鉄筋と鉄骨の違いとは?構造・性能・コストから選び方まで徹底解説

賃貸物件や住宅購入を検討する際「鉄筋」と「鉄骨」という言葉を目にして、その違いがわからず迷った経験はありませんか?
この構造の違いは防音性や耐震性、そして家賃相場まで大きく影響します。鉄筋コンクリート造(RC造)は静かで快適な一方、鉄骨造(S造)はコストを抑えられるメリットがあります。
この記事では、鉄筋と鉄骨の構造的な違いから防音性・耐震性・耐火性といった性能面の比較、さらには家賃相場やメリット・デメリットまで徹底解説します。この記事を読めば、後悔しない住まい選びができるようになるでしょう。
鉄筋と鉄骨の違いとは?素材と構造の基礎知識

建物の構造には「鉄筋」と「鉄骨」がありますが、名前が似ていて具体的にどう違うのか悩んでいませんか。
これらは素材や組み方が異なるだけでなく、両者を組み合わせたハイブリッドな構造(SRC造)も存在します。それぞれの特徴を知っておくと、物件選びでの失敗を防げます。
ここでは、主要な3つの構造について解説します。
- 鉄筋コンクリート造(RC造)| 鉄筋とコンクリートの複合構造
- 鉄骨造(S造)|鋼材の骨組みで支える構造
- 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)|両方を組み合わせた構造
構造ごとの違いを理解して、耐震性や防音性など、自身が重視したい条件に合った住まいを見つけましょう。
鉄筋コンクリート造(RC造)|鉄筋とコンクリートの複合構造

鉄筋コンクリート造(RC造)は、圧縮に強いコンクリートと引張に強い鉄筋を組み合わせることで、高い耐久性と耐震性を実現した構造です。互いの弱点を補い合うこの仕組みにより、地震の揺れや建物の重さを効果的に支えます。
コンクリートは上からの重さに耐える力は強いものの引っ張られる力には弱く、ひび割れやすい性質があります。一方で鉄筋は熱やサビに弱い反面、引っ張る力に対して強い抵抗力を持ちます。
両者を組み合わせることで、コンクリートが鉄筋をサビから守り、鉄筋がコンクリートのひび割れを防ぐ強固な柱や梁が完成します。
| 素材 | 圧縮力(押しつぶす力) | 引張力(引っ張る力) | 役割 |
|---|---|---|---|
| コンクリート | 強い | 弱い | 圧縮力を負担し、鉄筋を腐食から守る |
| 鉄筋 | (細いため座屈しやすい) | 強い | 引張力を負担し、コンクリートの粘り強さを補う |
鉄骨造(S造)|鋼材の骨組みで支える構造
鉄骨造(S造)は、軽量かつ高強度の鋼材を使用することで、しなやかで地震に強い建物を実現します。コンクリートに比べて建物自体の重量が軽くなるため、地震の揺れによる影響を小さく抑えられるのが特徴です。
柱や梁を一体化するラーメン構造や筋かいで補強するブレース構造を用いることで、横からの力に粘り強く抵抗します。


使用する鋼材は厚みによって以下の2種類に分類され、建物の規模や用途に合わせて使い分けられます。
| 種類 | 鋼材の厚さ | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 軽量鉄骨造 | 6mm未満 | 一般住宅、小規模店舗 | 工期が短く、建築コストを抑えやすい |
| 重量鉄骨造 | 6mm以上 | マンション、ビル | 強度が高く、柱の少ない大空間を作れる |
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)|両方を組み合わせた構造
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は、鉄骨・鉄筋・コンクリートのすべてを組み合わせることで、最高クラスの強度と耐震性を誇る構造です。
粘り強い鉄骨の周りに鉄筋を組み、さらにコンクリートで固めることで、揺れにも火災にも強い建物を構築します。
3つの素材をかけ合わせることで、RC造の「変形のしにくさ」とS造の「粘り強さ」を兼ね備えました。高い安全性が確保できるため、多くの人が利用する大規模建築物に適しています。
- 高層マンション
- オフィスビル
- 大規模商業施設
コストや工期がかかるものの、耐震性・耐火性に優れ、災害リスクを低減したい建物で多く採用される工法の一つです。
鉄筋と鉄骨の防音性を比較

