メゾネットはやめたほうがいい?後悔する前に知りたいデメリットからメリットまで解説

最近人気のメゾネット物件のおしゃれな吹き抜けや、上下階で生活空間を分けられる魅力に心惹かれつつも、「電気代が高くなるって聞いたけど本当?」「子どもが階段から落ちないか心配」といった声も耳にして、決めきれずにいる方も多いのではないでしょうか。
確かにメゾネットには階段の負担や光熱費など、知っておくべきデメリットがあります。でも実は、ライフスタイルによってはそれらを上回る快適さを得られることも。物件選びのコツを押さえれば、メゾネットならではの開放的な暮らしを楽しめるかもしれません。
この記事では、メゾネットの7つの注意点を正直にお伝えしながら、どんな人なら快適に暮らせるのか、後悔しない物件の見極め方まで詳しく解説します。
「戸建て気分を味わいたいけど、実際の生活で困りたくない…」そんなあなたの理想と現実のバランスを取れる答えがきっと見つかります。
メゾネットとは?基本知識を解説

内見で見た物件に階段があり、「これってメゾネット?それともロフト?」と迷ったことはありませんか?おしゃれな2層構造の物件を見つけても、メゾネットとテラスハウスの違いがよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
実は、これらの物件タイプにはそれぞれ明確な違いがあり、暮らし方も大きく変わってきます。
ここでは、メゾネットの基本的な特徴と、よく混同される物件タイプとの違いを分かりやすく整理していきましょう。
- メゾネットの定義
- メゾネット・ロフト・テラスハウスとの違い
それぞれの特徴をしっかり理解すれば、みなさんのライフスタイルに本当に合った物件タイプが見つかるはずです。理想の住まい探しのために、まずは基本から一緒に確認していきましょう。
メゾネットの定義
メゾネットとは、1つの住戸が2階層以上に分かれている集合住宅のこと。フランス語で「小さな家」を意味し、住戸内に階段があるのが特徴です。
一般的な賃貸物件が同じフロアで完結するのに対し、メゾネットは1階と2階、または2階と3階といったように上下階を使います。
たとえば、1階にリビング・キッチン・浴室などの水回り、2階に寝室・書斎という間取りが典型的です。
各階の天井高は通常の高さ(2.4m程度)が確保されており、
マンションやアパートでありながらプライベート空間を階層で分けられるため、一戸建てのような感覚で生活できるでしょう。
メゾネット・ロフト・テラスハウスとの違い
メゾネットとよく比較される物件に、ロフトやテラスハウスがあります。それぞれの違いを理解しておくと、物件探しの際に役立つかもしれません。
違いを表にまとめたので、参考にしてください。
種類 | 概要 | 向いている人 |
---|---|---|
メゾネット | ・集合住宅の一住戸が2階層以上に分かれ、内階段でつながっている物件 | 生活空間を分けたいファミリーや在宅ワークが多い人 |
ロフト | ・部屋の一部を2層構造にした、天井の高い空間 ・建築基準法上は「小屋裏物置等」であり居室ではない。 | 限られた面積で収納や寝室を確保したい人 |
テラスハウス | ・複数の戸建て住宅の壁を共有して連なっている建物 ・各戸が独立しており、専用の庭や駐車場がある場合も多い | 戸建て感覚で暮らしたい子育て世帯 |
ロフトはあくまで部屋の一部であり、メゾネットのように階層が完全に分かれているわけではありません。
また、テラスハウスは集合住宅ではなく、独立した戸建てが連なった形態という点でメゾネットとは大きく異なります。
メゾネットはやめたほうがいいといわれる理由7つ

