お金の悩み

ねんきん定期便の見方は?もらえる年金額の確認方法を解説

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専門家プロファイル

そのハガキ、実は「老後のお金の成績表」だと知っていますか?

毎年なんとなく届く年金のハガキ。
「難しそう」「数字が多くてよく分からない」「見ても結局そのまま」──そう感じて、引き出しにしまい込んでいませんか。

でも実はこの一枚、これからの生活が安心できるかどうかを左右する、とても大切な情報が詰まっています。

日本年金機構によると、「ねんきん定期便」は、将来受け取る年金額の目安や、これまでの加入記録を確認するための重要な通知書と位置づけられています。

特に50歳以上の方には、老後の生活設計を考えるための具体的な年金見込額が記載される仕組みとなっています。※

読み方さえ分かれば、「自分は将来いくら年金がもらえるのか」「何を今から準備すればいいのか」が、誰でも把握できるようになります。

「よく分からないから不安」な状態から、
「自分の年金が分かるから安心」へ。
まずは一緒に、そのハガキを読み解いていきましょう。

※(日本年金機構|ねんきん定期便について

毎年届く「年金定期便」、確認していますか?

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毎年誕生月に届く「年金定期便」、きちんと中身を確認していますか?「よくわからないから…」と、そのままにしていませんか。

特に50歳を過ぎると、記載される情報がより具体的になり、将来の生活設計を立てる上で欠かせない「未来の家計簿」へと変わります。

この一枚のハガキには、これまでのあなたの頑張りの記録と、これから受け取る年金額のヒントが詰まっています。

しかし、専門用語が多く、どこをどう見ればいいのか戸惑う方も少なくありません。

この記事では、50歳前後の方々が抱える年金への漠然とした不安を解消するため、ねんきん定期便の見方を分かりやすく解説します。

年齢別のチェックポイントから、将来もらえる年金額を増やすための具体的な3つの対策まで、あなたの「次の一歩」につながる情報をお届けします。

【年齢別】定期便の確認ポイント

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年に一度届く「ねんきん定期便」は、実は年齢によって届く形式や見るべきポイントが異なります。

50歳未満の方と50歳以上の方では、記載されている情報の重要度が変わるため、ご自身の年齢に合わせてチェックすべき項目を確認しましょう。

50歳未満:加入記録と納付状況

50歳未満の方に届くハガキは、これまでの年金加入記録がまとめられた「成績表」のようなものです。

将来受け取る年金額のシミュレーションよりも、まずは過去の記録に漏れや間違いがないかを丁寧に確認することが大切です。

  • これまでの加入期間合計:年金を受け取るために必要な期間(原則120カ月)を満たしているか確認
  • 直近1年間の納付状況:保険料の納付状況が一覧でわかります。「未納」の期間がないかチェック
  • 標準報酬月額:将来の厚生年金額を計算する基礎となる、あなたのお給料を一定の幅で区切った金額
  • 給与明細との照合:標準報酬月額が、給与明細の「総支給額」に近い金額になっているか、おおよそで良いので確認
  • 厚生年金の加入記録:転職や氏名変更があった場合、会社名や加入期間が正しく反映されているか、特に注意して確認

50歳以上:将来の年金見込額

50歳の誕生日を過ぎると、ねんきん定期便は過去の記録だけでなく、未来を具体的に見通す「老後の生活設計図」へと進化します。

「将来、年金はいくらもらえるの?」という疑問に、具体的な数字で答えてくれるようになります。

  • 老齢年金の種類と見込額(年額):65歳から受け取れる年金額の目安が、この欄に記載されています。
  • 見込額の前提に注意:この金額は「60歳まで現在の給与水準が続く」という前提で計算されています。
  • 見込額は「絵に描いた餅」:多くの方にとって、この見込額は少し楽観的な数字かもしれません。役職定年や再雇用で給与が下がれば、実際の年金額も目減りする可能性が高いです。
  • 現実的な見通しを:記載された見込額を鵜呑みにせず、ご自身の今後の働き方や収入の変化を考慮しながら、一つの目安として冷静に捉えることが重要です。
【専門家の回答】老後資金の不安について

専門家プロファイルでは、ファイナンシャルプランナーの渡辺 行雄さんが、50代女性の老後資金についての悩みについての相談に回答しています。

【質問(要約)】

質問者
質問者

不安にさいなまれ質問いたします。

24歳での結婚以来、転職癖のある主人のお陰でずっと貧乏と苦労の連続でした。

昨年、別居中の主人が末期がんで亡くなりましたが、入院費用、生活費等全て私がみてきました。頼りにならない主人を見限り10年以上前より別居をしダブルワークで娘二人を育て小さなマンションですが購入致しました。

主人は借金こそありましたが、遺産などなく財産放棄をした程です。

貯金500万円程度で、どのように老後をのりきれというのでしょうか?

