高い家賃(近傍同種家賃)」が適用されてしまう点です。民間家賃と変わらない金額になってしまうため、期限は必ず守りましょう。
また、収入が増えて基準を大幅に超えると、将来的に退去を求められる場合もあります。「長く住める家」ではありますが「永住権があるわけではない」という点は覚えておいてください。
参照:静岡県住宅供給公社|なぜ毎年7月に収入申告をしなければならないのですか?
県営住宅の退去時にかかる費用と注意点

「退去時に高額な費用を請求されるのでは」と不安に感じていませんか。
実は県営住宅は家賃が安い分、民間賃貸よりも「原状回復」の基準が厳しく設定されているケースがあります。
思わぬトラブルを避けるため、事前に以下の3点を押さえておきましょう。
- 退去時に請求される費用の内訳
- 主な請求項目と費用目安(令和6年度の参考例)
- 退去手続きでトラブルを避けるコツ
仕組みを理解しておけば、必要以上に恐れることはありません。 納得して退去できるよう、具体的なルールを見ていきましょう。
退去時に請求される費用の内訳
県営住宅の退去費用が高額になりがちな理由は、公営住宅特有の「家賃の仕組み」にあります。
民間賃貸の家賃には、通常の使用による損耗(自然な劣化)を修繕するための費用が含まれているのが一般的です。
しかし公営住宅は、低所得者向けに家賃を安く抑えるため、建物が古くなることによる減価分を家賃から差し引いています。
その結果「自然な劣化の修繕費は家賃に含まれていない」とみなされ、退去時に畳の表替えや襖の張り替え費用を入居者が負担するケースが多いのです。
主な請求項目と費用目安(令和6年度の参考例)
県営住宅では、退去時に「畳の表替え」や「襖の張り替え」などが義務付けられているケースが多くあります。以下は、ある自治体の実例です。
| 項目 | 費用目安(税抜) |
|---|---|
| 畳(表替え) | 1畳 5,560円 |
| 襖(張り替え) | 1枚 2,870円 |
| 障子(張り替え) | 1枚 2,140円 |
| クリーニング | 2万円〜4万円程度 |
| 設備の撤去 | 風呂釜・エアコン等は撤去が必要 |
参照:新潟市|県営住宅及び駐車場の明け渡しと退去修繕に関する手続きについて
特に「設備の撤去」は、入居者が設置した風呂釜や照明器具、エアコンなどをすべて撤去する必要があるため、業者への依頼費用が別途かかる点に注意してください。(一部の自治体を除く)
Yahoo!知恵袋でも、県営住宅の退去費用について、高額な請求に戸惑う声が見られました。

県営住宅の退去費用について質問です。 40年住んだ県営住宅の退去費用が25万円だと言われたのですが、どう思いますか? 周りの団地は退去後、誰も入居してないので、空室ばかりなのに、回復費用を取る必要があるんですか?
引用:Yahoo!知恵袋
40年も住み続けた後の25万円という請求は、たしかに驚きますよね。公営住宅特有のルールを知らないと、思わぬ高額請求に繋がることがあります。
退去費用の内訳や妥当性に疑問がある場合は、法律の専門家に相談してみるのがおすすめです。
退去手続きでトラブルを避けるコツ
スムーズに退去するためには、余裕を持った行動が欠かせません。
余計な費用やトラブルを防ぐため、以下の2点を徹底しましょう。
| ポイント | 内容・注意点 |
|---|---|
| 退去予告は早めに | ・退去日の14日前までに届け出る(自治体による) ・遅れると日割り家賃が発生するため、決まり次第連絡する |
| 査定への立ち会い | ・荷物搬出後の検査には必ず立ち会う ・元々あった傷や経年劣化であることを担当者に伝える |
特に入居時の写真やメモが残っている場合は、査定の際に提示すると強力な証拠になります。
「言った言わない」のトラブルにならないよう、主張すべき点はその場で伝えましょう。
費用負担に疑問を感じた場合の対処法
県営住宅では「畳や襖の張り替えは入居者負担」など、独自の条例や特約が優先されるケースが多く見られます。
近年は民法改正により「自然な劣化は入居者が負担しなくてよい」という考え方が一般的ですが、公営住宅はこのルールの例外となる場合があるため注意が必要です。
もし、以下のような疑問を感じた場合は、支払う前に確認しましょう。
- 納得できない高額な請求が来た
- 明らかに経年劣化(自然な損耗)の分まで含まれている気がする
このような時は、管理元の住宅供給公社や自治体の窓口へ相談してください。 言われるがまま支払うのではなく、内訳について説明を求め、納得した上で手続きを進めることが大切です。
参照:全国市町村研修財団|民法大改正~自治体実務に与える影響~その2
Yahoo!知恵袋でも、県営住宅の退去時に納得のいかない高額な修繕費用を請求され、困惑しているという声が見られました。