物件探しでよく目にする「鉄筋コンクリート(RC造)」と「鉄骨(S造)」ですが、実際にどれくらい生活音の聞こえ方が違うのか気になりませんか。
建物の構造によって音の伝わり方は大きく異なるため、それぞれの特徴を知っておくと物件選びでの失敗を防げます。
両者の違いや特徴について、以下のポイントから詳しく見ていきましょう。
- RC造は壁が厚く生活音が漏れにくい
- S造は音が響きやすく防音性が低い
- 軽量鉄骨と重量鉄骨の防音性の違い
ご自身の生活スタイルに合った、快適で静かな住まいを見つけるためのヒントになるでしょう。
RC造は壁が厚く生活音が漏れにくい
RC造は、コンクリートの高い密度と重量によって音の振動を遮断し、静かな住環境を作り出します。壁の内部に隙間がほとんどなく、話し声やテレビの音を通しにくいのが強みです。
木造や軽量鉄骨造は壁の中に空洞があり音が抜けやすいのに対し、RC造は壁そのものが分厚い防音シールドの役割を果たします。そのため、隣室からの騒音トラブルを避けたい方に適しています。
ただし壁の防音性が高くても、窓やドアの隙間、換気口からは音が侵入します。内見の際は、サッシの等級や隙間の有無もあわせて確認しておくと安心です。
専門家プロファイルでは、建築家の齋藤 進一さんが、新築マンションの騒音に関する疑問に回答しています。
【質問(要約)】

3月に新築の鉄筋コンクリート造マンションに入居し当初は快適でしたが、最近になり上階の足音や隣人の生活音が気になり始めました。乾燥する季節や、時間が経ってコンクリートが安定することによって、音の響きやすさは変化するものなのでしょうか。
【回答】

この時期、新居のマンション・アパートへ引越される方も多いかと思います。
戸建て住宅に長年住んでいた方が共同住宅に住むと気になるのが近隣の騒音(生活音も含む)ですね!
鉄骨造や鉄筋コンクリート造で違いはあるのか、防音性についてなど記事を書きましたので騒音に悩まれている方のご参考になれば幸いです。
「鉄筋と鉄骨はどっちが防音性が高い?違いや調べ方を紹介」 https://www.livable.co.jp/l-note/life/s10534/
RC造は構造的に防音性に優れていますが、実際の住環境ではさまざまな要因で音が気になることもあります。
構造的な特徴や防音対策について疑問や不安がある場合は、専門家プロファイルで建築のプロに相談してみてはいかがでしょうか。
S造は音が響きやすく防音性が低い
S造は鉄骨そのものが音の振動を伝えやすいため、RC造に比べると生活音が響きやすい傾向にあります。コンクリートのような遮断性がないため、隣や上下階の足音や話し声が気になるケースも目立ちます。
特に壁が薄い物件では、生活音が筒抜けになることもあります。音に敏感な方は、内見時に壁の厚さを確認したり最上階の角部屋を選んだりといった工夫が必要です。
一方で、最近では遮音材を充填したり二重壁を採用したりして対策している物件も増えています。
構造だけで判断せず、実際の建物の仕様を確認しましょう。
軽量鉄骨と重量鉄骨の防音性の違い
同じ鉄骨造でも、重量鉄骨造を選べば一定の遮音性が期待できます。
骨組みの厚みだけでなく、床や壁の構造そのものが異なるため、防音性能には明確な差が出ます。
鋼材の厚さの違いや壁・床構造、適した人を表にまとめたので、参考にしてください。
| 項目 | 軽量鉄骨造 | 重量鉄骨造 |
|---|---|---|
| 鋼材の厚さ | 6mm未満 | 6mm以上 |
| 壁・床構造 | 石膏ボードなどが主体で薄い | コンクリートや厚い壁を使用 |
| 防音性 | 木造と同程度(低い) | 軽量鉄骨より優れる |
| 適した人 | 家賃の安さを重視する人 | 一定の防音性と強度を求める人 |
軽量鉄骨造は壁が薄くなりやすく、防音性は木造と大きく変わりません。対して重量鉄骨造は、頑丈な骨組みに合わせて壁や床も厚く作られるため、遮音性は高くなります。
静かな環境を優先するのであれば、S造の中でも重量鉄骨造の物件を探すとよいでしょう。
鉄筋と鉄骨の耐震性・耐火性・耐久性を比較

