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離婚した父親が亡くなったら相続はどうなる?連絡がつかないときの手続きや子の権利などを解説

専門家プロファイル編集局

離婚した父親の突然の訃報を受け「自分に相続権があるのか」「借金を背負うことになるのでは」と不安を感じていませんか。

交通事故や病気などにより、20年、30年と疎遠だった親の死亡連絡が来ることもあるでしょう。何から手をつけてよいかわからないまま、相続放棄の3ヶ月期限だけが迫ってくる焦燥感は計り知れないものがあるでしょう。

再婚相手や異母兄弟との遺産分割協議、予期せぬ借金の発覚など、想定外の問題に直面する方は少なくありません。

財産状況がまったくわからないまま判断を迫られる状況は、精神的にも負担が大きくリスクも高いものです。

この記事では、離婚した父親が死亡した際の相続権の有無から、財産・借金の調査方法、相続放棄の手続き、遺産分割協議の注意点まで目次に沿って順を追ってわかりやすく解説します。

最後まで読めば、3ヶ月の期限内に何を行うべきか明確になり、借金相続のリスクを回避しながら適切に判断できるようになるでしょう。

離婚した父親が死亡した場合の相続権

離婚した父親の相続権関係図

離婚した父親が亡くなった時、自分に相続権があるのか不安になる方は少なくありません。親権の有無や戸籍の状態に関係なく、血縁関係があれば子は法定相続人です。

離婚した元配偶者には相続権がない一方、父親の再婚相手や異母兄弟(連れ子と養子縁組している場合等)には相続権が発生します。

以下の関連事項を確認していきましょう。

  • 子は親権や戸籍に関係なく相続権がある
  • 元配偶者には相続権がない
  • 再婚相手には配偶者としての相続権がある
  • 異母兄弟にも子としての相続権がある

誰が相続人となり誰がならないのか、法的根拠とともに把握しておくと安心です。

子は親権や戸籍に関係なく相続権がある

離婚で親権を持たなかったり戸籍が別になっていたりしても、子には法律上の相続権が認められます。民法887条1項では、実子・養子・嫡出子・非嫡出子を問わず、子は第一順位の相続人と定められているためです。

親権者がどちらであったか、同居・別居の状況、長年疎遠だった事実は相続権に一切影響しません。

数十年会っていなくても、血縁関係がある限り、子としての相続権が失われることはありません

参照:e-Gov|民法

元配偶者には相続権がない

離婚によって婚姻関係が解消されると、元配偶者は法定相続人ではなくなります。民法890条の「配偶者は常に相続人となる」という規定は、法律上の婚姻関係にある者だけを指すためです。

離婚成立の時点で元配偶者としての地位は完全に失われ、相続権も消滅するわけです。

あなたの母親(父親の元配偶者)には相続権がありませんが、子であるあなた自身には確実に相続権があります

参照:e-Gov|民法

再婚相手には配偶者としての相続権がある

父親が再婚していた場合、再婚相手は法律上の配偶者として相続権を持ちます。民法890条では「配偶者は常に相続人となる」と定められており、婚姻期間の長さは関係ありません

実際、死亡時に夫婦として婚姻関係があれば、夫や妻として配偶者の相続権が発生します。子がいる場合、再婚相手の法定相続分は遺産全体の1/2です。

残りの1/2を子全員で分けるため、再婚相手の存在はあなたの受け取れる遺産額に直接影響するでしょう。前妻には相続権がありませんが、再婚相手は配偶者として確実に相続人となります。

  • 配偶者は死亡時に婚姻関係があれば相続権を持つ
  • 子がいる場合の法定相続分は配偶者1/2、子全体で1/2
  • 婚姻期間が短くても相続権に変わりはない

参照:国税庁|相続人の範囲と法定相続分

異母兄弟にも子としての相続権がある

父親が再婚して新たな家族との間にもうけた子(異母兄弟)も、あなたと同じ第一順位の法定相続人です。民法887条1項では被相続人の子は全員が相続人となると定められており、母親が異なっていても子としての法的地位は変わりません