メゾネット物件の内見では開放的な空間に魅力を感じたのに、実際に住み始めてから「思っていたのと違った…」と感じる方も少なくありません。
確かにメゾネットには戸建て感覚で暮らせる魅力がありますが、その特殊な構造ゆえの苦労も存在します。
ここでは、実際に住んだ経験のある方から聞かれる7つの悩みポイントを見ていきましょう。
- 階段の上り下りが毎日の負担になる
- 掃除や洗濯など家事の動線が悪い
- 夏は暑く冬は寒く冷暖房が効きにくい
- 1階部分のセキュリティ面に不安がある
- 生活音や足音が隣の部屋に響きやすい
- 虫が侵入しやすく対策が必須となる
- 家具の搬入や引越し費用が高くなる
これらのポイントを事前に知っておけば、みなさんのライフスタイルに本当にメゾネットが合っているか冷静に判断できます。後悔のない物件選びのために、一つずつしっかり確認していきましょう。
1. 階段の上り下りが毎日の負担になる
メゾネットでは、日常生活の中で階段の上り下りが必ず発生します。朝起きてリビングへ、夜寝室へ、忘れ物を取りに戻るたびに、1日10回以上階段を使うことも珍しくありません。
若いうちは気にならなくても、年齢を重ねるにつれて足腰への負担を感じやすくなります。
体調が悪いときや妊娠中は、階段の上り下りだけで息切れすることも。小さな子どもがいる家庭では、抱っこしながらの移動に気をつけたり、階段からの転落を防止するゲートを設置したりするなどの配慮が必要でしょう。
2. 掃除や洗濯など家事の動線が悪い
上下階に生活空間が分かれているため、メゾネットは家事の動線が複雑になりがちです。たとえば、1階に洗濯機、2階にベランダやバルコニーがある間取りでは、濡れて重くなった洗濯物を持って階段を上ることになります。
掃除の際も、掃除機を持って階段を上り下りすることになるでしょう。掃除機本体の重さに加えて、階段での操作の難しさも相まって、掃除が億劫になりがちです。
買い物帰りに重い荷物を2階のキッチンまで運ぶのは一苦労。日々の家事を効率よくこなしたい方にとって、この動線の悪さは想像以上のストレスになります。
3. 夏は暑く冬は寒く冷暖房が効きにくい
一般的なワンフロアの物件に比べて、メゾネットは冷暖房の効き方が悪くなりがちです。
暖かい空気は上昇し冷たい空気は下降するという性質があるため、夏場は2階に熱がこもりやすく、冬場は1階が冷えやすくなります。上下階で体感温度にかなりの差が生じることも珍しくありません。

1階のリビングを快適な温度にしても、2階の寝室は暑すぎたり寒すぎたりして、各階にエアコンを設置せざるを得ないケースも。
サーキュレーターで空気を循環させる、階段にカーテンを設置するといった対策もありますが、根本的な解決は困難です。
ワンフロアの物件と比べて、光熱費が高くなるのは避けられないと考えておいたほうがよいでしょう。
4. 1階部分のセキュリティ面に不安がある
メゾネットの1階部分は侵入されるリスクがあり、特に道路に面した窓や玄関は注意が必要です。
警視庁の調査によると、侵入窃盗の主な手口は「無締り」と「ガラス破り」であり、メゾネットの1階は地面に近いため、これらの被害に遭いやすい環境といえます。

