ハイリスクハイリターン投資8選|初心者におすすめの資産運用術を解説

「貯金だけじゃ将来が不安…」「でも投資ってリスクが怖い」と感じていませんか?「早く資産を増やしたいけれど、投資はリスクが怖い」と悩んでいる方もいるでしょう。実は、リスクとリターンの関係を正しく理解すれば、あなたの状況に合った投資方法が見つかります。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も、投資におけるリスクを「収益の振れ幅」と定義し、ハイリターンを求めるほど振れ幅が大きくなると説明しています。これは、あらゆる資産運用に共通する基本原則です。(参照:年金積立金管理運用独立法人|投資リスク)
ハイリスクハイリターン投資とは?初心者向けに基礎解説

「早く資産を増やしたい」「一発で得をしたい」という気持ちから、ハイリスクハイリターン投資に興味を持つ方は多いでしょう。しかし、その言葉が「危ない」「怖い」と感じられるのも自然なことです。投資の世界で「ハイリスクハイリターン」は、単に「危ないけれど儲かるかも」という意味ではありません。投資判断の根幹に関わる大切な考え方なのです。
「高利回り」「短期で資産形成」といった魅力的な言葉の裏には、どんなリスクが潜んでいるのか、そしてどう向き合えばいいのかを知らないと、思わぬ損失につながる可能性もあります。
この記事では、ハイリスクハイリターンの基本的な意味から、初心者が陥りやすい失敗パターン、そしてリスクを管理しながら賢く資産を増やすための注意点を、専門用語を避け、具体例を交えながらわかりやすく解説します。
「自分がどのくらいのリスクなら受け入れられるか」を理解することは、投資を始める上での第一歩です。この記事が、あなたの資産形成の役に立てば幸いです。
「ハイリスク・ハイリターン」の基本意味
「ハイリスクハイリターン」とは、大きな利益を狙える代わりに、大きな損失を被る可能性も高い投資のことです。その反対に、損失リスクが低い代わりに、得られる利益も小さい投資を「ローリスクローリターン」と呼びます。
この関係は、投資の世界で「リスクとリターンのトレードオフ」と呼ばれる基本原則です。つまり、高いリターンを得たいなら、それに見合ったリスクを受け入れる必要があるということですね。たとえば、銀行の定期預金は元本が保証されているためリスクは非常に低いですが、金利は年0.002%程度とほとんど増えません。一方、新興国の株式や仮想通貨などは、短期間で数倍になる可能性もありますが、投資額の大半を失うリスクもあります。
ここで重要なのは、「ハイリターン」という言葉の裏には、必ず「ハイリスク」が存在しているという事実です。広告やSNSで「簡単に月利5%」「1年で資産が2倍」といった魅力的な情報を見かけることもありますが、そこには必ず、何らかの形で大きなリスクが隠れているものです。値動きが激しい、すぐに現金化できない、運営会社の信頼性が不透明、といったリスクを理解しておくべきでしょう。
具体的に考えてみましょう。仮想通貨は短期間で価格が数倍になることもありますが、数日で半分以下に下落することも珍しくありません。これが「ハイリスク」の実態なのです。また、新興企業への投資(ベンチャー投資)も、成功すれば大きなリターンが期待できますが、企業が倒産すれば投資したお金は戻ってきません。
初心者が注意すべきなのは、「ハイリターン」だけを見て、リスクの存在を軽視してしまうことですね。利益が出る可能性に目が向きやすく、損失のシナリオは「自分には起こらないだろう」と楽観視しがちです。しかし実際には、投資の世界では「損失を出している人」のほうが圧倒的に多い現実があります。
また、リスクには「許容できるリスク」と「許容できないリスク」があります。生活費や教育資金など「絶対に失ってはいけないお金」をハイリスク投資に充てると、万が一失敗したときに生活が破綻してしまいますね。一方、「当面使う予定のない余裕資金」であれば、ある程度のリスクを取る余地が生まれます。
つまり、ハイリスクハイリターン投資を考える際は、「自分にとって失っても問題ない範囲」をあらかじめ明確にしておくことが不可欠です。これを「リスク許容度」と呼びます。リスク許容度は、年齢・収入・家族構成・投資経験などによって一人ひとり異なります。たとえば、20代独身で安定収入がある人と、40代で子どもの教育費を抱える人では、取れるリスクの大きさはまったく違ってくるでしょう。
ハイリスクハイリターン投資は、決して「悪いもの」ではありません。ただし、その仕組みとリスクを正しく理解し、自分の状況に合った範囲で行うことが何よりも大切なのです。次の項目では、初心者が陥りやすい失敗パターンと、それを避けるための具体的な注意点を見ていきましょう。
失敗しないための注意点
ハイリスクハイリターン投資で失敗する人には、いくつかの共通パターンが見られます。ここでは、初心者が特に注意すべきポイントを、具体例を交えながら解説しますね。
1. 「すぐに儲かる」という期待だけで始めない
「早く資産を増やしたい」という気持ちはよくわかりますが、焦りは判断を鈍らせる原因にもなります。SNSなどで「1ヶ月で資産が2倍」といった成功体験を見ても、安易に飛びつくのは危険です。それはごく一部の成功例かもしれませんし、失敗した人はほとんど発信しません。
投資に「確実に儲かる方法」はありません。もしそんな話があれば、それは詐欺の可能性が高いので、絶対に信用しないでくださいね。
2. 生活費や借金で投資しない
ハイリスク投資に充てるお金は、必ず「余裕資金」に限定してください。余裕資金とは、仮に全額失っても、生活や将来設計に支障が出ないお金のことです。