一度も会ったことがなくても、相続権は平等に認められます。

具体的な相続分は、配偶者がいる場合に遺産全体の1/2を子全員で均等に分ける形です。

  • 異母兄弟が1人いれば、あなたと異母兄弟でそれぞれ1/4ずつ
  • 異母兄弟が2人いれば、3人で1/6ずつ
  • 人数が増えるほど一人あたりの取り分は減少

遺産分割協議を進めるには異母兄弟全員の合意が必要となります。関係性が希薄でも法律上は対等な立場として協議に参加する権利があることを覚えておきましょう。

参照:e-Gov|民法

【専門家の回答】相続手続き中に配偶者が亡くなった場合の異父兄弟の相続権

専門家プロファイルでは、税理士である柴田 博壽さんが、数次相続が発生した場合の複雑な相続権について回答しています。

【質問(要約)】

質問者
質問者

父が亡くなった後、遺産分割手続きをする前に母も亡くなりました。母には前夫との子が一人います。この場合、父の遺産のうち母が相続するはずだった分について、母の相続人となる前夫の子にも相続権が発生するのでしょうか。

【回答】

専門家
専門家

ゆっきーにゃ様 はじめまして FP税理士の柴田博壽と申します。 ご質問にお答えします。 お母様の相続発生に伴ってお母様の前夫のお子さん(「Aさん」と呼びます)も当然に法定相続人になります。よって相続権があります。Aさん以外の質問者様のご兄弟4人を合わせた5人が法定相続人で、各人の法定相続分は、お母様の遺産の5分の1ずつとなり、遺留分はその2分の1となります。

もし、お母様固有の遺産がなかった場合、結果的にお父様の遺産総額のうち、各人の相続する割合は、Aさんが10%で、Aさん以外の4人は各22.5%となります。 内訳は、以下のとおりです。

【第1次相続】(お父様の相続発生による相続) 相続人・・・お母様、4人のご兄弟 お母さまの相続割合 2分の1ご兄弟の各相続割合 8分の1(2分の1×4分の1)

【第2次相続】(お母様の相続発生による相続) 相続人・・・Aさん、4人のご兄弟 5人の各相続割合 10分の1(お母様の相続割合2分の1×5分の1となるため)

【異父兄弟5人のトータルの相続割合】 Aさん 10分の1(10%) Aさん以外の4人のご兄弟 40分の9(22.5%) (※8分の1+10分の1=40分の5+40分の4=40分の9)

以上は、あくまで法定相続分に基づいて説明しましたが、遺産分割の協議によって円満であれば他の分け方も十分考えられます。皆さんで話し合われることが大切かと思います。 ご参考になれば幸いです。

引用:専門家プロファイル|相続権について

今回の事例のように、相続発生後に相続人が亡くなる数次相続や異父・異母兄弟の存在によって、権利関係は非常に複雑になります。

ご自身の状況で誰がどれだけの相続権を持つのか正確に把握したい方は「専門家プロファイル」で税理士などの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

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疎遠な父親の財産と借金を調べる5つの方法

離婚した父親の財産調査

疎遠だった父親の財産状況を把握するには、段階的な調査が必要です。生前の生活実態を知り得ない場合、プラスの財産だけでなく借金の存在も見落とす恐れがあります。そのため、リスクを理解したうえで調査を進める必要があります。

財産と借金を調べる具体的な方法を5つ解説します。

  1. 戸籍謄本と住民票を市区町村役場で取得する
  2. 不動産は法務局で登記事項証明書を取得する
  3. 預貯金は金融機関へ残高証明書を請求する
  4. 借金は信用情報機関へ開示請求する
  5. 遺言書は公証役場と法務局で検索する