築年数が古いメゾネット物件ではオートロックが完備されていないことも多く、セキュリティ面の不安はより大きくなります。
防犯フィルムや補助錠の設置など入居者自身で対策を講じる必要があり、その分の費用や手間もかかることを理解しておきましょう。
5. 生活音や足音が隣の部屋に響きやすい
メゾネット物件の構造は物件によって異なり、鉄筋コンクリート造以外に木造や軽量鉄骨造もあります。
構造によって防音・遮音性に差があり、木造や軽量鉄骨造では生活音が響きやすくなりがち。
メゾネット特有の問題として、住戸内の階段を上り下りする音が隣戸に響きやすいという点にも注意が必要です。深夜や早朝に階段を移動する際の音は、隣の寝室に響いてしまうかもしれません。
日本建築学会の遮音等級によると、木造や軽量鉄骨造の一般的な仕様(D-35~40)では「隣の話し声や生活音が聞こえることがある」レベルとされています。(参照:遮音等級と生活実感の対応表|日本建築学会)
階段がある分、通常のアパートより生活動線での移動音が増えるため、隣人への配慮がより必要です。
小さな子どもがいる家庭では、階段を駆け上がる音が騒音トラブルの原因になることもあるでしょう。
6. 虫が侵入しやすく対策が必須となる
1階に玄関や窓があるメゾネットは、地面に近く周辺の植え込みが原因で虫が侵入しやすいというデメリットもあります。
建物の周辺に緑が多い環境では、さまざまな虫に悩まされる可能性があるでしょう。
窓を開ける機会が増える夏場などは、しっかりとした虫対策が欠かせません。網戸の設置はもちろん、隙間テープや虫除けスプレーなど、複数の対策を組み合わせることが必要です。
虫が苦手な方は、内見時に周辺環境や窓の位置を必ず確認しておくことをおすすめします。
7. 家具の搬入や引越し費用が高くなる
メゾネットへの引越しは階段での搬入作業が伴うため、通常の物件より手間がかかります。
階段の幅や曲がり角の角度によっては、ソファやベッド、冷蔵庫などの大型家具・家電が通らないことがあります。
分解できない家具は、窓からの吊り上げ搬入やクレーン車の手配が必要になるでしょう。
階段での運搬は作業員の負担が大きいため、追加料金を設定している引越し業者も少なくありません。
内見時には必ず階段の幅を測り、手持ちの家具が搬入可能か確認しておきましょう。引越しの見積もりでは、階段作業の追加料金について事前に確認することが大切です。
ここまでメゾネットのデメリットを見てきましたが、実際に住むかどうか迷っている人も多いのではないでしょうか。
Yahoo!知恵袋でも、メゾネット物件を選ぶべきか悩んでいる方からの質問が多く寄せられています。
【質問①】

メゾネットの賃貸って住みにくいですか?
いいなと思っている賃貸があるのですが、下がキッチン、お風呂、トイレ、洗面台などがあり、階段があって上に部屋が2つある造りです。
住んだことのある方、メリット、デメリットを教えて頂きたいです!
引用:Yahoo!知恵袋
【質問②】

メゾネットタイプ?一軒家タイプの賃貸に住んだことのある方に質問です。(縦長の間取りというか、一階も二階も自分の部屋のような物件)
実際に住みごこちはよかったですか?
それとも案外隣の部屋の生活音が聞こえたりしましたか?
駅近の1LDKに住むか、それとも上記のような部屋を借りるか非常に悩んでます。回答よろしくお願いします!
引用:Yahoo!知恵袋
住み心地や騒音の感じ方はケースバイケースです。物件選びに迷う方は、建築士や不動産の専門家に無料で相談できる専門家プロファイルを活用してみてはいかがでしょうか。
メゾネットの4つのメリット