「今月の家賃を投資に回して、来月までに増やそう」「ボーナスを全額つぎ込んで一発逆転」といった考えは非常に危険です。投資はギャンブルではありませんが、短期的には思い通りにならないことも多く、計画が崩れると生活そのものが破綻してしまいます。
また、借金をして投資をするのは絶対に避けるべきです。投資がうまくいかなかった場合、元本を失った上に借金の返済義務が残り、二重の負担を抱えることになりますよ。
3. 情報の「表面」だけで判断しない
投資商品の広告やウェブサイトには、「想定利回り年15%」「過去5年の平均リターン20%」といった魅力的な数字が並ぶこともありますね。しかし、こうした数字だけを見て判断するのは危険です。
「過去の実績」は、あくまで過去のものであり、将来も同じ結果になる保証はありません。また、「想定利回り」は、あくまで理想的な条件が揃った場合の数字であり、実際にはさまざまな要因で下振れすることがあります。
投資商品を選ぶときは、以下の点を必ず確認しましょう。
- 運営会社や発行元の信頼性(金融庁への登録状況、資本金、設立年数など)
- 手数料の詳細(販売手数料、信託報酬、解約手数料など)
- リスクの明示(どのような状況で損失が発生するか)
- 過去の最大下落率(どれくらい価格が下がったことがあるか)
- 流動性(すぐに現金化できるか、解約に制限はないか)
特に、リスクの説明が不十分だったり、質問に対して曖昧な回答しか返ってこない場合は、注意が必要です。
4. 分散投資を意識する
「卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言があります。一つの投資先に全財産を集中させると、その投資先が失敗したときに全てを失うリスクがあるため、これは重要な考え方です。
たとえば、100万円を一つの仮想通貨に全額投資するのではなく、複数の銘柄や、株式・債券・投資信託など異なる種類の資産に分散することで、リスクを抑えることができます。分散すればリターンも分散されますが、まずは「大きく失わないこと」を優先するのが、長期的に資産を守る秘訣ですよ。
5. 自分で理解できないものには手を出さない
投資の世界には、専門的で複雑な商品がたくさんあります。デリバティブ(先物・オプション取引)、レバレッジ型商品、仕組債、海外不動産ファンドなどですね。これらは、仕組みを理解していないと、思わぬ損失を被る可能性があります。
投資初心者は、まず「シンプルで理解しやすいもの」から始めるのがおすすめです。たとえば、投資信託やETF(上場投資信託)は、プロが運用する商品で、少額から分散投資ができるため、初心者に適しています。
もし誰かに勧められた投資商品があっても、「よくわからないけど、儲かるって言ってたから」という理由だけで始めるのは避けましょう。自分で調べて、納得できた上で判断することが大切です。
6. 感情に流されない
投資をしていると、価格が上がれば「もっと上がるかも」と欲が出て、下がれば「早く売らないと」と恐怖に駆られることがあります。こうした感情に流されると、冷静な判断ができなくなり、結果的に損失を拡大させることがありますね。
仮想通貨が急騰しているときに「乗り遅れたくない」と高値で買ってしまい、その後急落して大きな損失を出す、というのはよくあるパターンです。逆に、一時的に下落したときに慌てて売却してしまい、その後回復して利益を逃す、ということもありますよ。
こうした失敗を防ぐためには、あらかじめ「利益確定ライン」と「損切りライン」を決めておくことが有効です。たとえば、「20%利益が出たら売却」「10%損失が出たら撤退」といったルールを決め、それを守るようにしましょう。
7. 信頼できる専門家に相談する
投資判断に迷ったときや、リスクについてよくわからないときは、信頼できるファイナンシャルプランナー(FP)や証券会社の窓口に相談するのがおすすめです。特に、金融庁に登録されている正規の業者や、独立系FP(特定の商品を売らない中立的な立場の専門家)であれば、客観的なアドバイスを受けられる可能性が高いでしょう。
ただし、中には手数料目的で不要な商品を勧めてくる業者もいますから、複数の情報源を比較し、自分で最終判断をすることが大切です。投資に関する基礎知識は、金融庁や証券取引所が提供している無料の教育コンテンツでも学ぶことができますよ。
ハイリスクハイリターン投資は、正しく理解し、自分に合った範囲で取り組めば、資産形成の選択肢の一つになります。しかし、焦りや欲に駆られて無理をすると、大きな損失につながる可能性も出てきます。
もし今、「投資を始めたいけど不安」「どうすればいいかわからない」と感じているなら、まずは信頼できる専門家に相談してみることをおすすめします。状況に応じて、自分に合った投資方法やリスク管理の方法を見つけることができるはずですよ。一人で抱え込まず、専門家の力を借りながら、安心して投資と向き合っていきましょう。
ハイリスクハイリターン投資の種類8選

「少ない資金で大きく増やしたい」「いまの生活を変えるきっかけが欲しい」そんな気持ちから、ハイリスクハイリターンな投資に興味を持つ方は少なくありませんね。けれども、何も知らないまま飛び込むと、思わぬ損失を抱えてしまうこともあります。
この記事では、代表的なハイリスクハイリターン投資を8つ取り上げ、それぞれの特徴やリスクをわかりやすく整理していきます。ローリスクの投資は大きな利益をもたらしません。低リスクを度外視していきます。
ここからは、リターンが大きい一方でリスクも高いとされる投資方法を具体的に見ていきます。どれも魅力的に見えますが、それぞれに独特の仕組みや注意点があるため、自分の生活スタイルや性格に合っているかどうかを考えながら読み進めてみてくださいね。