6000万円の貯金があっても老後に不安の人が多い中、私は途方にくれるばかりです。

【回答】

専門家
専門家

はじめまして、個別相談専門のファイナンシャル・プランナーとして活動しています、
渡辺と申します。

『貯金500万円程度で、どのように老後を乗り切れというのでしょうか?』
につきまして、

老後を迎えるに当たり、
老後資金としてこれくらいは必要だなどと、
マネー雑誌などで見かけることがありますが、
これはあくまでもひとつのシミュレーションに過ぎません。

毎月の『基本生活費』を把握したら、
引き続き今後、見込むことができる年金などの収入を調べます。
年金につきましては、ハガキで送られてくる『年金定期便』などで、具体的な年金額を確認します。

対策としては、頑張って働いて定年を迎える年齢を遅らせることで、
預貯金の残高を増やせると思われます。
また、受給開始年齢を遅らせることで、
受け取れる年金額を増やすことができます。

必ず対策は見つかりますから、
悲観などしなくても大丈夫ですよ。

以上、ご参考にしていただけますと幸いです。
リアルビジョン 渡辺行雄
http://www.fpreal.jp/

引用:専門家プロファイル|50代女性の老後資金

専門家プロファイルでは様々な悩みを抱える方の相談に、専門家がアドバイスをくれます。気軽にネットから行え無料相談を利用してみるのも一つの手です。

老後資金の悩み、一人で抱え込まず専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

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共通チェック項目と記載ミス

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ねんきん定期便は、年齢に関わらず必ず確認しておきたい共通のポイントがあります。

特に「もらえる資格があるか」「記録に間違いはないか」は、将来を左右する重要な項目です。自分は大丈夫と思わず、一度しっかり目を通しておくことが大切です。

受給資格期間と未納の影響

老齢年金を受け取るには、原則として10年(120カ月)以上の受給資格期間が必要です。この期間は、国民年金や厚生年金の保険料を納めた月数などを合計して計算されます。

もし保険料の未納期間があると、受給資格期間に算入されないだけでなく、将来受け取れる年金額も減ってしまいます。

過去10年以内の未納分については、「追納」という制度で後から納付できます。

  • 追納のメリット
    • 将来の年金額を満額に近づけることができる
    • 社会保険料控除の対象となり、その年の所得税や住民税が安くなる可能性がある
  • 追納のデメリット
    • 追納できるのは、申請時点から10年以内の未納期間に限られる
    • 保険料を免除・猶予された翌年度から3年度目以降に追納すると、当時の保険料に加算額が上乗せされる
    • 一度に支払うため、家計への一時的な負担が大きくなる場合がある

加入記録の漏れ・ミス確認法

転職回数が多い方や、結婚などで氏名が変わった方は、加入記録に漏れや間違いがないか特に注意深く確認してください。過去の勤務先の会社名や、会社員だった期間が正しく記載されているかチェックしましょう。

特に、会社を辞めてから次の会社に就職するまでの期間が、国民年金の加入期間として正しく記録されているかは見落としがちなポイントです。

もし記録に疑問を感じたら、以下の手順で確認を進めましょう。

  • STEP1:事実確認 まずは手元にある過去の給与明細や源泉徴収票など、勤務していたことを証明できる書類を探す
  • STEP2:年金事務所へ相談 最寄りの年金事務所の窓口や「ねんきんダイヤル」へ連絡し、記録に漏れがないか確認したい旨を伝える
  • STEP3:訂正の手続き 年金事務所の案内に従い、「年金記録の訂正請求」に必要な書類を揃えて提出

相談に行く際は、基礎年金番号がわかるもの(年金手帳やねんきん定期便など)と、運転免許証といった本人確認書類を持参すると手続きがスムーズに進みます。

標準報酬月額と加入期間

将来受け取る厚生年金の額は、主に「標準報酬月額」と「加入期間」という2つの要素で決まります。標準報酬月額とは、簡単に言えば、毎月のお給料を一定の幅で区切った金額のことです。