調査方法を理解すれば、3ヶ月の期限内に相続すべきか放棄すべきかを適切に判断できるようになるでしょう。

1. 戸籍謄本と住民票を市区町村役場で取得する

相続人であることを法的に証明するには、父親の本籍地の市区町村役場で出生から死亡までの連続した戸籍を取得します

状況によって異なりますが、現在の戸籍謄本に加えて、除籍謄本や改製原戸籍が必要になるパターンが一般的です。

窓口で取得する場合は必ず本人確認書類を持参し、手数料を支払えば即日交付されます。

郵送請求も可能ですが、1〜2週間程度かかるため時間に余裕を持って申請してください。

書類名内容手数料
戸籍謄本現在の戸籍内容を証明1通450円
除籍謄本死亡や婚姻で全員が除かれた戸籍1通750円
改製原戸籍法改正前の古い様式の戸籍1通750円

本籍地が遠方でも、広域交付制度により最寄りの市区町村役場で取得できます。住民票の除票は死亡時の住所地で取得可能です。

これらの資料は相続放棄や遺産分割協議で求められるため、ネットで書き方やどこで取得できるかを調べ、早めに準備しておくと安心でしょう。

不動産は法務局で登記事項証明書を取得する

父親が所有していた土地や建物を確認するには、不動産の所在地を管轄する法務局で登記事項証明書を取得してください。窓口で交付請求書に必要事項を記入し、手数料600円分の収入印紙を貼付すれば10〜15分程度で即日交付されます。

登記事項証明書には現在の所有者名義や抵当権の設定状況が記載されています。父親名義の不動産があるか、住宅ローンなどの担保が残っているかを確認しましょう。

「登記ねっと」のかんたん証明書請求を利用したオンラインでの取得も有効であり、自宅に居ながら手数料490円で申請でき、窓口受取なら即日取得できます。

預貯金は金融機関へ残高証明書を請求する

名義変更や解約が必要となる父親の現金・預金、株式などの資産を残すことなく確認するには、金融機関に残高証明書を請求します

通帳やキャッシュカード、年金証書などから取引先の銀行・証券会社を特定してください。手続きは相続人単独で可能です。

必要書類は、父親の死亡が確認できる戸籍謄本、申請者が相続人だとわかる戸籍謄本、実印と印鑑証明書、本人確認書類などです。

発行期間は金融機関によって異なりますが、申請から1週間〜2週間ほどで郵送されるケースが多く見られます。事前に各金融機関へ問い合わせておくと安心です。

銀行名が不明な場合、2024年4月開始の相続時口座照会制度を利用すると、マイナンバーと紐付いた口座を一括で調べられます。

紐付けがない口座は対象外となるため、通帳や郵便物を手がかりに主要な金融機関へ個別に問い合わせてください。

借金は信用情報機関へ開示請求する

疎遠だった父親の借金を正確に把握するには、CIC・JICC・KSCの3つの信用情報機関すべてに開示請求します

機関ごとに登録される情報は異なるため、クレジットカードやローン、銀行借入の状況を漏れなく調べるには、3社への照会が必要です。

開示請求はインターネットからアクセスして申し込め、CICはクレジットカード認証ですぐに情報を確認できます。参照:CIC|情報開示とは

JICCはスマートフォンアプリで申し込めますが、認証方法によっては結果到着まで数日かかる場合があります。(参照:JICC|開示を申し込む

KSCはマイナンバーカードが必要で、開示まで3〜5営業日ほどかかると明記されています。参照:全国銀行個人信用情報センター|本人開示の手続き

機関名確認できる情報
CIC(シーアイシー)クレジットカード・消費者金融の利用履歴
JICC(日本信用情報機構)貸金業者との契約内容・支払状況
KSC(全国銀行個人信用情報センター)銀行ローン・住宅ローンの借入状況

ただし、知人からの借金や税金滞納、個人間の貸し借りは登録されていません。家の中にある遺品や、警察から返却された所持品内の契約書や督促状も忘れずに確認してください。

遺言書は公証役場と法務局で検索する

公正証書遺言は全国の公証役場から検索可能で、平成元年以降に作成された遺言がデータベース化されています

推定相続人や受遺者などの利害関係人であれば、身分証明書・実印・印鑑登録証明書を持参すれば無料で検索できます。

遺言が見つかれば正本・謄本を取得でき、検認手続きは不要です。

参照:日本公証人連合会|遺言公正証書の検索

自筆証書遺言の確認方法|見つからなかった場合は遺産分割協議が必要

自宅で自筆証書遺言を発見した場合、家庭裁判所での検認手続きが必要となります検認には1〜2ヶ月かかり、完了しないと銀行解約や不動産登記ができません

ただし、法務局の保管制度を利用していた遺言は検認不要です。相続人の誰かが手続きすると、他の相続人へ通知が届きます

両機関で遺言が確認できなければ、相続人全員で遺産分割協議を進めます。遺言がない相続では法定相続分に基づいた協議が基本となるため、再婚相手や異母兄弟との話し合いが必要です。

参照:裁判所|遺言書の検認

【専門家の回答】調査で判明した「未登記建物」は放置しても良い?