ハイリスクハイリターン投資の種類一覧
| 投資の種類 | 主な特徴 | 期待リターン(目安) | リスクレベル | 最低投資額(目安) | 初心者向き? |
| 成長株投資 | 将来性のある企業の株に投資 | 高い | 高 | 数万円〜数十万円 | △(要知識) |
| レバレッジETF | 指数に連動し、値動きが倍になる | 高い | 高 | 数万円〜 | ✕(専門知識必要) |
| IPO投資 | 新規上場株の値上がりを狙う | 高い | 高 | 数万円〜数十万円 | △(当選確率低い) |
| 暗号資産(仮想通貨) | インターネット上のデジタル通貨 | 非常に高い | 非常に高 | 数百円〜数千円 | △(変動大) |
| FX | ドルや円などの為替レートで利益を狙う | 高い | 高 | 数千円〜数万円 | ✕(変動大、レバレッジ) |
| 先物取引 | 将来の売買契約を結ぶ | 非常に高い | 非常に高 | 数十万円〜 | ✕(専門知識必要) |
| 株式投資型クラウドファンディング | 未上場企業に少額出資 | 高い | 高 | 1万円〜 | △(流動性低い) |
| エンジェル投資 | スタートアップに直接出資 | 非常に高い | 非常に高 | 数百万円〜 | ✕(上級者向け) |
成長株投資
成長株投資とは、まだ規模が小さいけれど今後の成長が期待できる企業の株を買う方法です。新しいテクノロジーを開発している会社や、急速に店舗を増やしている小売チェーンなどが該当しますね。こうした企業が実際に大きく伸びると、株価が数倍になることもあり、大きな利益を得られる可能性があります。
ただし、成長株は「これから伸びるかもしれない」という期待で買われるため、業績が予想を下回ったり、市場のトレンドが変わったりすると、一気に株価が下落することも珍しくありません。ベンチャー企業などは資金繰りが不安定だったり、競合に敗れたりして、思うように成長できないケースもありますよ。
成功するには、企業の財務状況や業界動向をある程度理解し、「今後どんなビジネス展開をするのか」を自分なりに予測する力が求められます。表面上の株価の動きだけで判断してしまうと、タイミングを見誤って損失を被る可能性もあるため、情報収集と冷静な判断が欠かせない投資方法と言えるでしょう。
レバレッジETF
レバレッジETFは、日経平均やS&P500などの指数に連動しつつ、その値動きを2倍や3倍に拡大して動くように設計された金融商品です。たとえば、日経平均が1%上昇したときに2倍のレバレッジETFなら約2%上昇し、逆に1%下落すると約2%下落します。つまり、少ない資金でも大きな利益を狙いやすい反面、損失も同じように大きくなるわけですね。
このレバレッジETFの特徴は、日々の値動きに対して倍率をかける仕組みになっているため、長期間保有すると想定以上に価格が減価していくことがあります。指数が上がったり下がったりを繰り返すと、複利効果が裏目に出て、思ったより損失が膨らんでしまうケースもあるのです。
「短期間で一気に稼ぎたい」という方には魅力的に映るかもしれませんが、相場が予想と逆に動いたときのダメージも大きいため、資金管理や損切りのルールをしっかり決めておかないと、あっという間に資金を失いかねません。初心者が安易に手を出すと、市場の動きに翻弄されてしまう可能性が高い商品だと理解しておくことが大切です。
IPO投資
IPO投資とは、企業が新たに株式市場に上場するタイミングで株を購入し、上場後の値上がり益を狙う方法です。新規上場株は注目度が高く、需給バランスが崩れやすいため、初値が公募価格を大きく上回ることがあります。運よく公募で当選できれば、上場初日に売却するだけで利益を得られるケースも少なくありません。
ただし、IPO株は抽選方式で割り当てられることが多く、人気の銘柄ほど当選確率が低くなります。また、上場後に必ずしも株価が上がるとは限らず、公募割れ(公募価格を下回る)するケースもあります。特に、業績が不安定なベンチャー企業や、市場全体の雰囲気が悪い時期には、期待ほど株価が伸びないことも珍しくないでしょう。
IPO投資で安定的に利益を得るには、複数の証券会社で抽選に申し込んだり、企業の事業内容や財務状況をしっかり調べたりする手間が必要です。「当たればラッキー」という宝くじ感覚で臨むと、外れ続けて時間だけが過ぎてしまったり、当選しても公募割れで損をしたりする可能性があるため、ある程度の知識と忍耐力が求められる投資方法と言えます。
暗号資産(仮想通貨)
暗号資産は、ビットコインやイーサリアムなど、インターネット上でやり取りされるデジタル通貨の総称です。価格が短期間で何倍にも跳ね上がることがある一方で、逆に一気に暴落することもあり、非常にボラティリティ(価格変動の幅)が大きい投資対象として知られています。
暗号資産が大きく値上がりする背景には、新しい技術やサービスへの期待、著名人や企業の参入ニュース、規制緩和の動きなど、さまざまな要因があります。しかし、逆に規制強化や取引所のトラブル、ハッキング被害などが報じられると、一瞬で価格が急落することも珍しくありません。過去には数日で価格が半分になったり、逆に数週間で倍増したりと、極端な値動きを繰り返してきました。
また、暗号資産は24時間365日取引が可能なため、深夜や早朝に急激な価格変動が起きることもあり、常に相場を監視していないと大きな損失を被るリスクがあります。さらに、取引所によってはセキュリティ対策が不十分で、資産が盗まれる事例も発生しています。こうしたリスクを理解せずに、「儲かりそうだから」という理由だけで手を出すと、想定外の損失に直面する可能性が高いことを覚えておく必要があります。
