二重窓DIYは効果なし?リフォーム後の断熱効果と失敗しない施工法を解説

冬の朝、窓から伝わる冷気で目が覚めたり、結露でびしゃびしゃになった窓を拭きながら「二重窓にしたいけど、DIYって本当にうまくいくのかな…」って悩んだりしていませんか。
「二重窓DIYは効果なし」という声を聞いて、せっかくの休日を使って作業しても意味がないかもと思うと、なかなか踏み出せませんよね。
でも実は、失敗の原因のほとんどは「隙間」と「材料選び」にあるんです。正しい方法さえ知っていれば、プロに頼らなくても十分な効果が得られます。
この記事では、二重窓の効果から失敗しやすいポイントや具体的なコツ、断熱・防音・結露防止の仕組みやDIYとプロ施工を選ぶ判断基準までお伝えします。
適切な材料選びと丁寧な施工で、光熱費を抑えながら快適な部屋が手に入るでしょう。今度の休日こそ寒い窓とさよならして、暖かくて静かな部屋を手に入れてみませんか。
二重窓DIYが「効果なし」といわれる5つの原因

「せっかく時間をかけてDIYで窓の断熱対策を講じたのに、思うような効果が出ない……」そんな経験はありませんか?実は、効果を実感できない原因には共通のパターンがあります。
ここでは、多くの方がつまずきがちな5つの原因を見ていきましょう。
- 窓や窓枠に隙間が残っている
- ガラスやサッシの選び方が適切でない
- 一部の窓しか対策していない
- 窓以外の場所から熱や音が出入りしている
- 部屋の換気が不足し結露している
きっとみなさんも「あ、これかも」と思い当たる点があるはずです。それぞれの原因と対処法を詳しく見ていきましょう。
1.窓や窓枠に隙間が残っている
二重窓DIYで最も多い失敗原因は、窓と窓枠の間に隙間ができてしまうことです。
わずかな隙間でも断熱性能が想定より低下するため、後悔に繋がることも。主な原因は、採寸ミスや家の経年劣化による窓枠の歪みの見落としです。
とくに古い家では、窓枠が目に見えないレベルで歪んでいることが少なくありません。
正確に測ったつもりでも、いざ設置すると隙間ができてしまうケースがあります。
2.ガラスやサッシの選び方が適切でない
材料の選び方も、二重窓の効果を大きく左右します。
DIYでよく使われる2〜3mm厚のポリカ板でも一定の効果は期待できますが、より高い効果を求めるならガラス選びが重要です。
例えば、既存の窓との間に十分な空気層を確保した上で、断熱性の高い複層ガラスや、夏場の西日も防ぐ遮熱性の高いLow-Eガラスといった商品を選ぶのが効果的
また、断熱性や遮音性をさらに高めるには、既存の窓との間に確保する空気層の厚さも必要です。
特に複層ガラスの中にアルゴンガスが入りのタイプを選ぶと、しっかり断熱効果を発揮します。
加えて、サッシ(窓枠)の素材選びも重要なポイント。アルミ製のサッシは安価ですが熱を伝えやすいため、せっかく窓の断熱性を高めても、サッシ部分から熱が出入りして効果が半減してしまいます。
サッシについては以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