メゾネットのデメリットを見て不安になった方もいるかもしれませんが、実は他の賃貸では味わえない特別な魅力もたくさんあります。特に「アパートだけど戸建てみたいに暮らしたい」という方にとっては、メゾネットならではの良さを実感できるはずです。
ここでは、実際にメゾネットに住んでいる方から聞かれる4つの嬉しいポイントをご紹介します。
- 戸建て感覚でプライベート空間を分けられる
- 子どもがいても階下への足音を気にせず生活できる
- 天井が高く開放感のある空間で過ごせる
- おしゃれな内装やインテリアを楽しめる
これらのメリットを知れば、みなさんの理想の暮らしにメゾネットがどれだけマッチするか見えてくるでしょう。デメリットと合わせて考えることで、きっと納得のいく選択ができるはずです。
1. 戸建て感覚でプライベート空間を分けられる
集合住宅でありながら戸建て感覚で暮らせる点は、メゾネットの最大のメリットだといえます。上下階で生活空間を分けられるため、プライベートの空間をしっかり確保できるでしょう。
たとえば、1階をリビング・ダイニング・キッチンなどのパブリックスペース、2階を寝室・書斎などのプライベートスペースとしての使い分けが可能です。
在宅ワークが増えた今、1階で家族が過ごしていても、2階の仕事部屋で集中して働けるのは大きな魅力。急な来客時も、生活感のある2階を見られることなく、1階のリビングだけで対応できます。
夫婦でも生活リズムが異なる場合、階を分けることでお互いに気を遣わず過ごせるのもメゾネットならではの利点です。
2. 子どもがいても階下への足音を気にせず生活できる
小さなお子さんがいるご家庭にとって、階下への騒音は大きな悩みです。その点、メゾネットであれば階下も自室なので、お子さんが走り回っても他の住民に迷惑をかける心配がありません。
雨の日に室内で縄跳びをしたりおもちゃを落としたりしても、階下からクレームが来ることはないでしょう。子どもを叱る回数が減り、親のストレスも軽減されます。
ただし、隣戸への配慮は必要です。特に階段部分が隣と接している場合は、階段を駆け上がる音に注意しましょう。
それでも一般的なアパートやマンションと比べれば、はるかにのびのびと子育てできます。「静かにしなさい」と言い続ける必要がないのは、子育て世帯にとって何よりの安心材料といえるでしょう。
子育て中の騒音問題は、多くのご家庭にとって切実な悩みです。SNSでも、メゾネット物件に住むことで騒音のストレスから解放されたという、喜びの声が投稿されていました。
メゾネットの物件に引っ越してから2階の騒音がなくなったおかげでQOLめっちゃ上がった。
— ゆのきち (@RaaaaaLccccc_RA) September 14, 2025
マジで木造の1階は止めとけ、上の住民と殴り合いになりかねん。
この投稿のように、上下階の音を気にせずに暮らせることは、日々のストレスを大きく軽減してくれます。
お子さんに「静かにしなさい」と言い続ける必要がなくなるだけで、親子関係もより穏やかになるかもしれません。
子育て中の住まいでお悩みの方は、次の選択肢としてメゾネットタイプの物件を探してみてはいかがでしょうか。
3. 天井が高く開放感のある空間で過ごせる
構造上、メゾネットは天井が高く設計されている物件が多くあります。吹き抜けがある物件では、通常の2.4m程度の天井高に対して、5m以上の高さを感じられることも。
大きな窓から差し込む光が上下階に広がり、時間帯によって異なる光の表情を楽しめます。朝は2階の寝室に朝日が入り、夕方は1階のリビングが夕日に染まるといった、立体的な採光が魅力です。
また、上下階で窓を開けることで風通しが良くなり、エアコンに頼らない季節も快適に過ごせるでしょう。
ワンフロアの物件では狭く感じていた方も、メゾネットの縦の広がりなら開放的な気分で生活できます。観葉植物を吊るしたり高い位置に絵を飾ったりと、高さを活かしたインテリアも楽しめるでしょう。
メゾネットの大きな魅力である、天井の高さとそこから生まれる開放感。X(旧Twitter)では、デメリットも理解しつつ、やはりその空間に一度は住んでみたいという憧れの投稿が見られました。
メゾネットタイプのお部屋に一回は住みたい。
— リリ (@Lille194) May 3, 2025
デメリットみたいなのいっぱい出てくるけど、天井高い部屋に憧れる。
投稿された方のように、いくつかのデメリットが気になりつつも、メゾネットならではの開放的な空間での暮らしに憧れる方は多いのではないでしょうか。
写真や間取り図だけでは伝わりにくい縦の空間の広がりは、実際に内見することでより魅力的に感じられるはずです。気になる物件があれば、ぜひ一度不動産会社に問い合わせてみましょう。
4. おしゃれな内装やインテリアを楽しめる
メゾネットはデザイン性の高い物件が多く、内階段自体がインテリアの主役です。
らせん階段やスケルトン階段など、階段のデザインによって部屋の印象は大きく変わります。階段下のデッドスペースを収納や飾り棚として活用すれば、機能性とデザイン性を両立できるでしょう。
階ごとにインテリアのテーマを変えることもできます。1階は来客を意識したモダンな空間、2階は自分好みのリラックス空間といった使い分けが可能です。
SNS映えする部屋づくりをしたい方にとっても、メゾネットの立体的な構造は格好の舞台となるでしょう。
階段から見下ろすリビングの風景や吹き抜けを活かした照明演出など、フォトジェニックな空間を作りやすいのも魅力です。
あなたはどっち?メゾネットが向いている人と後悔しやすい人