FX
FXは、ドルや円、ユーロなどの為替レートの変動を利用して利益を狙う取引です。大きな特徴はレバレッジをかけられる点で、日本国内では最大25倍(法人口座ではさらに高倍率)まで資金を膨らませて取引できます。たとえば、10万円の資金で250万円分の取引を行うことが可能になるため、少ない元手で大きな利益を狙いやすい反面、損失も同じように拡大しますね。
為替相場は、各国の金利政策や経済指標、政治情勢など、さまざまな要因で刻一刻と変動します。予想が当たれば短時間で利益を得られますが、逆に動けば一瞬で証拠金を失うこともあります。特に、重要な経済指標の発表時や要人発言があったときは、相場が急激に動くため、損切りが間に合わずに大きな損失を抱えてしまうケースも少なくありません。
さらに、FXは平日24時間取引が可能なため、寝ている間に相場が大きく動いて、朝起きたら損失が膨らんでいたという話もよく聞きます。感情に流されて無計画に取引を繰り返すと、あっという間に資金を溶かしてしまう可能性があるため、明確なルールを決めて冷静に取り組む姿勢が欠かせません。
先物取引
先物取引は、将来の一定時点で商品や株価指数を売買する契約を、現時点で結ぶ仕組みです。日経平均先物やコーン、原油などが代表的な対象となります。先物取引もレバレッジをかけられるため、少ない資金で大きな取引ができますが、その分リスクも大きくなりますね。
先物取引の難しさは、期限(限月)が決まっていることです。期限が来るまでに決済しなければならず、相場が不利な方向に動いても「待てば戻るかも」と長期保有することができません。また、商品先物の場合は需給バランスや天候、国際情勢など、株式とは異なる要因で価格が大きく変動するため、予測が難しい面もあります。
さらに、先物取引では追証(おいしょう)と呼ばれる追加の証拠金を求められることがあり、相場が急変すると短期間で資金が不足して強制決済されるリスクもあります。こうした仕組みを理解せずに取引を始めると、想定外の損失を被る可能性が高いため、初心者が安易に手を出すのは危険と言えるでしょう。
株式投資型クラウドファンディング
株式投資型クラウドファンディングは、まだ上場していないスタートアップ企業に少額から出資できる仕組みです。企業が成長して株式公開(IPO)や事業売却(M&A)などを実現すれば、出資者は大きなリターンを得られる可能性があります。一方で、スタートアップは資金繰りが不安定で、事業がうまくいかずに倒産したり、株式が無価値になったりするリスクも高いでしょう。
この投資方法の特徴は、流動性が極めて低いことです。上場株のようにいつでも売買できるわけではなく、数年から十年単位で資金が拘束される可能性があります。また、企業の情報開示が限られているため、財務状況や事業計画を正確に把握するのが難しく、投資判断が難しいという側面もありますね。
「応援したい企業に投資する」という社会貢献的な意義を感じられる一方で、投資資金を回収できない可能性が高いことを理解しておく必要があります。余裕資金の範囲内で、最悪ゼロになっても生活に影響が出ない金額で取り組むことが大切です。
エンジェル投資
エンジェル投資は、創業間もない企業や個人の起業家に対して、直接資金を提供する投資方法です。株式投資型クラウドファンディングと似ていますが、エンジェル投資は個人が直接起業家と交渉し、株式や転換社債などの形で出資するケースが多く、より深く企業経営に関わることもあります。
成功すれば、企業が成長したときに株式価値が何十倍、何百倍にもなる可能性がありますが、現実にはほとんどのスタートアップが失敗に終わるため、投資した資金が戻ってこないことのほうが多いのが現状です。また、エンジェル投資は数百万円から数千万円単位の出資が一般的で、資金的にも精神的にも余裕がある人でないと続けるのが難しい投資方法と言えるでしょう。
さらに、投資先の選定には、ビジネスモデルの評価や経営者の資質を見極める目利き力が求められます。経験や人脈がないまま飛び込むと、詐欺まがいの案件に引っかかったり、事業が軌道に乗らないまま資金だけを失ったりするリスクもあります。ハイリスクハイリターンの中でも特に上級者向けの投資方法であり、初心者が安易に手を出すべきではないでしょう。
上記の投資選択肢はすべてハイリスクハイリターンな投資です。自分に合うかどうか不安な方も多いでしょう。そんな時は専門家に相談してみるのもいいです。専門家プロファイルでは資産運用やお金の悩みについて専門家が個別に回答してくれます。以下の相談事例も見てみましょう。
専門家プロファイルでは、ファイナンシャルプランナーの本森 幸次さんが以下のような質問に回答しています。
【質問(要約)】

資産運用として、投資信託か変額保険を検討しています。
運用期間は長期で、20年程度は続ける予定です。(教育資金の為でもあります)
投資に関する知識はあまり無いので、
長期的に、毎月一定額を払い込む方法が個人的には向いているかな、と思っております。
(「ここだ」とまとまった額を注ぎ込める勇気はありません)
変額保険は「保険」なので死亡保障が付いていますが、
現在、他の保険で死亡保障はある程度確保しているので、
変額保険を選んだ場合、より貯蓄向けの商品を選びたいと思います。
両者のメリット、デメリット等、選択の参考にしたいため、ご教授いただければ幸いです。
宜しくお願い致します。
【回答】

キャッシュフローアドバイザーの本森です。
教育資金準備を兼ねての資産形成とのことですが、どの程度のリターン(払い込んだお金に対してどのくらいお金が増えたか)を希望されていますか?