3.一部の窓しか対策していない
効果を実感しにくい原因として、施工範囲が限定的であることも挙げられます。
一部屋施工しただけでもある程度は断熱効果が向上しますが、家全体の温度管理やエネルギー効率の大幅な改善にはつながりません。
複数の窓や部屋への施工こそ、家全体の断熱効果を高めるポイントだといえるでしょう。
4.窓以外の場所から熱や音が出入りしている
二重窓で窓の性能を高めても、それ以外の場所から熱や音が出入りしていては効果を実感しにくいです。
見落としがちなのが、玄関ドアや換気口、壁や床の隙間。特に古い木造住宅などは気密性が低く、窓以外にも多くの隙間が内部に存在します。
せっかく窓を対策しても、玄関ドアの下から常に冷気が流れ込んでいるような状態では、部屋が暖まりにくくなってしまいます。
「二重窓は効果がない」と感じてしまうのも、こうしたことが原因でしょう。
5.部屋の換気が不足し結露している
二重窓を設置したことで、かえって結露がひどくなるケースもあります。二重窓によって家の気密性が高まり、室内の湿気が外に逃げにくくなることがおもな原因です。
洗濯物の部屋干しや加湿器の使用で発生した水蒸気が室内にこもると、これが新たな結露の原因となるでしょう。
とくに、24時間換気システムがない住宅では注意が必要です。意識的に換気しないと湿度が高止まりし、窓だけでなく壁などにも結露が発生してしまいます。
専門家プロファイルでは、豊富な実績を持つ建築家の吉田武士さんが、内窓設置による結露や断熱効果についての相談に回答しています。
【質問(要約)】

栃木県南部で新築した住宅で冬に結露とコールドドラフトが発生。樹脂枠シングル内窓でも効果があるか、結露は悪化しないか心配。
【回答】

栃木県宇都宮市で注文住宅建築とリフォームを行う工務店ヨシダクラフトを経営しております。吉田と申します。栃木県南部なら近いですね。
「内窓(二重窓)を設置すると、内窓の室内側や既存の窓の内側に結露が増えて困るようなことにならないか心配?」というご質問だと思います。
十数件、内窓(二重窓)を設置するリフォームを行っていますが既存窓の結露が増えたというケースは今のところありません。内窓を付けると快適になり、他の部屋もとリピートする方もいらっしゃいます。内窓設置は一番簡単に出来てコストパフォーマンスの高い断熱リフォームです。
内窓を付けると、断熱性、気密性が高まります。
室内で暖められた空気を外に逃がさないので、室内温度と既存のサッシと内窓の間の温度差はかなり開きます。既存のサッシと内窓の間の温度は外気温に近くなります。その為既存サッシに結露は発生しにくくなります。
(後略)
補足
樹脂枠のシングルガラスタイプを設置しても、ペアガラスほどではないですが効果はあります。
ガラスが一枚増えて、気密性もより高まるわけですから。ちなみにペアガラスしか施工した経験はありません。
二重窓や断熱性能に関する疑問は、住まいの快適さを大きく左右します。専門家の実体験に基づく回答を参考にしながら、自宅に合った最適な方法を検討してみてください。
二重窓のDIYで期待できる3つの効果

二重窓のDIYに挑戦しようか迷っている方も多いのではないでしょうか。正しく施工すれば、断熱、防音、結露防止という3つの効果で、暮らしが驚くほど快適になるかもしれません。
二重窓がもたらす3つのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
- 断熱効果で夏は涼しく冬は暖かくなる
- 防音効果で室内外の騒音を軽減できる
- 結露防止効果によりカビやダニの発生を抑制できる
実際のデータも交えながら、どれくらい生活が変わるのかを見ていきましょう。
1.断熱効果で夏は涼しく冬は暖かくなる
二重窓は、既存の窓との間に空気の層を生むことで断熱材の役割を果たします。
日本の住宅では、冬には約50%の熱が窓から逃げ、夏には約70%の熱が窓から出入りしています。二重窓の空気層がこの熱の移動を抑制することで、夏は外の暑さを遮り、冬は室内の暖かさを保つ効果があるのです。
仙台市環境局の実測データでは、外気温2.7℃の日に室内の窓の表面温度を測定しました。
設置前の窓の表面温度は外気温と同じ2.7℃でしたが、二重窓の設置後は11℃まで上昇。実に8.3℃の差が生まれたのです。窓の表面温度は体感温度を大きく左右するため、窓際の冷え込みが格段に和らぐでしょう。