県営住宅の補修費に納得できませんが 2月で3年間住んでいた千葉の県営住宅から出ましたが先日千葉県住宅供給公社の職員と工事請負業者が来て補修費として計:15万程請求されました。金額のほとんどが畳の表替と襖の張り替えです。 襖も畳も特に目立った汚れはないのに3年過ぎた物は取り換えるとの事でした。 3年過ぎた物は取り換える事なんて契約書の何処にも書いていません。ただ原状復帰が基本とだけあります。 納得出来る金額はもちろん払いますがこんな言いなりの金額は支払いだくありません。 支払いの拒否または異議申し立てをしても無駄でしょうか。
アドバイスをお願い致します。
引用:Yahoo!知恵袋
このように、県営住宅の退去時には、独自のルールを理由に高額な修繕費用を請求されるケースは少なくありません。請求内容に少しでも疑問を感じたら、言われるがまま支払う前に、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
県営住宅に関するよくある質問

最後に、県営住宅に関するよくある質問にお答えします。疑問をお持ちの方は参考にしてください。
県営住宅と市営住宅で、家賃の安さに違いは基本的にありません。
どちらも国の統一基準に基づいて計算されるため、管理元が県か市かで差が出ることはないからです。
家賃を決める要素は、あくまで入居者の収入と物件の築年数や広さです。同じような条件の物件であれば、県営・市営のどちらを選んでも、家賃は同じ水準となります。
県営住宅への入居に必要な最低年収の決まりはありません。
県営住宅は低所得者向けの住宅であるため、下限ではなく収入の上限が厳格に定められています。そのため、生活保護受給者や年金生活の方であっても、要件さえ満たせば入居可能です。
一般世帯の収入上限は、月収(政令月収)で15万8千円以下が目安となります。
家賃が段階的に値上げされ、最終的には退去を求められる可能性があります。
入居者が基準以上の収入を得るようになると、入居期間に応じて以下の措置が取られます。
| 期間・条件 | 措置内容 |
|---|---|
| 入居3年以上(収入超過) | 本来の家賃に割増金が上乗せされ、負担が増える |
| 入居5年以上(高額所得) | 期限付きの退去(明け渡し)を請求される |
このように、収入が増えると家賃のメリットが薄れていくため、将来的な住み替えも視野に入れておく必要があります。
県営住宅の家賃は、近隣の民間相場と比べて半額から3分の1程度が目安です。
県営住宅は営利を目的としていないため、民間アパートよりも大幅に安い設定になっています。たとえば、民間では家賃5万円のエリアでも、県営住宅なら2万円前後で借りられるケースも珍しくありません。
また、初期費用として必要なのは敷金(家賃2〜3ヶ月分)のみであり、礼金や仲介手数料がかからない点も大きな違いです。
高齢者世帯の家賃は、一概に現役世代より安いとは限りません。基本的には「世帯全員の合計所得」に基づいて算定されるため、収入に応じた家賃が設定されます。
ただし、負担を軽減する仕組みは存在します。例えば、70歳以上の扶養親族がいる場合に適用される「老人扶養控除」などがあり、これにより計算上の所得が低くなるケースがあります。
また、自治体によっては独自の家賃減免制度を用意している場合もあります。正確な金額を知りたい場合は、管轄の窓口で世帯状況を伝えて試算してもらうと確実です。
最も大きな違いは、家賃が固定ではなく毎年変動するという点です。
民間賃貸は契約時の家賃が続きますが、県営住宅は入居者の前年の収入に応じて、毎年家賃が決定されます。そのため入居者は年に一度、収入申告しなければなりません。
また、更新料が不要である点や連帯保証人の要件が厳しい点なども、民間賃貸とは異なる特徴です。
まとめ
県営住宅は、日々の生活を経済面から支えてくれる心強い「住まい」です。
しかし、その環境が自分や家族の暮らしに合うかどうかは、慎重に見極めなくてはなりません。
安さだけに惹かれて入居し、日々の生活にストレスを感じてしまっては本末転倒です。
「今の生活スタイル」と「これからのライフプラン」。この2つを軸に、長く安心して暮らせる場所かどうかを判断してください。
とはいえ、住まいと家計のバランスを自分だけで最適解に導くのは難しいものです。「この選択で将来も安心できるのか」「浮いたお金をどう活かすべきか」と迷ったら、お金の専門家(FP)の視点を借りてみましょう。
専門家プロファイルなら、家計管理やライフプランに強い専門家を条件に合わせて探せます。
納得のいく住まい選びをするために、まずはプロの意見を聞いてみてはいかがでしょうか。