メゾネットのメリット・デメリットを見てきて、「結局、自分には向いているの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。ライフスタイルや家族構成によって、メゾネットとの相性は大きく変わってきます。
ここでは、メゾネットで快適に暮らせる人と、後から「普通のアパートにすればよかった…」と感じやすい人の特徴を整理してみました。
- 【向いている人①】在宅ワークで仕事部屋を分けたい人
- 【向いている人②】戸建て感覚の暮らしに憧れる人
- 【後悔しやすい人①】家事の効率や時短を最優先したい人
- 【後悔しやすい人②】高齢者や小さな子どもがいる世帯
みなさんがどちらのタイプに当てはまるか、一緒に確認していきましょう。
【向いている人①】在宅ワークで仕事部屋を分けたい人
在宅ワークにおいて、メゾネットは集中しやすい環境を作りやすい間取りです。
1階を生活空間、2階を仕事空間と完全に分離することで、通勤と同じような気持ちの切り替えが可能です。朝、階段を上がることが「出社」の合図となり、仕事モードに入りやすくなるでしょう。
家族が1階でテレビを見ていても、2階の仕事部屋なら音が届きにくく集中できます。オンライン会議中に、子どもが画面に映り込んだり生活音が入ったりする心配も減りますね。
仕事道具や書類を2階に集約すれば、来客時に慌てて片付ける必要もありません。フリーランスやリモートワーカーにとって、メゾネットは自宅をオフィス化できる理想的な物件といえます。
【向いている人②】戸建て感覚の暮らしに憧れる人
「いずれは戸建てに住みたいけれど、今は賃貸で」と考えている方にもメゾネットはおすすめです。
庭の手入れや外壁メンテナンスといった戸建て特有の負担はないものの、2階建ての暮らしを体験できます。
将来の戸建て購入に向けて、階段のある生活が自分たちに合うか試すことも可能でしょう。
上下階に他の住戸がないため、深夜の生活音や早朝のシャワー音を気にする必要がありません。友人を招いてホームパーティーを開いても、階下からクレームが来る心配は少ないはずです。
隣人との適度な距離感を保ちながら、マイホーム気分を味わいたいカップルや新婚世帯には最適な物件です。
【後悔しやすい人①】家事の効率や時短を最優先したい人
日々の家事を少しでも楽に、効率的にこなしたいと考えている方には、メゾネットは不向きかもしれません。
洗濯物を持って階段を上り下りするだけで、1日に何回も階段を往復することも。掃除機を持って移動したり買い物袋を2階のキッチンまで運んだりと、単純作業に余計な労力がかかります。
平日の朝、出勤前の忙しい時間帯に「2階に忘れ物」となれば、階段を駆け上がる必要があり、ワンフロアなら数秒で済むことが、メゾネットでは余分に時間がかかってしまいます。
共働きで忙しい世帯や家事の時短を重視する方は、階段移動が不便なメゾネットより、コンパクトなワンフロア物件のほうが暮らしやすいはずです。
【後悔しやすい人②】高齢者や小さな子どもがいる世帯
高齢者や、まだ目が離せない小さなお子さんがいるご家庭にメゾネットはおすすめできません。
60代以降は膝や腰の不調を抱えやすく、毎日の階段が苦痛になることも考えられます。夜中のトイレで階段を下りる際、暗闇での転倒リスクにも注意が必要です。
2〜3歳の子どもは好奇心旺盛であるため、階段から落ちる危険性があります。階段の上下にベビーゲートを設置しても、完全に事故を防ぐのは困難です。
抱っこひもで赤ちゃんを抱えながらの階段移動は、親にとっても危険を伴います。
将来的に親と同居する可能性がある方や子どもを考えている方は、バリアフリー性の高いワンフロア物件を選ぶほうが安心でしょう。
高齢者や小さなお子さんがいるご家庭にとって、メゾネット物件の階段は生活上の大きな懸念点となり得ます。X(旧Twitter)でも、実際にメゾネットを検討した結果、お子さんの安全や家具の移動といったデメリットを考えて見送った方の投稿がありました。
そういえば、中古マンション、メゾネットも考えていたが犬が移動しにくいとか、子供の居場所が分かりにくい、上下の家具の移動がたいへんなど考えれば考えるほどデメリットもたくさんありやめたな。
— 川端 和樹 (Kawabata Kazuki) (@hashcray) August 6, 2024
デザイン性の高さに惹かれる一方で、日々の生活における階段の存在は、お子さんの安全確保や将来のバリアフリーを考えると、慎重に判断すべきポイントです。物件選びで後悔しないためにも、自身のライフステージや家族構成に合った間取りを不動産会社の担当者と相談しながら、じっくり検討することをおすすめします。
日々の家事効率を考えると、メゾネットの階段は大きな負担になりがちです。さらに、将来的な暮らしを想像して不安を感じるという声もX(旧Twitter)で見られました。
メゾネット、ヨボヨボになった時どうすんの?
— おマンションOL (@piyopiyoshukipi) May 27, 2025
いや、まあ戸建てと同じだから特にデメリットとは言えないのか
現在の家事動線はもちろん、年齢を重ねたときの生活まで見据えると、階段の存在は慎重に考えるべきポイントです。
後悔しない住まい選びのためにも、自身のライフプランに本当に合っているか、ワンフロアの物件と比較検討しながら専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
メゾネット選びで後悔しないためのポイント5つ