仕組みはとてもシンプルで、「お給料が高い(標準報酬月額が高い)」「長く働く(加入期間が長い)」ほど、将来もらえる年金額は多くなります。

  • シミュレーション例1(収入の影響) 同じ30年間働いた場合でも、会社員時代の平均月収が30万円の人と40万円の人では、将来の年金額に差が生まれます。
  • シミュレーション例2(期間の影響) 平均月収が同じ30万円でも、30年間働いた人と40年間働いた人では、受け取れる年金額が大きく変わってきます。

ねんきん定期便に記載されている標準報酬月額が、ご自身の給与明細の金額と大きくずれていないか、一度見比べてみてください。

この数字が、あなたの未来の生活を支える年金額を計算するための大切な基礎になっています。

将来年金額を増やす3つの対策

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「ねんきん定期便」に書かれた見込額を見て、少し心もとないと感じた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ご安心ください。今からでも、将来受け取る年金額を増やすための対策はいくつかあります。

ここでは、代表的な3つの方法をご紹介します。

対策1:年金を繰下げ受給する

年金の受け取り開始は原則65歳ですが、このタイミングを遅らせることで、受け取る年金額を増やす「繰下げ受給」という制度があります。

  • 繰下げ受給の仕組み:66歳以降75歳までの間で受給開始を1ヶ月遅らせるごとに、年金額が0.7%ずつ増額される
  • 最大84%増額:もし75歳まで繰り下げた場合、本来の年金額から最大で84%も増えた金額を、生涯にわたって受け取ることが可能
  • 損益分岐点:一般的に、繰下げ受給を選ぶと、長生きするほど得になる。例えば70歳から受給を開始した場合、81歳を超えると65歳から受給するより総受給額が多くなると言われてる
  • 注意点①「75歳の壁」:ただし、繰下げ受給が絶対の正解とは限らない。額面は増えても、所得税や社会保険料で引かれて手取り増は鈍化する「75歳の壁」があることを認識
  • 注意点② 手元資金の枯渇リスク:受給を遅らせている間は年金収入がゼロになるため、その間の生活費を貯蓄でまかなえるか、健康状態はどうか、といった点を冷静に考える必要がある
受給開始年齢増額率損益分岐点(対65歳受給)
65歳0%
70歳42%81歳11カ月
75歳84%86歳11カ月

対策2:任意加入や追納で期間延長

国民年金の保険料を納めた期間が40年(480ヶ月)に満たない場合、その分、将来受け取る老齢基礎年金は少なくなります。この納付期間を増やす方法が「任意加入」と「追納」です。

  • 追納制度:学生納付特例や免除・猶予制度を利用した期間の保険料を、後から納めることができる制度(原則として過去10年以内)
  • 追納のメリット:追納することで、その期間が保険料を納めた期間として扱われ、将来の年金額を満額に近づけることができる
  • 任意加入制度:60歳時点で納付期間が480ヶ月に満たない場合などに、60歳以降も国民年金に加入して保険料を納められる制度
  • 任意加入のメリット:これから納付月数を増やすことで、受給資格期間を満たしたり、年金額を増やしたりすることが可能
  • 具体例例えば、未納期間が1年間(12ヶ月)ある方が追納した場合、将来の老齢基礎年金が年間約2万円増える計算になる
  • 手続きは早めに:追納できる期間には限りがあるため、思い立ったら早めに年金事務所へ相談しよう

対策3:自助努力で老後資金準備

公的年金は老後の生活の土台ですが、それだけでは不安という場合、ご自身で資産を準備する「自助努力」も大切になります。

  • iDeCo(個人型確定拠出年金):自分で掛金を決めて運用し、老後資金を作る私的年金制度です。掛金が全額所得控除の対象になるなど、税制上のメリットがある
  • NISA(少額投資非課税制度):年間投資上限額の範囲内で得た利益が非課税になる制度です。iDeCoと違い、いつでも引き出せる流動性の高さが魅力
  • 50代からの投資リスク:正直なところ、50代から投資を始める場合、運用できる期間が短いため、リスクをしっかり理解する必要がある
  • 最強の年金対策①「生活水準のダウンサイジング」:今のうちから生活水準を見直し、老後の支出を減らしておくことが、最も確実で即効性のある対策
  • 最強の年金対策②「長く働く」:そして何より、健康に留意し、できるだけ長く働き続けて安定した収入を得ることが、最も効果的で確実な老後資金対策