専門家プロファイルでは、不動産コンサルタントの藤森哲也さんが、相続した建物が未登記だった場合の対応について回答しています。

【質問(要約)】

質問者
質問者

父が他界し実家の土地建物を相続することになりましたが、建物が未登記で、登記簿上は昔の建物のままであることが判明しました。司法書士からは「売却予定がないなら登記は不要」と言われましたが、将来の二次相続や固定資産税の負担が心配です。放置しても問題ないでしょうか。

【回答】

専門家
専門家

(前略)

相続登記には期限や罰則がある訳ではないので、売却などの機会まで何もしていないことは多々あります。

(中略)

しかし、nyanko390308様が危惧される通りリスクもございます。 まず、質問でもございました新たな相続が発生した場合、その子供、孫といった具合に不動産の相続人が増えていきます。いざ売却や建物の取り壊しを行いたいとなったとき、必要書類や承諾を得る先が多くなり、縁も住まいも遠い関係であれば連絡を取るだけでも大変になります。

(中略)

また、相続人に借金などの債務があった場合、債権者が不動産を差押えする可能性があります。

(中略)

現在課税されている固定資産税は、(中略)支払いの責任は相続人全員にあることになるはずです。

(中略)

将来的に必要なこととお考えであったり、他の人だけでなく自身にも万が一のことがあった際、遺族に面倒な状況は残したくないという意向があれば安易に放置できないこととも思われます。

(後略)

引用:専門家プロファイル|相続登記について

このように、財産調査を進める中で、予期せぬ未登記物件や複雑な権利関係が発覚することもあります。

自分たちだけで判断が難しい場合は、実績豊富な専門家プロファイルでプロに相談してみてはいかがでしょうか。

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相続放棄する際の手続き方法5ステップ

相続放棄の手続き流れ

相続放棄を選んだら、3ヶ月の期限内に家庭裁判所で正式な手続きを完了させなければなりません。

戸籍謄本の収集から受理通知書の受け取りまで、以下の5つの流れで解説します。

  1. 被相続人の戸籍謄本一式を収集する
  2. 相続放棄申述書を作成する
  3. 家庭裁判所へ申述書類を提出する
  4. 照会書に回答して審理を受ける
  5. 相続放棄申述受理通知書を受け取る

各手順で必要な書類や注意点を理解しておけば、疎遠な父親の相続でも迷わず手続きを進められるでしょう。

STEP1. 被相続人の戸籍謄本一式を収集する

相続放棄の申述には、自分が相続人だと証明する書類が欠かせません。基本的には、被相続人(父親)の死亡の記載がある戸籍謄本を用意してください。

ただし、申述する人の続柄によっては、出生から死亡までの連続した戸籍が必要になるケースもあります。

戸籍は本籍地の市区町村役場で取得できます。

途中で本籍地が変わっていると複数の役場へ請求が必要となり、取得に1ヵ月程度かかる場合もあるでしょう。疎遠で本籍地が不明な時は、最後の住所地の役場に確認請求すると調査できます。

3ヵ月の期限が迫っているなら、専門家に依頼して迅速に収集する方法も検討してください。

STEP2. 相続放棄申述書を作成する

相続放棄申述書は裁判所の公式書式を使い、申述人と被相続人の情報を正確に記入します

申述人欄に記載する項目は以下のとおりです。

  1. 氏名・住所・本籍地
  2. 生年月日・職業
  3. 被相続人との続柄

被相続人欄には父親の氏名・本籍地・最後の住所・死亡年月日・職業を記入します。

相続財産の概略欄は、わかる範囲で不動産や預貯金、借金の内訳と評価額を書きましょう。押印漏れや本籍地の記入ミスは受理されない原因となるため、提出前に戸籍謄本と照らし合わせて確認してください。

STEP3. 家庭裁判所へ申述書類を提出する

書類一式が揃ったら、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ提出します管轄裁判所は裁判所のWebサイトで住所を入力すれば確認できます。