さらに、冷暖房効率の向上に伴い、年間の電気料金が約12,000円低減すると試算されています。

2.防音効果で室内外の騒音を軽減できる
二重窓は、外の騒音や室内からの音漏れを軽減する防音効果も期待できます。
窓が一枚から二枚になることで、音の伝わりを物理的に遮断します。
とくに、厚みの違うガラスや素材を組み合わせれば、幅広い音域の振動を吸収しやすくなるでしょう。(参照:環境省「騒音に係る環境基準の評価マニュアル 道路に面する地域 編)
日本サッシ協会によると、サッシ窓は一枚で20〜35dB程度の騒音を低減させる効果があるとされています。
人間の耳には騒音が半分くらいに感じられるレベルで「少し静かになったかな」という体感が得られるはずです。
専門家プロファイルでは、建築家の海田修平さんが、戸建て住宅での防音に関する以下の質問に回答しています。
【質問(要約)】

交通量の多い角地の木造戸建てで二重窓を検討中ですが、リビングの換気扇や24時間換気口の防音方法を知りたいです。
【回答】

換気扇自体に防音の機能が付いているものはないと思いますが、外壁側に付けるベントキャップという排気口に付けるカバーに防音仕様のものがあります。
換気扇を買い替えるのではなく、ベントキャップを交換すれば良いのではないでしょうか。メーカーとしては、ユニックスとか西邦工業などがあります。
引用:専門家プロファイル|防音
二重窓を含む住まいの防音対策は、窓だけでなく換気口の工夫も大切です。さらに詳しく相談したい方は専門家プロファイルを活用してみてください。
3.結露防止効果によりカビやダニの発生を抑制できる
冬の悩みの種である窓の結露も、二重窓で大幅に改善されます。
室内の暖かい空気が外気で冷やされた窓に触れると、空気中の水蒸気が水滴になる。これが結露という現象です。
具体的には、ガラス表面の温度が「露点温度(空気中の水蒸気が結露し始める温度)」を下回ると発生します。
日本板硝子のデータによると、二重窓の内側の窓は外気の影響を受けにくいことがわかります。室温に近い温度を保てるため、結露の発生条件を満たしにくくなるのです。

結露が減れば、カビやダニの発生も抑制できます。特に湿気がこもりやすい浴室やキッチンはカビの発生源になりやすいため、アレルギー対策としても効果的です。
建物の築年数や構造によって効果に差がある
二重窓の効果は、建物の築年数や構造によって大きく異なります。
築年数が古い住宅ほどもともとの断熱性能が低いため、窓からの熱の出入りが激しくなります。二重窓を設置すれば、大幅な改善が期待できるでしょう。
一方、近年建てられた住宅は、建物自体の断熱性能が向上しているため、古い住宅と比べると二重窓の効果による改善幅は小さくなる傾向にあります。
建物の構造によっても効果は変わります。外気に接する面が多い木造戸建て住宅は、窓からの熱損失割合が高め。二重窓の効果を実感しやすいでしょう。
参照:国交省「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について(参考資料)」
Yahoo!知恵袋では、築30年の住宅に二重窓の効果があるのかを知りたいという声があります。

築30年の家に二重窓は本当に効果があるのか?築30年の注文住宅です。
壁は分厚く頑丈な家だとは思いますが、巾木やスイッチ部分が結構スカスカで隙間風が入ってきます。
窓はアルミサッシで、やはりよく見ると1mm未満の隙間があります。
こういう家という前提で、以下の問題は二重窓を設置することで解決するのかを教えてください。
夏は窓から日が差し込み、灼熱地獄です。薄い布のカーテンをつけていますが、皮膚がジリジリします。
窓を二重窓にすることで灼熱地獄は改善しますか?わざわざ二重窓にしなくても、遮光ロールカーテンなどで解決しますか?
冬は暖房をつけないと外にいるのと同じくらい寒いです。なので、家の中でもダウンジャケットを着て過ごしています。
窓を二重窓にすると、薄手のニットくらいで過ごせるようになりますか?スカスカの家なので、あまり意味はないでしょうか?
実際に中古住宅で二重窓にされた方、効果はあるのか、暖房や冷房の費用は減っているのか、実情を教えてください。
どんなことでもいいので、アドバイスいただけましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
引用:Yahoo!知恵袋
築年数が古い住宅の断熱性能や二重窓の効果は、家の構造や施工状態によって変わります。
専門家プロファイルには、住宅リフォームや省エネ改修に詳しい建築士や工務店の専門家が在籍しており、個別の状況に応じたアドバイスを受けられます。
二重窓についての悩みをお持ちの方は、専門家プロファイルで相談してみてはいかがでしょうか。
二重窓のDIYを「効果あり」に変える4つの改善策