鉄筋コンクリート造と鉄骨造、どちらが地震や火災に強いのか気になりませんか。長く住み続ける家だからこそ、安全性や耐久性は妥協できないポイントです。
どちらの構造も一定の基準を満たしていますが、それぞれ得意な分野や性質が異なります。
それぞれの特徴について、詳しく見ていきます。
- 耐震性はRC造もS造も高い基準を満たしている
- 耐火性はRC造が圧倒的に優れている
- 耐久性と法定耐用年数の違い
- 気密性・断熱性が異なり光熱費に差が出る
両者の違いを正しく知ることで、あなたのライフスタイルに合った構造を選べるようになりますよ。
耐震性はRC造もS造も高い基準を満たしている
現在の建築基準法では、RC造もS造も「震度6強から7程度の地震で倒壊しない」という基準をクリアしているため、安全性に極端な差はありません。
どちらを選んでも、大地震に耐えうる強度は確保されています。
ただし、地震の揺れに対する「耐え方」のアプローチが異なります。
| 構造 | 耐震の仕組み | 特徴 |
|---|---|---|
| RC造 | 剛構造 | 硬くて重いため揺れにくいが、地震エネルギーを建物全体で受け止める |
| S造 | 柔構造 | 鉄骨がしなることで地震エネルギーを吸収し、建物の倒壊を防ぐ |
RC造は頑丈さで揺れを抑え込み、S造はしなやかさで揺れを逃がします。どちらも新耐震基準に適合しており、安心して居住できる水準です。
専門家プロファイルでは、運営事務局が構造選びに悩む相談者からの質問に回答しています。
【質問(要約)】

医院併用の3階建て住宅を計画中で、重量鉄骨造と鉄筋コンクリート造のどちらにするか悩んでいます。現在の住まいでRC造の施工不良による漏水を経験し不安があるため、両者の施工リスクやデザインの自由度、耐震性の違いなど、メリット・デメリットを教えてください。
【回答】

鉄筋コンクリート(以下、RC造)に限らず、鉄骨造であっても施工業者の腕が大事です。
私たち設計者は、通常、監理まで引き受けて、RC造であれば鉄筋検査と現場打ちの立会い、鉄骨の場合は工場検査、現場建て方での立会い等を行ないます。
施工者は、設計者が監理につくかどうかで、丁寧さが大分違うようです。 設計者が現場の初期段階で、何に注意を払っているか伝えることで、設計上大事な項目に関して、腕の良い職人、工場などを手配したりします。
鉄骨造でもタイルを張ることは可能ですが、組積的な重厚な表現のデザインをしようと思うと、RC造のほうが優れていると言えます。
耐震性に関しては、どちらも同じだけの強度を有していると思ってくださって結構です。 ただし、鉄骨の方が揺れ幅が大きく、恐怖感があると思います。
断熱性能はRC造に軍配があがります。断熱すること自体は同じスペックになるのですが、コンクリート自身が蓄熱性能を持っています。病院のように24時間空調する場合は、とてもメリットがあると思います。
鉄骨のメリットはスパン(柱と柱の間)を飛ばせることが最大のメリットです。 もう一つ、忘れてはならないのが地盤。地盤が悪いと自重の軽い鉄骨の方がよい場合があります。
引用:専門家プロファイル|重量鉄骨と鉄筋コンクリートとの比較
耐震性についてはどちらも高い水準ですが、断熱性や地盤との相性、施工体制など総合的な視点で構造を選ぶことが大切です。
建物の用途や土地の条件に合わせて最適な選択のために、専門家の意見を聞いてみることをおすすめします。
耐火性はRC造が圧倒的に優れている
火災発生時の安全性に関しては、コンクリート自体が不燃材料であるRC造が圧倒的に有利です。
一方でS造の鉄骨は熱に弱く、540℃を超えると強度が急激に低下してしまいます。
そのため、S造では以下の表のように耐火被覆などの対策が必須です。
| 項目 | RC造(鉄筋コンクリート) | S造(鉄骨) |
|---|---|---|
| 素材の性質 | コンクリートは燃えない | 鉄は高温で強度が落ちる |
| 火災時の強度 | 1000℃でも強度を維持 | 500℃以上で変形・崩壊のリスク増 |
| 必要な対策 | 特になし(素材そのものが強い) | ロックウールや耐火塗料で覆う必要あり |
RC造は1000℃近い高温の火災に数時間さらされても、強度がほとんど低下しません。火災が起こっても建物が崩壊するリスクが低く、延焼を防ぐ防火壁としての役割も果たします。
耐久性と法定耐用年数の違い
資産価値と建物の物理的な寿命のどちらにおいても、RC造が最も長持ちします。
RC造やSRC造の法定耐用年数は47年と定められており、適切にメンテナンスすれば物理的には100年以上持たせることも可能です。
S造は鋼材の厚みによって年数が細かく区分されており、サビ対策などの維持管理が建物の寿命を左右します。
| 構造 | 鋼材の厚さ | 法定耐用年数 | メンテナンスの要点 |
|---|---|---|---|
| RC造・SRC造 | – | 47年 | ひび割れ補修、防水工事 |
| 重量鉄骨造 | 4mm超 | 34年 | 防錆塗装、シーリング打ち替え |
| 軽量鉄骨造 | 3mm超〜4mm以下 | 27年 | こまめな防錆処理が必要 |
| 軽量鉄骨造 | 3mm以下 | 19年 | 短期間での点検・補修が必要 |
特に軽量鉄骨造は厚みが薄いぶん、腐食が進むと強度が落ちやすいため注意しましょう。長期的な資産価値や修繕計画を重視する場合は、耐用年数の長い構造を選ぶのが安心です。
専門家プロファイルでは、建築家の佐山慎英さんが、鉄骨造の中古物件を購入する際の確認事項について回答しています。
【質問(要約)】