提出方法は窓口持参と郵送の2つから選んでください。費用の内訳は以下のとおりです。

項目費用
収入印紙(申述書に貼付)800円
郵便切手数百円程度(裁判所ごとに異なる)

参照:裁判所|相続の放棄の申述

STEP4. 照会書に回答して審理を受ける

申述書を提出すると、通常1〜2週間で家庭裁判所から照会書が届きます。相続放棄が本人の真意によるものか確認するための書類です。

照会書には次のような項目が記載されています。

  1. 被相続人との関係や死亡を知った時期と経緯
  2. 相続財産の状況や処分・消費の有無
  3. 相続放棄の理由と申述人の意思確認

それぞれの質問に具体的かつ正確に回答し、申述書と同じ印鑑を押して返送してください。

照会書を返送後、家庭裁判所で審査され数週間程度で完了します。

STEP5. 相続放棄申述受理通知書を受け取る

申述書の提出から早ければ2週間、通常は1ヶ月ほどで家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届きます

ただし、裁判所の混雑状況によっては1ヶ月以上かかるケースも。

家庭裁判所が申述を受理した時点で、法的には「初めから相続人ではなかった」という効力が発生します。父親の借金を支払う義務が完全に消滅し、債権者からの請求を拒否できる状態です。

通知書は債権者への提示が必要になる場合があるため、大切に保管してください。紛失した場合や書類として提出する必要がある時は、受理証明書を1通150円で取得しましょう。

参照:裁判所|相続放棄申述受理証明書の申請について(利害関係人申請用)

【専門家の回答】相続放棄の手続き完了後、裁判所から家族に通知は行く?

専門家プロファイルでは、弁護士の水嶋一途さんが、相続放棄の手続き完了後の通知に関する質問に回答しています。相談者の方は、家族が相続放棄に納得していない状況で、裁判所から家族へ連絡が行くかどうかを心配されています。

【質問(要約)】

質問者
質問者

借金がある父の相続放棄を決めましたが、家族と意見が合わず反対されています。手続きが完了した際、家庭裁判所から他の家族(相続人)へ通知や連絡が行くことはあるのでしょうか。家族への通知について不安があるため教えてください。

【回答】

専門家
専門家

つりばかさん、こんにちは。 弁護士の水嶋一途です。

さて、ご質問の件ですが、つりばかさんが相続放棄の手続を執ったことについて、家庭裁判所から他の相続人に連絡がいくことはありません。

相続放棄の手続に関しては、つりばかさんが相続放棄申述書を家庭裁判所に提出した後に、およそ1〜2週間ほどで家庭裁判所からつりばかさんに「相続放棄の申述についての照会書」が送付されます。 この照会書は、つりばかさんが相続放棄した事実に間違いがないかという確認の書面です。 この書面に必要事項を記載して家庭裁判所に返送すれば、特段の問題がなければ相続放棄の申述が受理され、家庭裁判所から「相続放棄陳述受理証明書」がつりばかさんに送付されます。 これで法的に相続放棄が認められたことになります。

したがって、家庭裁判所からの連絡は、申述人であるつりばかさんにしかありません。 もし、他の相続人であるご家族に相続放棄を伝えるのであれば、この「相続放棄陳述受理証明書」を見せるなり、コピーを渡すなりすれば宜しいかと思います。

ご家族との感情のすれ違いでお悩みのことと思いますが、少しでもつりばかさんのご参考になれば幸いです。

引用:専門家プロファイル|相続放棄について

相続放棄の手続き自体は、今回解説した流れに沿って進めれば完了しますが、家族関係や個別の事情で不安な点が出てくることもあるでしょう。

専門家プロファイルなら、手続きの実務だけでなく、こうした周辺の悩みも相談できます。

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遺産分割協議が必要な時の注意点4つ

離婚した父親の遺産分割協議

相続を受け入れると決めたあと、再婚相手や異母兄弟との遺産分割協議が必要です。

協議を進める際に知っておくべき注意点は以下のとおりです。

  1. 相続人全員の合意がないと協議は成立しない
  2. 署名前に遺産(資産・負債)の全容を確認する
  3. 協議書の内容は撤回が難しい
  4. 連絡が取れない相続人がいると手続きが停滞する