「二重窓を作ったけど、思ったほど効果を感じない…」。そんな悩みを抱えている方も多いかもしれません。
実は、材料選びや施工の精度、意外と見落としがちな換気の管理など、ちょっとしたポイントを押さえるだけで効果は劇的に変わります。
ここでは、みなさんのDIYを成功に導く4つの改善策を見ていきましょう。
- 目的と予算に合った材料を選ぶ
- 隙間ができないよう正確に採寸・施工する
- 家全体の窓に設置して効果を高める
- 適切な換気で湿度を管理する
これらを実践すれば、きっと「やってよかった!」と実感できるはずです。
1.目的と予算に合った材料を選ぶ
二重窓の効果は、選ぶ材料によって大きく変わります。目的に合わせて最適な素材を選びましょう。
YKK APやLIXILなどのメーカーから様々な商品が出ているため、目的と予算に合った素材を選ぶことが重要です。
断熱性や価格など、DIYでよく使われる材料のメリット・デメリットを一覧で見ていきましょう。
材料の種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
中空ポリカーボネート | ・断熱性が高い ・軽い ・加工しやすい ・低コスト | ・ガラスより透明度が低い ・傷がつきやすい |
アクリル板 | ・透明度が高い ・ガラスより割れにくい ・加工しやすい | ・ポリカーボネートより断熱性は低い ・やや高価 |
樹脂サッシ | ・断熱性・気密性が高い ・結露しにくい | ・やや高価 ・耐久性が低い ・重い |
アルミサッシ | ・安価 ・耐久性が高い ・軽い | ・熱を伝えやすく断熱性が低い ・結露しやすい |
断熱性を最も重視するなら、厚さ6mm以上の中空ポリカーボネートがおすすめです。空気層が厚くなるため、高い断熱効果が期待できます。
サッシは、熱を伝えにくい樹脂製を選ぶとさらに効果が高まります。
2.隙間ができないよう正確に採寸・施工する
二重窓のDIYが成功するかは、気密性をいかに高めるかにかかっています。
採寸では同じ箇所の寸法を最低3ヶ所以上測りましょう。窓枠の歪みを調査し、最も小さい数値に合わせて材料をカットするのが基本です。
もし窓枠に歪みがある場合は、コーキング材などを使ってあらかじめ隙間を埋めておくと、仕上がりが格段に良くなります。
設置時は両面テープだけでなく専用レールやゴムパッキンも活用し、冷気の侵入経路を塞ぎましょう。
3.家全体の窓に設置して効果を高める
二重窓の効果を最大限に引き出すには、家全体、あるいは生活の中心となる複数の部屋で同時に対策することが有効です。
一部屋だけ施工しても、他の部屋との温度差で効果が薄れてしまうためです。
リビングや寝室、子供部屋など、長時間過ごす部屋から優先的に設置を進めましょう。
予算の都合で一度にすべての窓を対策できない場合は、段階的に施工範囲を広げることをおすすめします。
より明確に現れるのが光熱費の削減効果です。複数の窓に対策すれば、家全体の断熱性も大きく向上するでしょう。
4.適切な換気で湿度を管理する
二重窓の設置とあわせて、室内の換気計画も見直しましょう。二重窓で気密性が高まると湿気がこもりやすくなるため、定期的な換気が必要です。
高気密な二重窓住宅ほど湿気や空気質が悪化しやすいため、24時間換気システムがある場合は常時運転しましょう。ない場合は定期的に窓を開けて換気をします。
特に料理中や洗濯物を部屋干しするときは、換気扇やサーキュレーターを活用しましょう
湿気を効率的に排出することが、結露防止につながります。
定期メンテナンスの方法
二重窓の効果を維持するには、定期的な動作確認や清掃が欠かせません。
点検項目やメンテナンスの頻度を表にまとめたので、参考にしてください。
項目 | 内容 |
---|---|
レール・フレーム | 滑り具合や歪み、密閉テープの劣化を確認 |
清掃 | レールやパッキンのほこり・汚れを除去 |
戸車 | スムーズに動くか点検。必要に応じて潤滑油を使用 |
粘着テープ(両面仕様の場合) | 粘着力の劣化を確認 |
頻度は製品や使用状況によって異なりますが、レールやパッキンはこまめに点検・清掃をすることが大切です。
点検では、レールの滑り具合、フレームの歪みや反り、密閉テープの劣化などを確認しましょう。
必要に応じて戸車の動作確認や潤滑油の使用を取り入れ、両面テープ仕様の場合は粘着力の劣化も確認します。
二重窓のDIYが向いている人・向いていない人