築36年の鉄骨造4階建て中古物件の購入を検討しています。リフォームを前提としていますが、建物自体の安全性や今後の耐久性を判断するために、内覧時や購入前に確認すべき具体的なポイントを教えてください。北海道の寒冷地にある物件です。
【回答】

確認申請書があり検査済み書があることまた実施設計図面と構造計算書があること、昭和56年以降の新耐震建築であることです。
引用:専門家プロファイル|鉄骨造 中古物件を見る時のポイント
建物の寿命を正しく見極めるためには、実際の劣化状況だけでなく、建築時の書類や耐震基準などの客観的な情報を確認することが不可欠です。
建物の安全性や維持管理に不安がある場合は、専門家プロファイルで建築家に相談してみてはいかがでしょうか。
気密性・断熱性が異なり光熱費に差が出る
断熱性と気密性の違いは、毎月の光熱費に直接影響します。
| 構造 | 熱伝導性 | 光熱費への影響 |
|---|---|---|
| RC造 | 外気の影響を受けにくく室温を保ちやすい | 冷暖房効率が良く光熱費を抑えられる |
| S造 | 鉄骨の熱伝導率が高く外気温が伝わりやすい | 冷暖房の使用頻度が増え光熱費が高くなる |
RC造は気密性が高く、適切な断熱施工がされていれば室温を一定に保ちやすいのが特徴です。ただしコンクリート自体は熱を伝えやすい性質も持っています。断熱が不十分だと外気の影響を強く受けてしまうため、内見時などは断熱対策が十分に施されているかを確認しておくと安心です。
一方のS造は、鉄骨を通じて熱が逃げやすく、冷暖房費がかさむ傾向にあります。高性能な断熱材を使えばある程度は改善できますが、基本的には熱の出入りが生じやすい構造になっています。
鉄筋コンクリート造(RC造)のメリットとデメリット