それぞれ確認していきましょう。

1. 相続人全員の合意がないと協議は成立しない

遺産分割協議が成立するには、法定相続人全員の参加と同意が絶対条件です一人でも反対する相続人がいれば、協議は成立しません

一度も会ったことのない再婚相手や異母兄弟と財産の話し合いをするのは、想像以上に気が重いものです。

「なぜ今さら連絡してきたのか」と冷たい反応を受けながら、自分の権利を主張する難しさは当事者にしかわかりません。戸籍謄本を取得して相続人を正確に特定してください。

相続人に未成年者がいる場合の特別代理人や成年後見人の選任、連絡が取れない場合の不在者財産管理人の選任など、対象者に合わせた手続きが必要です。

協議が成立しない時は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てて解決を図ります。

参照:裁判所|不在者財産管理人選任

2. 署名前に遺産の全容を確認する

遺産分割協議書に署名を求められた時、まず確認すべきは遺産の全体像です。疎遠だった父親の場合、あなたが知らない財産や借金が隠れている可能性があります。

「早く署名してほしい」と急かされると、波風を立てたくない気持ちから応じてしまいそうになるでしょう。

しかし、すぐに署名せず慎重になることが、あなた自身の生活を守る最善の対応です。署名前に次の調査を進めてください

  1. 故人の自宅で借用書、督促状、金融機関の郵便物を探す
  2. 通帳の返済履歴から債務やローンの有無を確認する
  3. 信用情報機関に開示請求して借金の全容を把握する
  4. 自治体に照会して税金の未納がないか調べる

特に保証債務は契約書類に記載されていることが多く、見落としやすい項目なので注意してください。

財産調査が不十分なまま署名すると、あとから多額の借金が判明しても協議内容を覆すことは困難です。

3. 協議書の内容は撤回が難しい

署名・押印した遺産分割協議書の内容は法的に確定しますあとから撤回するのはほぼ不可能です。

相続人全員が同意すれば協議のやり直しも可能ですが、一人でも反対すれば内容を覆せません。

遺産分割協議の取り消しは、詐欺や強迫だけでなく、遺産の価値を誤認していたなどの「錯誤」があった場合にも認められます。ただし、取り消しを主張できるのは本人のみです。

権利を行使できる期間にも制限があります。取り消しの原因に気付いてから5年、または協議から20年のいずれか早い段階で時効を迎えます。

単に「内容に納得できない」という理由だけでは撤回できません。少しでも疑問があれば、署名を保留して弁護士に相談してください。

4. 連絡が取れない相続人がいると手続きが停滞する

連絡が取れない相続人がいると、遺産分割協議は進められません。戸籍で判明しても住所不明の場合、弁護士に依頼して戸籍附票や住民票から現住所を探す方法があります。

それでも所在がわからない時は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てましょう。

選任まで3ヶ月から半年程度かかるのが一般的です。相続税申告期限の10ヶ月に間に合うよう、早めに対応してください。

参照:国税庁|相続税の申告と納税

【専門家の回答】再婚した父の相続手続きから除外されていた場合の対応

専門家プロファイルでは、相続手続きの専門家である行政書士の小林 政浩さんが、以下のような質問に回答しています。

【質問(要約)】

質問者
質問者

15年前に亡くなった実父の相続についてです。両親の離婚後、父は再婚し新しい家族がいました。当時20歳だった私は知識がなく、遺産分割協議を行わないまま時間が経過してしまいました。今からでも相続権を主張し、遺産について調べることは可能でしょうか。

【回答】

専門家
専門家

cassyママさま、初めまして。 行政書士の小林です。

ご質問の件ですが、あなたはお父様が亡くなった時にすでに成人されていたのですね。

あなたと妹さんは、亡くなったお父様の実の子どもですので、当然に相続できる権利があります。 当時、何か遺産分割協議書のような書類に貴女方姉妹が署名押印した記憶はありませんか?

あるいはお父様が遺言書を残していたことは聞いていませんか?