次の一歩:ねんきんネット活用

man looking at computer

ねんきん定期便の内容を確認したら、次はより具体的なアクションに移しましょう。

便利なツールや専門家を活用することで、あなたの老後計画はもっと確かなものになるでしょう。

ねんきんネットで詳細確認

ねんきん定期便は年に一度の通知ですが、「ねんきんネット」を使えば、いつでも最新の情報を確認できます。

  • ねんきんネットでできること
    • 24時間いつでも最新の年金加入記録を確認でき
    • 将来の働き方を変えた場合の年金見込額を、様々な条件で簡単に試算できる
    • 国民年金保険料の追納可能額の確認や、各種通知書の再交付申請もオンラインで完結する
  • 簡単な登録方法
    • 日本年金機構の公式サイトから、ねんきん定期便に記載の基礎年金番号を入力し登録
    • 登録することで、将来の計画をより具体的に立てるための強力なツールが手に入る

FPに相談し老後計画を

ねんきん定期便やネットの情報だけでは、どう対策していいか分からない…。

そんな時は、お金の専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)を頼るのも一つの賢い選択です。

  • ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するメリット
    • 公的年金と手持ちの資産を合わせた、家計全体の総合的な診断を受けられる
    • iDeCoやNISAなど、あなたに本当に合った資産形成の方法を具体的に提案してもらえる
    • 老後資金だけでなく、保険の見直しや住宅ローンなど、お金に関する幅広い相談が可能
    • 漠然としていた将来への不安が、具体的な「やることリスト」に変わり、行動しやすくなる
  • FP選びのポイント
    • まずは無料相談を活用して、FPとの相性や話しやすさを確かめるのがおすすめ
    • 特定の金融商品を売ることが目的でない、独立系のFPを選ぶと中立的なアドバイスが期待できる

まとめ:定期便を老後計画に活かす

年に一度届く「ねんきん定期便」は、単なる通知書ではありません。

それは、あなたの未来の家計を照らし、より良い老後へと導くための「羅針盤」です。この記事で学んだポイントを活かし、今日から具体的な一歩を踏み出しましょう。

定期便は未来を変える羅針盤

この記事で確認した重要ポイントを、最後のチェックリストとしてまとめました。ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

  • 50歳未満の方は、これまでの加入記録と納付状況に漏れがないか確認
  • 50歳以上の方は、記載された年金見込額が「60歳まで現状維持」を仮定したときの数字
  • 繰下げ受給は額面が増える一方、税金や社会保険料で手取りの伸びが鈍化する可能性を考慮したか
  • iDeCoやNISAを検討する前に、最も確実な対策である「生活水準の見直し」や「長く働くこと」を考えたか
  • 未納期間がある場合、追納制度のメリット・デメリットを比較
  • より詳しい情報を確認するため、「ねんきんネット」に登録

今すぐ始める老後資金作戦会議

漠然とした不安を行動に変える時が来ました。さあ、あなただけの老後資金作戦会議を始めましょう。

  • まずは「ねんきんネット」にアクセスし、より詳細な記録確認と将来額のシミュレーションを行う
  • 転職回数が多い、働き方が特殊だったなど、記録に不安がある方は年金事務所への相談を予約
  • 自助努力の第一歩として、iDeCoやNISAの資料を複数の金融機関から取り寄せる
  • お金の全体像を専門家と整理したい方は、FP(ファイナンシャルプランナー)への無料相談
  • そして何より、ご家族やパートナーとこの情報を共有、話し合う

老後資金の調達は多くの人が悩む事案です。お困りの際は専門家へ相談することが賢明でしょう。専門家プロファイルでは一人一人の状況に沿った相談を受けることができます。

一人で悩みを抱え込まず、専門家に相談してみてはいかがでしょう。この記事であなたの心配や不安を解消できたなら幸いです。

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専門家プロファイル 主任
初めまして。専門家プロファイル・主任ナビゲーターの中野です。 私の役割は、あなたが抱える悩みを整理し、解決策を持つ『本物の専門家』へと橋渡しすることです。 元々、専門家プロファイルはあらゆるジャンルの優れた専門家が集結したメディアです。 実は私自身も、過去に理不尽なトラブルや大きな壁に直面し、眠れない夜を過ごしたどこにでもいる悩める人でした。 当事者としてたくさん悩んだ経験があるからこそ、「いつでもスマホで専門家と繋がれる」という安心感を求めていました。 この専門家が集結するサービスは、”私のため”でもありますが、きっと"みなさんのため"にもなります。 一人で抱え込まず、気軽に専門家に質問や相談をしてみましょう。
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