「二重窓のDIYに挑戦したいけど、自分にもできるだろうか…」そんな迷いを抱えている方も多いはずです。二重窓のDIYは、向き不向きがはっきり分かれるため、自分に合っているか確認しましょう。
ここでは、DIYが向いている人と向いていない人、それぞれの特徴を紹介します。
- 【向いている人①】工具を持っていて日曜大工に慣れている人
- 【向いている人②】時間に余裕があり失敗してもやり直せる人
- 【向いていない人①】賃貸物件で原状回復が必要な人
- 【向いていない人②】精密な作業が苦手な人
二重窓のDIYはミリ単位の精密作業が必要になるため、工具の扱いに慣れているかどうかがポイント。賃貸にお住まいの方は、原状回復の問題もあるので注意が必要です。
【向いている人①】工具を持っていて日曜大工に慣れている人
普段からDIYをしていて、のこぎりやメジャー、カッターなど基本的な工具が揃っていたり扱いに慣れていたりする人は、二重窓の設置もスムーズに進められるでしょう。
木材のカットや組み立てといった作業経験がある方は、市販のキットだけでなく材料を個別に購入して自作することにも挑戦しやすいはず。自身のスキルを活かして、よりコストを抑えながら高いクオリティを目指せます。
ただし、窓の構造や開閉方式によっては施工が難しいケースもあります。L字型や出窓など、変則的な形状の場合はプロに依頼することも検討しましょう。
【向いている人②】時間に余裕があり失敗してもやり直せる人
DIYには、採寸ミスや施工の失敗がつきものです。
一度で完璧に仕上げようと気負わず、失敗したらやり直すくらいの気持ちの余裕を持ちましょう。作業時間を十分に確保でき、試行錯誤を楽しめる方に向いています。
焦って作業すると、隙間ができて断熱効果が下がることも。かえって残念な結果を招いてしまうことも。大切なのは、じっくり丁寧に取り組むことです。
作業中に起こりやすいトラブルと対処法
最も頻発するトラブルは採寸ミスで、わずか3mmの誤差でも、仕上がりに大きく影響することがあります。作業の前には、必ず正しく測ることを意識しましょう。
次に多いのが両面テープの粘着不良です。両面テープの粘着不良は二重窓DIYでよくあるトラブルの一つであり、特に気温が低い日や湿度が高い場合は粘着力が弱まることがあるため注意が必要です。
フレームの歪みによる隙間の発生もよく起こるトラブルです。特に大型窓では設置後にたわみが生じやすく、隙間風が入り込んで寒さの原因になります。
予防策として、アルミ枠やL型金具などによる補強を行うと良いでしょう。
【向いていない人①】賃貸物件で原状回復が必要な人
賃貸物件の場合、退去時に原状回復する義務があるため、壁や窓枠に穴を開けたり、傷をつけたりする施工はできません。
最近では、突っ張り棒タイプや両面テープだけで固定できる、原状回復が簡単なDIYキットも販売されています。しかし、完全に跡を残さずに設置・撤去するには注意が必要です。
少しでも不安がある場合は、無理にDIYせず、管理会社や大家さんに相談しましょう。
【向いていない人②】精密な作業が苦手な人
二重窓DIYの効果は、ミリ単位の採寸やカットの精度に大きく左右されます。
隙間なくぴったりと窓枠を設置するには、精密な作業が求められます。「細かい作業はどうも苦手」「大雑把な性格だ」という自覚がある方は、プロに依頼した方が効果を得やすいでしょう。
費用はかかりますが、プロに任せれば高い断熱・防音効果が保証され、見た目も美しく仕上がります。
プロ施工であれば補助金が利用できる場合も
プロに二重窓の設置を依頼すると、補助金を受け取れることがあります。
国や自治体では省エネリフォームを支援する制度があり、たとえば「先進的窓リノベ事業」は2023年、2024年に続き2025年も実施されています。
こうした制度を活用すれば、工事費用の一部が補助されます。(※サービスの利用には条件があります)
ただし、DIYで設置した場合は補助金の対象外となるケースがほとんど。補助金を受けるには、登録事業者による施工が条件です。
登録事業者は、住宅省エネ2025キャンペーンサイトの「補助金利用を相談できる事業者(住宅省エネ支援事業者)の検索」ページから検索できますよ。