銀行預金より多ければOKという程度であれば、リスクを抱える投資信託や変額保険には手を出さない方がいいですよ。
一般的な学資保険や円建て終身保険などの方が適していると思います。
また、通貨としての元本保証だけなら外貨建ての貯蓄性保険も選択肢に入りますね。
投資信託と変額保険のリスクリターンバランスは、上記のような金融商品とハイリスクハイリターンの金融商品(株式、不動産、先物、FXなど)の間に位置します。ミドルリスクミドルリターン商品と言われます。つまり、リスクもある程度想定しなければならない商品ということです。
(中略)
変額保険を上記の視点で考えると、保険会社という運用の専門機関(専門家)が投資信託商品を5~7個に絞り込んでサポートしてくれていることになります。当然に専門家(保険会社)へサポート料を支払います。これが死亡保障という形で付帯してきます。
知識に自信がないのであれば変額保険が、これから知識を付けるために勉強するなら投資信託(NISA運用など)がお勧めです。
参考になれば幸いです。
自分の立場にあった選択肢がわからない場合、専門家プロファイルでプロに詳しく相談してみてはいかがでしょうか。個別の悩みに対して専門家が寄り添って答えて不安や心配を解消してくれます。
リスク許容度別おすすめ投資方法

投資を選ぶときに一番大事なのは、「自分がどれくらいのリスクなら耐えられるか」を知ることです。リスク許容度というのは、簡単に言えば「もし投資したお金が減ったとき、どのくらいまでなら心の余裕を保てるか」という目安のこと。これは、年齢や収入、貯金額、生活スタイル、そして性格によって人それぞれ違います。
たとえば、20代で独身、収入が安定していて貯金もある程度あるなら、多少の値動きがあっても長期的に回復を待つ余裕があるかもしれません。一方で、30代後半で家族がいて、住宅ローンや教育費の支払いがある場合は、急な損失に耐える余裕が少ないため、リスクを抑えた投資が向いていると言えますね。
ここでは、リスク許容度を「低い」「中程度」「高い」の3つに分けて、それぞれに合った投資方法を具体的に紹介します。
リスク許容度別おすすめ投資方法の比較
| リスク許容度 | おすすめ投資方法 | 主な特徴 | 期待リターン(目安) | 注意点 |
| 低い | 定期預金、個人向け国債、元本保証型貯蓄型保険、つみたてNISA(バランス型投信) | 元本重視、安定した利回り | 年0.1〜4% | リターンは控えめ、インフレリスク |
| 中程度 | インデックスファンド、ETF、つみたてNISA/iDeCo(S&P500など)、不動産投資型クラウドファンディング、ソーシャルレンディング | バランス重視、分散投資でリスク軽減 | 年3〜7% | 元本保証ではない、情報収集は必要 |
| 高い | 個別株投資、FX、仮想通貨 | 積極的なリターン狙い、短期間での資産増加も | 年10%〜 | 損失も大きい、専門知識と経験が必須 |
リスク許容度が低い人向け:安定重視の投資
リスク許容度が低い人は、「元本割れを絶対に避けたい」「安心して眠れる範囲で投資したい」と考える傾向がありますね。こういう方には、値動きが少なく、安定した利回りが期待できる投資方法がおすすめです。
- 具体的な方法
- 定期預金や個人向け国債:元本が大きく減るリスクがほとんどなく、安心して預けられます。利回りは年0.1〜0.5%程度と控えめです。
- 元本保証型の貯蓄型保険:保険と貯蓄が一緒になった商品。こちらも元本保証が魅力です。
- つみたてNISA(バランス型投資信託):元本割れのリスクを避けつつ、少しずつ増やしたい方には、株式と債券を組み合わせたバランス型の投資信託を、つみたてNISAで毎月少額から積み立てるのがおすすめです。値動きが穏やかで、長期的に年2〜4%程度のリターンが期待できますよ。
リスク許容度が中程度の人向け:バランス型の投資
リスク許容度が中程度の人は、「ある程度のリスクは取れるけど、大きな損失は避けたい」と考える層です。収入が安定していて、生活費以外に毎月少しずつ余裕資金が作れる方が該当するでしょう。
- 具体的な方法
- インデックスファンドやETF(上場投資信託):日経平均株価やS&P500などの市場全体に連動するインデックスファンドやETFは、個別の企業に投資するよりもリスクが分散され、長期的には年5〜7%程度のリターンが期待できます。
- つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)の活用:これらの制度を使えば、税制優遇を受けながら資産を増やせます。たとえば、つみたてNISAで毎月3万円を20年間積み立てて、年利5%で運用できた場合、元本720万円が約1200万円に成長する可能性もあります。
- 不動産投資型クラウドファンディングやソーシャルレンディング:最低投資額が1万円〜10万円程度と手頃で、年3〜6%のリターンが期待できるため、選択肢として検討する価値があります。ただし、これらは元本保証ではないため、運営会社の信頼性をしっかり確認することが大切です。
リスク許容度が高い人向け:積極的なリターン狙いの投資
リスク許容度が高い人は、「多少の損失は覚悟の上で、大きなリターンを狙いたい」と考える層です。たとえば、20代〜30代前半で独身、貯金がある程度あり、万が一失敗しても生活に影響が出ないだけの余裕がある方が該当します。
- 具体的な方法