頑丈なイメージがある鉄筋コンクリート造ですが、実際に住んでみるとどのような良さや注意点があるのか気になりませんか。
構造的な特徴をあらかじめ知っておけば、自身の生活スタイルに合った物件を選びやすくなります。
RC造の主な特徴について、メリットとデメリットの両面から順に紹介します。
- 【メリット①】防音性・遮音性に優れ静かに暮らせる
- 【メリット②】耐震性・耐火性が高く災害に強い
- 【メリット③】気密性が高く室温を一定に保ちやすい
- 【デメリット①】家賃が高く初期費用の負担が大きい
- 【デメリット②】湿気がこもりやすくカビが発生しやすい
良い点だけでなく注意点も把握することで、納得のいく物件選びができるでしょう。
【メリット①】防音性・遮音性に優れ静かに暮らせる
RC造は高密度なコンクリート壁により、優れた遮音性能を発揮します。壁の厚さが180〜250mmほど確保されているため、隣室の生活音や話し声を効果的に遮断できるからです。
構造別の遮音性能(L値)目安は以下の通りです。
| 構造 | L値(目安) | 遮音性の特徴 |
|---|---|---|
| SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート) | L-40 | 最高水準の遮音性 |
| RC造(鉄筋コンクリート) | L-50 | 標準的で優秀 |
| S造(鉄骨) | L-55 | RC造に比べて音が伝わりやすい |
上記のようにSRC造には及びませんが、木造やS造と比較すれば音漏れのリスクは大幅に軽減されます。
静かな住環境を重視する場合、RC造は非常に有力な選択肢です。
鉄筋コンクリートの防音性については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

【メリット②】耐震性・耐火性が高く災害に強い
RC造は、地震のエネルギーを吸収し、火災の熱にも耐えうる強固な構造です。
圧縮に強いコンクリートと引張に強い鉄筋を組み合わせることで、地震の揺れを建物全体で分散させられます。
またコンクリート自体が不燃材料であるため、火災時にも構造体が燃え落ちるリスクを抑えられます。万が一の災害から、命や資産を守るための頼もしい構造といえます。
【メリット③】気密性が高く室温を一定に保ちやすい
隙間のないコンクリート構造が外気の侵入を防ぐため、冷暖房の効率を高められます。
壁や床が一体化されており、木造のように空気が通り抜ける隙間がほとんどありません。一度適温にした室内の空気を逃しにくいため、快適な温度を維持しやすくなります。
ただし、コンクリートは熱を伝えやすい性質も持っています。
断熱材が不足していると外気の影響を直接受けてしまうため、内見時などは断熱対策が十分に施されているかを確認しておくと安心です。
【デメリット①】家賃が高く初期費用の負担が大きい
建築コストが他の構造より高額になるため、家賃や購入価格も比例して高くなる傾向です。
以下の表は、構造別の坪単価を比較したものです。
| 構造 | 坪単価(居住専用住宅) | 傾向 |
|---|---|---|
| RC造 | 110.0万円 | 複雑な工程によりコスト増 |
| S造 | 103.2万円 | RC造よりは安価 |
RC造は工事期間が長く、多くの人件費や材料費が必要です。
その結果として賃貸市場での家賃設定も、木造や軽量鉄骨造に比べて割高になるケースが一般的です。
専門家プロファイルでは、建築家の小松原 敬さんが、鉄筋コンクリート造の見積もり価格と品質の安全性に関する疑問について回答しています。
【質問(要約)】

鉄筋コンクリート造での家づくりを検討中ですが、提示された見積もりが想定より大幅に安く不安を感じています。知人から「材料や質を落とせば安くできる」と聞きましたが、安い見積もりは品質や安全性に問題があるということでしょうか。
【回答】