気になる会社を見つけたら、メールやLINEで気軽に問い合わせてみましょう。受付フォームに必要事項を入力するだけで、見積もりの受付が完了することもあります。
二重窓DIYに関するよくある質問

最後に、二重窓DIYに関するよくある質問にお答えします。
効果があります。二重窓の空気層が断熱材となり、夏場の強い日差しによる熱が室内に伝わるのを防ぎます。
また、二重窓によって冷房の効きが良くなり、電気代の節約につながります。遮熱タイプのガラスやシートを選べば、さらに高い効果が期待できるでしょう。
費用は窓のサイズや選ぶ材料によって大きく異なりますが、DIYキットを利用した場合、一般的な窓(180cm×90cm程度)1枚あたり4,000円〜15,000円が目安です。
材料を個別に購入して自作する場合は、さらにコストを抑えられる可能性もあります。
二重窓にしてもカーテンは必要です。
二重窓は断熱や防音には効果がありますが、外からの視線を遮ることはできません。プライバシー保護や部屋の雰囲気づくりのため、カーテンが不要になることはないでしょう。
厚手のカーテンを併用することで、さらに断熱効果を高めることもできますよ。
適切に換気しないと、逆効果になる可能性があります。気密性が高まり湿気がこもりやすくなるため、換気不足のままだと結露がひどすぎて後悔に繋がることも。
換気不足のままにしておくと、窓だけでなく壁や家具にまで結露やカビが広がる恐れがあるため、定期的な換気を心がけましょう。
主な欠点として、窓の開閉が二度手間になることと、掃除の手間が増えることが挙げられます。2枚の窓を開け閉めする必要があるため、頻繁に開け閉めする窓では手間に感じるかもしれません。
また、窓ガラスの内側と外側、さらに二重窓の間と、掃除する面が倍以上に増える点もデメリットと言えます。
まとめ
本記事では、二重窓DIYで効果が得られない原因と対策について解説しました。二重窓のDIYを成功させるには、隙間を作らない正確な施工と目的に合った材料選びがポイントです。
本記事で紹介したポイントを押さえれば、断熱・防音・結露防止の効果を十分に引き出し、快適な住環境を実現できるでしょう。
この記事を読んでも「自宅の窓に合う材料がわからない」「施工の難易度や費用が不安」と感じる方は、専門家が回答する無料Q&Aが充実した専門家プロファイルを活用してみてください。
あなたの状況に合わせた最適なDIY方法やプロ施工との比較アドバイスを得られます。気になることがある方は、
ぜひ専門家プロファイルで質問してみてください。