- 個別株投資:成長性の高い企業の株を購入し、数年後に数倍の価値になることを期待する投資です。スタートアップ企業や新興IT企業の株は、うまくいけば5年で10倍になることもありますが、逆に倒産してゼロになるリスクもあります。
- FX(外国為替証拠金取引):少額の資金で大きな取引ができる「レバレッジ」という仕組みがあり、短期間で大きな利益を狙えますが、同時に大きな損失を被る可能性もあるため、初心者には難易度が高いです。
- 仮想通貨(暗号資産):ビットコインやイーサリアムなどは短期間で価格が倍になることもあれば、半分以下に下がることもあります。大きなリターンを狙える一方で、非常にハイリスクな投資と言えるでしょう。
リスク許容度が高い人でも、全財産を一つの投資に集中させるのは危険です。たとえば、資産の50%は安定型の投資に、残り50%を積極型に分けるなど、リスク分散を意識することで、万が一の損失にも対応できる体制を整えることが大切です。
少額で始められる投資ランキング

投資を始めたいけど、まとまったお金がないという悩みを持つ人は多いでしょう。実は、今の時代は少額からでも十分に投資を始められる環境が整っています。ここでは、初期投資額が少なく、手軽にスタートできる投資方法をランキング形式で紹介しますね。
第1位: ポイント投資(100円〜)
ポイント投資は、楽天ポイントやTポイント、dポイントなどの日常生活で貯まったポイントを使って投資できるサービスです。現金を使わずに始められるため、「投資は怖い」と感じている人にとって、心理的なハードルが非常に低いのが特徴ですね。
- ポイント
- 楽天証券の口座を開設すれば、100ポイント(100円相当)から投資信託を購入できます。楽天市場で買い物をするたびにポイントが貯まるので、普段の生活を変えずに自然と投資資金が増えていくでしょう。
- dポイント投資やLINEポイント投資も同様に、ポイントだけで投資ができます。損をしても「元々はポイントだから」と割り切れるメリットがありますね。
- ただし、ポイント投資でも実際の金融商品に投資しているため、ポイントが減ることもある点は理解しておきましょう。
第2位: つみたてNISA(100円〜)
つみたてNISAは、少額から長期投資ができる国の制度で、年間40万円まで非課税で運用できます。最低投資額は証券会社によって異なりますが、楽天証券やSBI証券では月100円から積立可能ですよ。
- ポイント
- 運用益が非課税になることが大きなメリットです。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、つみたてNISAならその税金がゼロになります。
- 購入できる投資信託は、金融庁が選定した「長期・分散・積立に適した商品」に限られているため、初心者でも比較的安心して選べるでしょう。
第3位: 不動産投資型クラウドファンディング(1万円〜)
不動産投資型クラウドファンディングは、インターネット上で複数の投資家からお金を集めて、マンションやアパートなどの不動産に投資する仕組みです。通常の不動産投資では数百万円〜数千万円の資金が必要ですが、クラウドファンディングなら1万円から参加できるサービスが多いです。
- ポイント
- CREAL(クリアル)やFANTAS funding(ファンタスファンディング)などのサービスがあります。数ヶ月〜数年単位のプロジェクトに投資し、家賃収入や売却益の一部を配当として受け取れますよ。
- 年利回りは3〜6%程度が一般的で、銀行預金よりも高いリターンが期待できます。
- ただし、元本保証ではないため、プロジェクトが失敗すれば投資額の一部または全額を失うリスクがあります。運営会社の実績や過去の案件の成功率をしっかり確認してから投資することが大切です。
第4位: 単元未満株(500円〜)
通常、日本の株式投資では「1単元=100株」単位での購入が基本ですが、単元未満株(ミニ株・S株)なら、1株単位で購入できるため、数百円から株式投資を始められます。
- ポイント
- たとえば、トヨタ自動車の株価が1株3000円なら、通常は30万円必要ですが、単元未満株なら3000円で購入可能です。
- SBI証券の「S株」やマネックス証券の「ワン株」、PayPay証券の「1株から買える」などのサービスがありますよ。
- 少額から有名企業の株主になれるため、配当金をもらったり、株主優待を受けられることもあります(ただし、単元未満株では株主優待が受けられない場合もあります)。
第5位: 仮想通貨(500円〜)
仮想通貨(暗号資産)も、少額から始められる投資の一つです。ビットコインやイーサリアムなどの主要な仮想通貨は、多くの取引所で500円〜1000円から購入可能です。
- ポイント
- Coincheck(コインチェック)やbitFlyer(ビットフライヤー)などの国内取引所では、スマホアプリで簡単に購入でき、初心者でも使いやすいインターフェースが整っています。
- 仮想通貨は値動きが非常に激しく、短期間で数倍になることもあれば、半分以下に下がることもあります。そのため、生活資金に影響が出ない「余裕資金」の範囲内で、まずは少額から試してみるのがおすすめです。
初心者が始めやすい投資ベスト3

投資を始めたばかりの人にとって、最初の一歩は不安がつきものですね。ここでは、初心者でも理解しやすく、リスクを抑えながら始められる投資方法をベスト3形式で紹介します。
第1位: つみたてNISA × インデックスファンド
初心者に最もおすすめなのが、つみたてNISAを使ったインデックスファンドの積立投資です。この組み合わせは、税制優遇、リスク分散、長期運用という3つのメリットをすべて兼ね備えていますよ。