横浜の設計事務所です。
建売やモデル販売ではなく注文建築としての家の見積もりは、詳細な設計図をもとに行います。 建物の構造、特にコンクリート造は構造計算が必要ですし、地盤調査の結果によって杭が必要になる事が多いです。 さらに、内装・外装・設備、諸々の設計を行うと設計図は何十枚にもなります。
当然それだけの内容を決定するには、施主さんとの打ち合わせを何回となく繰り返し何ヶ月かかけて設計図が出来上がります。
木造ならば木組みの設計も行い、どのような太さの梁や柱、どのような木を使うか、などをすべて決めて設計図にします。
コンクリート造ならば、鉄筋の配筋(太さ、本数、どのような形に鉄筋を配置するか)、コンクリートの厚み、コンクリートの強度、等々の構造をすべて設計図にします。
値段比較をするなら、その設計図をもとに複数の工務店さんに同じ条件で見積もりを依頼します。 そこで始めて値段の比較ができるのです。
もし、納得して作った設計の家をきちんとした値段比較の上で、きちんとした現場監理(監理は設計事務所が行います)で造りたいとお思いでしたら、まずは設計事務所にご相談することをお薦めします。
引用:専門家プロファイル|鉄筋コンクリートを安く作ると危険?
建築コストが高くなりがちなRC造ですが、提示された金額だけで良し悪しを判断するのは難しく、詳細な設計内容に基づいた検討が必要です。適正な価格や業者選びに不安がある場合は、専門家プロファイルで信頼できる専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
【デメリット②】湿気がこもりやすくカビが発生しやすい
RC造は気密性が高い分、室内の湿気が逃げにくく、結露やカビのリスクがあります。
コンクリートで覆われた構造には隙間がほとんどないため、空気が滞留しやすくなるのが原因です。
カビを防ぐには、湿気をため込まない日々の工夫が欠かせません。
- 24時間換気システムを常に稼働させる
- 換気扇のフィルターを定期的に掃除する
- 除湿機を活用して湿度を下げる
- 洗濯物の室内干しを避ける
特に換気システムは空気を循環させる要です。スイッチを切らずに常時運転させ、定期的なフィルター掃除で性能を維持してください。
鉄骨造(S造)のメリットとデメリット

鉄骨造の物件を選ぶ際、家賃の安さに惹かれつつも、実際の住み心地や騒音について不安を感じていませんか。
建物の特徴を正しく知っておけば、自身のライフスタイルに合うかどうか判断しやすくなります。いい面だけでなく、注意点もしっかり押さえておきましょう。
主な特徴について、順番に見ていきます。
- 【メリット①】家賃が比較的安く予算を抑えられる
- 【メリット②】通気性が良くカビが発生しにくい
- 【メリット③】柱が少なく開放的な間取りにできる
- 【デメリット①】防音性はRC造に劣る
- 【デメリット②】断熱性が低く冷暖房費がかかる
メリットとデメリットの両方を理解すれば、納得のいく部屋選びができるようになるでしょう。
【メリット①】家賃が比較的安く予算を抑えられる
S造は建築コストが安く工期も短いため、RC造よりも家賃相場が低くなる傾向があります。
工場で部材を製造して現場で組み立てる「プレハブ工法」が主流であり、RC造のようにコンクリートが乾くのを待つ必要がありません。
以下は、構造によるコストや工期の違いを比較したものです。
| 項目 | S造(鉄骨造) | RC造(鉄筋コンクリート造) |
|---|---|---|
| 主な工法 | プレハブ工法(組み立て中心) | 現場でのコンクリート打設 |
| 工期 | 短い | 長い |
| 建築コスト | 比較的安い | 高い |
| 家賃設定 | 割安 | 割高 |
「防音性はそこそこで良いが、木造よりは安心感が欲しい」という方にとって、S造はコストパフォーマンスの良い住宅だといえるでしょう。
浮いた家賃分を貯蓄に回したり同じ予算でより良い立地の物件を選んだりと、生活の選択肢を広げられます。
【メリット②】通気性が良くカビが発生しにくい
S造は構造的に通気性が確保されやすいため、湿気がこもりにくくカビの発生リスクを低減できます。
コンクリートで密閉されるRC造とは異なり、木造と同様に適度な空気の流れが見込まれるからです。気密性が高すぎて空気が滞留するといった問題が生じにくく、自然な室内環境を維持できます。
「閉塞感が苦手」「自然な風通しを感じたい」方には、圧迫感が少なく過ごしやすい構造です。
【メリット③】柱が少なく開放的な間取りにできる
強度の高い鉄骨を使用することで、柱や壁の少ない広々とした空間を実現できます。
鉄骨には高い引張強度と柔軟性があるため、RC造ほど多くの柱を必要としません。特に「重量鉄骨造」であれば、柱のない広いリビングや吹き抜けなど、開放感あふれる設計が可能です。
内部の間仕切りも自由に配置しやすく、将来的なライフスタイルの変化に合わせて間取りを変更できる点も魅力といえます。
【デメリット①】防音性はRC造に劣る
鉄骨は振動を伝えやすい性質を持つため、RC造のような厚いコンクリート壁がある構造と比較すると防音性は劣ります。
ただし、同じS造でも「軽量鉄骨」と「重量鉄骨」では遮音性能に大きな差があります。
| 種類 | 特徴 | 防音性の目安 |
|---|---|---|
| 重量鉄骨 | 骨組みが太く頑丈。床や壁にコンクリートパネル(ALC)を使用することが多い。 | 比較的高め |
| 軽量鉄骨 | アパートに多い。壁や床が薄く、音が響きやすい。 | 低め(木造に近い) |
物件探しの際は、構造の種類を確認するとともに、以下の対策も検討してください。
- 最上階や角部屋を選ぶ
- 隣室との接地面が少ない間取りを選ぶ
- 内見時に壁の薄さや音の響きを確認する
入居後の騒音トラブルを避けるためにも、妥協せず現地でのチェックを済ませておきましょう。
軽量鉄骨の特徴やメリット、デメリットは以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