メゾネット物件の内見では、おしゃれな雰囲気に目を奪われて大切なチェックポイントを見逃してしまうことがあります。
実際に住み始めてから「もっとちゃんと確認しておけばよかった…」と後悔する方も少なくないのではないでしょうか。
ですが、内見時にこれから紹介するポイントを押さえておけば、快適なメゾネットライフを送れます。
ここでは、みなさんが見逃しがちな5つの重要チェックポイントをご紹介します。
- 階段の勾配は緩やかで手すりは付いているか
- 洗濯機置き場と物干し場の位置は近いか
- 建物の構造は木造か鉄筋コンクリートか
- 窓の防犯設備や周辺の環境は安全か
- エアコンが設置できる台数と場所
これらのポイントを一つずつ確認していけば、きっと自分の生活スタイルに合った物件を見つけられるはずです。
1. 階段の勾配は緩やかで手すりは付いているか
毎日使う階段の安全性は必ず確認しましょう。実際に上り降りしてみて勾配が急すぎないか、足元のスペースは十分かを体感してください。
体重をかけても安定した握りやすい手すりが設置されているかも、重要なポイントです。階段の角度が45度を超えていたり踏み面(足を乗せる部分)が20cm未満だったりする物件は、毎日の上り下りが苦痛になる可能性があります。
夜間でも足元が見えやすいように、照明が適切に配置されているかも合わせて確認するとよいでしょう。
2. 洗濯機置き場と物干し場の位置は近いか
家事の負担を大きく左右するのが洗濯動線です。内見の際に、洗濯機置き場から物干し場までのルートを実際に歩いて確認しましょう。
理想は、洗濯機と物干し場が同じ階にあることです。実際に洗濯かごを持って階段を上がってみて、15段以上ある場合や曲がり角がある場合は、毎日の洗濯が想像以上に大変になるかもしれません。
もし階が異なる場合は、内見の際に階段の移動がどの程度の負担になるかをシミュレーションしてみてください。
3. 建物の構造は木造か鉄筋コンクリートか
騒音問題で後悔しないために、建物の構造を確認しておきましょう。一般的に、木造や軽量鉄骨造よりも鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造のほうが遮音性に優れています。
国土技術政策総合研究所の調査でも、木造はRC造やSRC造に比べて遮音性能が低い傾向があると明記されており、下表のとおり構造別に音環境評価に差が見られます。