- メリット
- 税制優遇:年間40万円まで非課税で運用でき、最長20年間運用益に税金がかかりません。
- リスク分散:インデックスファンドは、日経平均株価やS&P500などの市場全体に分散投資するため、個別の企業が倒産しても大きなダメージを受けにくい特徴があります。
- 長期運用:積立設定をすれば自動的に投資されるため、「いつ買えばいいのか」を悩む必要もありません。
- おすすめの証券会社
- 楽天証券やSBI証券:どちらも月100円から積立可能で、スマホアプリも使いやすいです。
第2位: ポイント投資
第2位は、ポイント投資です。現金を使わずに投資を始められるため、「失敗しても現金が減るわけじゃない」という安心感がありますね。
- メリット
- 心理的ハードルが低い:楽天ポイント投資やdポイント投資、LINEポイント投資などがあり、100ポイントから投資できます。
- 手軽にスタート:たとえば、楽天市場で月に5000円買い物をすれば、ポイント還元で50〜250ポイント程度貯まるので、それを投資に回すことで、自然と資産形成ができますよ。
- 投資学習に最適:実際の金融商品に投資するため、投資の仕組みや値動きを学ぶ練習にもなります。「投資ってこういうものか」と体感できるため、次のステップに進むハードルが下がるでしょう。
第3位: 不動産投資型クラウドファンディング
第3位は、不動産投資型クラウドファンディングです。1万円から始められ、年3〜6%程度の利回りが期待できるため、銀行預金よりも高いリターンを狙いたい初心者に向いています。
- メリット
- 少額から高リターン:CREALやFANTAS fundingなどのサービスでは、マンションやアパートなどの不動産プロジェクトに投資し、家賃収入や売却益の一部を配当として受け取れます。
- 運用期間の明確さ:投資期間は数ヶ月〜数年で、満期になると元本と配当が戻ってきます。
- 注意点
- プロジェクトが失敗すると元本割れする可能性があるため、運営会社の実績や過去の成功率をしっかり確認することが大切です。
- 途中で解約できない場合が多いため、すぐに使う予定のないお金で投資することをおすすめします。
投資を始めるとき、「どの方法が自分に合っているか」を見極めることが、成功への第一歩です。ただし、投資にはリスクがつきものであり、「絶対に儲かる」という方法は存在しません。
もし投資について不安がある場合や、自分に合った方法を詳しく知りたい場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)や証券会社の相談窓口を利用するのも一つの手です。無料相談を実施している証券会社も多いので、気軽に専門家の意見を聞いてみると、より安心して投資をスタートできるでしょう。
ハイリスク投資で損をしないコツと実践ガイド

ハイリスク投資に挑戦したいけど、「大きく負けたらどうしよう…」そんな不安、ありますよね。実は、ハイリスクな投資で損を最小限に抑えるためには、ちょっとした工夫とルールを守ることが大切なんです。今回は、初心者でも実践できる「損をしないコツ」を具体的にお伝えします。
ハイリスク投資というと、「一発で大きく儲かるかもしれないけど、失敗したらすべて失う」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。確かに、リスクが高い分リターンも期待できるのがハイリスク投資の特徴ですが、実際には「損をしない工夫」をきちんと実践すれば、リスクをコントロールしながら資産を増やしていくことも可能です。
ここで大切なのは、「一か八かで全財産を賭ける」のではなく、「リスクとうまく付き合いながら、少しずつ資産を増やしていく姿勢」を持つことです。多くの投資初心者は、「早く儲けたい」という気持ちが先行してしまい、自分の資金をすべて一つの銘柄や投資先に注ぎ込んでしまいがちです。しかし、これでは万が一その投資がうまくいかなかった場合、一気に資金を失ってしまいますよ。
また、ハイリスク投資では「いつ売るか」「いつ損を確定するか」といった判断も非常に重要です。感情に流されて「もう少し待てば戻るかも」と損を抱えたまま放置してしまうと、損失がどんどん膨らんでしまうことがあります。逆に、利益が出ているときに「まだまだ上がるはず」と欲張りすぎると、せっかくの利益を逃してしまうこともありますね。
つまり、ハイリスク投資で損をしないためには、「資金の使い方」と「売買のルール」をしっかり決めておくことが不可欠なのです。ここからは、具体的にどうすればリスクを抑えながら投資できるのか、実践的なコツを2つのポイントに分けて詳しくご紹介します。
小額分散投資のススメ
ハイリスク投資で最も大切なのが、「小額で分散して投資する」という考え方です。分散投資とは、一つの投資先にすべての資金を集中させるのではなく、複数の投資先に資金を分けて投資する方法のこと。たとえば、手元に30万円あるとしたら、そのすべてを一つの仮想通貨や個別株に注ぎ込むのではなく、5万円ずつ6つの異なる投資先に分けるイメージです。
- 小額分散投資のメリット
- リスク軽減:一つの投資がうまくいかなくても、他の投資でカバーできる可能性が高まります。
- 心理的余裕:「失っても生活に大きな影響がない金額」で投資を始めると、値動きに一喜一憂しすぎず、冷静な判断ができるようになりますよ。
- 投資学習:複数の投資先を持つことで、それぞれの値動きの特徴や市場の傾向を学ぶことができ、投資の経験値が自然と積み上がっていきます。