【デメリット②】断熱性が低く冷暖房費がかかる
鉄は熱伝導率が高いため外気の影響を受けやすく、冷暖房効率が下がる可能性があります。
「ヒートブリッジ現象」により、夏は熱気、冬は冷気が鉄骨を伝って室内に侵入しやすくなるためです。結果としてエアコンの効きが悪くなり、光熱費が高くなるケースも見られます。
快適に暮らすためには、構造的な弱点をカバーする設備が欠かせません。内見時には以下のポイントを必ずチェックしてください。
- 断熱材が十分に充填されているか
- 窓がペアガラス(複層ガラス)や二重サッシになっているか
- 隙間風が入る箇所はないか
構造上の弱点を設備でカバーできている物件なら、光熱費を抑えつつ快適な暮らしを実現できますよ。
専門家プロファイルでは、建築家の齋藤 進一さんが、鉄骨造における断熱施工と熱橋対策に関する質問に詳しく回答しています。
【質問(要約)】

重量鉄骨造での住宅建築を検討しています。外壁と床にALCパネルを採用し、内断熱工法で施工する場合、上下階の床部分は熱の逃げる「熱橋」になってしまうのでしょうか。快適な住環境を作るために気をつけるべき断熱のポイントや注意点を教えてください。
【回答】

はじめまして
RC造やS造においての断熱は大半が内断熱工法で外周部のみの断熱に集中しがちですよね。 建物の設定基準にも因りますが、熱橋有無によって温熱環境は大きく左右されてしまいます。
2020年省エネ基準義務化は見送りになりましたが、今後は断熱基準も上級グレードの考え方が基本的に導入される時代だと感じます
フラット35(断熱等性能等級4 技術基準) https://www.flat35.com/files/300200680.pdf
P15に構造熱橋部の断熱補強の考え方が記されてますが、床や内部壁においても地域区分に応じた長さで熱橋は重要だと思います。(画像はアキレス株式会社より)
日本全体が異常気象に見舞われ、今までの基準では対応できない地域も出てきてますので、設計者がアップグレードの判断を施主様に分かりやすく説明し、快適な住環境を提供する時代になったのではないでしょうか。 簡単ですがご参考まで
鉄骨造(S造)は頑丈な反面、快適さを左右する「断熱」には高度な知識と工夫が必要です。
ご自身のプランで夏暑く冬寒い家にならないか不安な方は、ぜひ専門家プロファイルで建築家に相談してみましょう。
鉄筋と鉄骨どちらを選ぶべき?物件選びの3つのポイント