不動産会社の担当者に建物の構造を質問したり、物件情報で確認したりしましょう。音に敏感な方は、RC造やSRC造の物件に絞って探すことをおすすめします。
4. 窓の防犯設備や周辺の環境は安全か
安心して暮らすために、防犯面のチェックも怠らないようにしましょう。
窓に補助錠やシャッターが付いているか、テレビモニター付きインターホンが設置されているかなどを確認します。
1階の掃き出し窓が道路から2m以内にある場合は、防犯フィルムや格子の設置したほうが安心です。
また、物件そのものの設備だけでなく周辺環境の安全性も重要です。夜間に最寄り駅から物件まで歩いてみて、街灯の数や人通りなどを自分の目で確かめておきましょう。
5. エアコンが設置できる台数と場所
メゾネットは上下階で温度差が生じやすいため、各階にエアコンを設置できるかが快適さを左右します。エアコンの設置可能台数と、室外機の設置場所を確認することをおすすめします。
すでにエアコンが設置されている場合は、製造年や性能もチェックしておくとよいでしょう。
環境省の調査によると、10年前の機種と比べて最新の省エネモデルでは、年間で約3,000円の電気代を節約できる可能性が示されています。

メゾネット物件でかさみやすい光熱費を抑えるためにも、空調設備は重要なポイントです。
メゾネットに関するよくある質問

メゾネット物件の家賃や騒音、テラスハウスとの違いなど多くの方が疑問に思う点があります。
最後に、メゾネットに関するよくある質問にお答えします。
メゾネット物件の家賃は必ずしも安いとは限りません。
メゾネットが安くなる理由として、階段がある分使える居住面積が減少することや、同じ建物面積でも戸数が少ないことで、共用部分の管理コストを各戸で分担することが挙げられます。
一方で、吹き抜けなどデザイン性の高い内装や鉄筋コンクリート造の物件では、建築コストが高くなります。戸建て感覚で住める希少性から、むしろ家賃が高めに設定されるケースも少なくありません。
物件選びでは価格だけでなく、それぞれの物件のメリット・デメリットを総合的に比較して検討しましょう。
木造の建物は構造上、音が伝わりやすい性質があるため、
隣戸の話し声やテレビの音、階段を上り下りする音などが聞こえる可能性があります。
日本の住宅騒音基準では、夜間は45デシベル以下が望ましいと定められていますが、木造建築ではそれを超える音が伝わることも少なくありません。(参照:環境基準等の設定に関する資料集|国立環境研究所)
女性の一人暮らしでメゾネットを選ぶ際は、セキュリティ面を重視してください。1階部分が道路に面している物件は避け、オートロックや防犯カメラ、モニター付きインターホンなどの設備が整った物件を選ぶと安心です。
また、建物の構造は遮音性の高い鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造をおすすめします。
まとめ
本記事では「メゾネットはやめたほうがいい」といわれる理由や、快適に住む人の特徴について解説しました。
メゾネットは戸建て感覚で暮らせる魅力がある一方、階段の上り下りや非効率な家事動線、冷暖房の効率が悪いといったデメリットも存在します。
自分のライフスタイルや家族構成と照らし合わせ、今回紹介したポイントを内見時に確認し、契約前に条件をしっかり吟味することが後悔しない物件選びにつながります。
メゾネットに関する悩みは、幅広い分野の専門家が回答する無料Q&Aが充実した専門家プロファイルを活用すれば、あなたの状況に合わせたアドバイスを得られます。
ぜひ気になることを質問してみてください。