- 具体的な分散投資の例
- 手元の資金を「仮想通貨・個別株・投資信託・FX」といった異なる投資先に5万円ずつ分けて投資する。
- 同じ仮想通貨でも、ビットコインだけでなくイーサリアムやリップルなど複数の通貨に分けて投資することで、一つの通貨が暴落しても他の通貨でリスクをカバーできるでしょう。
このように、小額で分散して投資することは、ハイリスク投資で損をしないための基本中の基本です。「早く大きく稼ぎたい」という気持ちは分かりますが、まずは小さな金額でリスクを分散しながら、着実に経験を積んでいくことが、結果的に大きな損失を避ける近道になりますよ。
損切り・利益確定のルール
ハイリスク投資で損をしないためのもう一つの重要なポイントが、「損切り」と「利益確定」のルールをあらかじめ決めておくことです。損切りとは、損失が出ている投資を早めに売却して損を確定すること。利益確定とは、利益が出ているうちに売却して利益を確保することです。どちらも感情に流されずに機械的に実行することが、投資で成功するための鍵になります。
- 損切りの重要性
- 「もう少し待てば値上がりするかもしれない」という期待から、損失を抱えたまま保有し続けてしまうことがあります。しかし、この判断が命取りになることも少なくありません。
- 損切りルール例:「購入価格から〇%下がったら売却する」という基準を決めておきましょう。たとえば、「10%下がったら必ず売る」と決めておけば、100万円で買った投資が90万円になった時点で損切りし、それ以上の損失を防ぐことができます。
- 利益確定の重要性
- 利益が出ているときは、「もっと上がるかも」と欲張ってしまい、結果的に値下がりしてせっかくの利益を失ってしまうことがあります。
- 利益確定ルール例:「〇%利益が出たら売却する」という基準を決めておくのが有効です。たとえば、「20%利益が出たら必ず売る」と決めておけば、100万円で買った投資が120万円になった時点で売却し、確実に利益を手に入れることができます。
- ルール設定のポイント
- 自動化を活用:多くの証券会社や取引プラットフォームでは、「指値注文」や「逆指値注文」といった機能があり、あらかじめ設定した価格に達したら自動的に売買を実行してくれます。感情に左右されず、機械的にルールを守れますよ。
- 生活に影響しない範囲:損切りラインは「この金額を失っても生活には困らない」という範囲内で設定しましょう。利益確定のラインも、「このくらい利益が出たら十分嬉しい」と思える金額で設定することで、心理的な負担を減らせます。
ハイリスク投資では、どれだけ冷静に判断できるかが勝敗を分けます。損切りや利益確定のルールをあらかじめ決めておくことで、感情に流されずに機械的に売買ができるようになり、結果的に大きな損失を避けながら着実に利益を積み上げていくことができるのです。
ハイリスク投資は確かにリスクが高い世界ですが、「小額分散投資」と「損切り・利益確定のルール」をしっかり守ることで、リスクをコントロールしながら資産を増やしていくことは十分可能です。ただし、投資にはどうしても判断が難しい場面も出てきますね。
もし「どうすればいいか分からない」「自分に合った投資方法を知りたい」と感じたときは、ファイナンシャルプランナーや投資アドバイザーといった専門家に相談してみるのも一つの方法です。状況に応じた適切な選択肢を見つけることで、より安心して投資に取り組むことができるようになりますよ。
まとめ|自分に合った投資で賢く資産運用
ここまで様々なハイリスク投資方法とその注意点を見てきましたね。どれも魅力的に見える一方で、「自分にはどれが合っているんだろう?」と迷ってしまった方もいるかもしれません。
実は、投資に「これが絶対正解」という答えはありません。大切なのは、あなた自身の生活リズムや性格、そして今の資金状況に合った方法を選ぶことです。まずは、「自分が無理なく続けられる範囲」を基準に考えてみてください。毎月5,000円でも1万円でも構いません。無理のない金額から始めて、投資の感覚をつかんでいくことが、長期的な資産形成への第一歩になります。もし「やっぱり自分には合わないな」と感じたら、途中で方向転換することも悪いことではありませんよ。
また、投資を始める前には、生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分程度)をしっかり確保しておくことも忘れないでください。万が一のときに使えるお金がないまま投資に全額をつぎ込んでしまうと、急な出費があったときに投資資産を損失覚悟で切り崩すことになり、結果的に損をしてしまう可能性が高まります。
投資はギャンブルではなく、あなたの未来を少しずつ豊かにしていくための選択肢の一つです。焦らず、自分に合ったスタイルを見つけて、無理のない範囲でじっくり向き合っていけば、きっと将来の安心感につながっていくはずですよ。
もし、「どこから始めたらいいかわからない」「もっと詳しく自分に合った方法を知りたい」と感じたら、ファイナンシャルプランナー(FP)や証券会社の無料相談窓口を活用してみるのも一つの手です。専門家の視点で、あなたの状況や目標に応じたアドバイスをもらうことで、より納得感を持って投資を始められるようになるでしょう。最初の一歩を踏み出すのは勇気がいるかもしれませんが、その一歩が未来の選択肢を広げてくれることもあります。ぜひ、自分らしいペースで資産運用の第一歩を踏み出してみてくださいね。