鉄筋コンクリートと鉄骨、どちらの物件を選べばよいのか判断に迷うこともあるはずです。構造の違いが実際の生活音や住み心地にどう影響するのか、具体的にイメージしづらいかもしれません。
自分にぴったりの物件を見つけるために、まずは以下の3つのポイントをチェックしてみましょう。
- 防音性を最優先するならRC造を選ぶ
- 家賃を抑えたい場合はS造を検討する
- 広い間取りを求めるならS造を検討する
それぞれの特徴を正しく理解することで、理想の暮らしに近づくための選択ができるようになるでしょう。
1. 防音性を最優先するならRC造を選ぶ
静かな生活環境を何よりも重視するなら、RC造が最も確実な選択肢です。密度が高いコンクリートの壁は、空気の振動を強力に遮断し、隣や上下階からの音を大幅に軽減します。
壁の厚さは一般的に160〜250mmあり、遮音性能は約55〜60dBに達します。これは、隣室でピアノを弾いていても「かすかに聞こえる程度」まで音を小さくできるレベルです。
- テレワークで集中したい
- 睡眠環境を整えたい
- 子どもの足音や泣き声が近所に響かないようにしたい
上記のような悩みを持つ方にとって、RC造の遮音性は大きな安心材料になります。
2. 家賃を抑えたい場合はS造を検討する
毎月の固定費を少しでも節約したい場合は、S造の物件から探すのが効率的です。
S造はRC造に比べて材料費や建築コストが安く済むため、それが家賃設定にも反映されやすくなっています。同じ駅、同じ広さの物件で比較した場合、S造の方が数千円〜1万円程度安くなるケースも珍しくありません。
ただし、安さと引き換えに防音性や断熱性はRC造に劣ります。「家にいる時間が短い」「音はあまり気にしない」方であれば、コストパフォーマンスの良いS造は賢い選択といえます。
3. 広い間取りを求めるならS造を検討する
開放的なリビングや自由度の高いレイアウトを求めるなら、S造(特に重量鉄骨造)が適しています。
S造は頑丈な柱と梁で建物を支える「ラーメン構造」が主流で、室内に邪魔な壁が少なく、広々とした空間を確保できるのが特徴です。
一方、低層マンションによくあるRC造(壁式構造)は、壁で建物を支えるため、どうしても部屋の中に厚い壁が出てきてしまいます。

主な違いは以下の通りです。
| 項目 | S造(ラーメン構造) | RC造(壁式構造) |
|---|---|---|
| 空間の特徴 | 柱がメインで壁が少ない | 壁が厚く部屋に出っ張る |
| 間取りの自由度 | 高い(リフォームしやすい) | 低い(壊せない壁が多い) |
| 開口部 | 大きな窓を作りやすい | 窓のサイズに制限が出やすい |
将来的にライフスタイルが変わっても、S造であれば間取り変更のリフォームに対応しやすいのがメリットです。
鉄筋と鉄骨の違いに関するよくある質問

鉄筋と鉄骨の違いに関するよくある質問に回答します。疑問をお持ちの方は参考にしてください。
家賃を抑えたい方には、むしろ賢い選択といえます。
RC造に比べて遮音性や断熱性は劣りますが、その分、毎月の固定費を安く抑えられるのがメリットです。音漏れが心配な場合は、隣室との接地面が少ない角部屋や、上階の足音が気にならない最上階を選ぶことで対策できます。
静けさを最優先するか、コストメリットを取るか、自身の優先順位に合わせて判断してください。
防音性に関しては同程度ですが、耐久性や断熱性には明確な違いがあります。
軽量鉄骨も木造も壁が薄くなりやすく、生活音が響きやすい点は共通しています。一方で、耐久性はシロアリ被害に強い鉄骨造が優れ、断熱性は熱を伝えにくい木造が有利です。
「音の聞こえ方は似ているが、強みとなる性能が異なる」と理解しておくと、物件選びでのミスマッチを防げます。
木造アパートについては以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

主な違いは「鋼材の厚さ」と「適した建物の規模」です。
厚さ6mm未満の軽量鉄骨は建築コストが安く、主にアパートなどの小規模建築に使われます。対して6mm以上の重量鉄骨は強度が高く、マンションなどの大規模建築に適しています。
防音性や耐久性を重視するなら、骨組みが太く頑丈な重量鉄骨の方が有利です。
一般的に、建築コストが高い鉄筋コンクリート(RC造)の方が家賃は高くなります。
RC造は遮音性や気密性などの性能が優れている分、価格に反映されやすいからです。ただし、家賃設定は立地や築年数にも大きく左右されます。
「性能重視で高めのRC造」か「コスト重視の鉄骨造」か、予算と生活スタイルのバランスを考慮して比較検討してください。
まとめ
本記事では、鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨造(S造)の違いについて解説しました。
静けさと快適さを最優先するならRC造、家賃を抑えてコストパフォーマンスを重視するならS造が適しています。自身のライフスタイルや予算に合わせて、どちらを優先すべきか検討することが重要です。
エリアごとの家賃相場や具体的な物件の構造についてなど個別相談が必要な場合は、幅広い専門家が回答する専門家プロファイルの無料Q&Aを活用して、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。