遺言が遺されていて、貴女方姉妹に遺産が何もない内容であった場合は、減殺請求権利が開始から10年で時効となっていますので、これから請求できる余地はありません。

民法 (減殺請求権の期間の制限) 第千四十二条 減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。

遺言書が無い場合はで、貴女姉妹に合意無いままに後妻さん家族で分割していた場合、遺産分割を請求する権利には時効がありませんし、回復請求権の時効にはまだ至っていませんので今でも請求可能です。

(相続回復請求権) 第八百八十四条 相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から二十年を経過したときも、同様とする。

当時、何かの書類に署名押印していたか、遺言書を確認していたかが重要なところだと思います。

引用:専門家プロファイル|離婚した父の遺産相続について

このように、相続人全員の合意がないまま進められた遺産分割は、後から無効を主張できる可能性があります。

特に再婚相手や異母兄弟など、関係性が複雑で連絡を取りづらい相続人がいる場合は、トラブルを避けるためにも「専門家プロファイル」で専門家に相談することをおすすめします。

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離婚した父親からの相続に関するよくある質問

よくある質問 Q&A

最後に離婚した父親の相続について、多く寄せられる質問に回答します。

Q
遺産分割協議書への署名を求められたらどうすればいいですか?
A

署名を求められても急いで承諾してはいけません。署名・押印すると法的に確定し、あとから撤回はほぼ不可能になります。

財産目録の評価額や計算が正確か、遺言書の有無、自身の相続分が法定相続分を下回っていないか(有利・不利の判断)を確認してから判断しましょう。

疑問があれば「確認したいので時間をください」と保留し、弁護士への相談も検討できます。

Q
父親の死亡連絡が届かない場合はどう対処すればいいですか?
A

本籍地の市区町村役場へ問い合わせましょう。死亡届が提出されていれば、戸籍に死亡の事実が記載されます。

住所がわからない場合は、本籍地の市区町村役場で戸籍の附票を取得し、最終住所を確認する方法があります。孤独死などで発見が遅れた場合も同様です。

相続放棄の3ヶ月期限が迫っているなら、弁護士に依頼して戸籍調査を進めることも検討してください。

Q
相続放棄を弁護士に依頼する費用の目安はいくらですか?
A

着手金としてかかる一般的な金額は5万〜15万円程度です。実費として戸籍謄本の取得費用などが別途かかります。

弁護士に依頼すると、書類収集から家庭裁判所への申述、債権者への対応まですべて代行してもらえます。

無料法律相談等のサービスを行う弁護士法人や事務所もあるのでサポート内容を確認してみてください。

Q
相続放棄後に財産が見つかった場合はどうなりますか?
A

相続放棄が確定すると、原則としてあとから見つかった遺産を受け取ることはできません。

発見した財産を勝手に使うと相続放棄が無効となり、あとから見つかった借金も含めて返済する義務を負う恐れがあります。決して手をつけないようにしましょう。

ただし、受取人が指定された生命保険金のように、本来の相続財産に含まれないものであれば受け取れるケースもあります。

Q
離婚した親が死亡したら葬儀に参列すべきですか?
A

葬儀への参列は法的な義務ではありません。疎遠だった期間や再婚相手との関係性、自身の心境を総合的に考えて判断しましょう。

参列しない場合でも、弔電を送る、香典を郵送する、葬儀後に個別にお悔やみを伝えるなどの方法があります。

相続手続きと葬儀参列は別問題であり、参列しなくても相続権には一切影響しません。

まとめ

本記事では、離婚した父親が死亡した際の相続権の有無から、財産・借金の調査方法、相続放棄の手続きまで解説しました。疎遠だった期間や親権の有無に関係なく、血縁関係があれば子には相続権があります

ただし、相続権は権利であり、義務ではありません。借金が多い場合は3ヶ月以内に相続放棄の手続きを完了させれば、返済義務を負わずに済みます。

戸籍謄本の取得と信用情報機関への開示請求から始めてください。財産と借金の全容を把握してから、相続するか放棄するかを判断しても遅くはないでしょう。

離婚した父親の相続に関する疑問は、幅広い分野の専門家が回答する無料Q&Aが充実した専門家プロファイルを活用すれば、あなたの状況に合わせた具体的なアドバイスを得られます。

気になることがあれば、ぜひ質問してみてください。

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