保険で貯蓄は本当に得? 掛け捨て型との違いを徹底解説|メリット・デメリットと人がやりがちな型のしくじり

「保険に入っておけば、将来のお金も貯まるし安心だよね」——こんなふうに考えて、終身保険や学資保険に加入している方は少なくありません。しかし、「これって、本当に貯蓄として”得”なのだろうか?」と思うことはありませんか?本来、万が一に備えるための保険を貯蓄の手段として扱うことに違和感を持つ人もいるでしょう。金融広報中央委員会も、「保険は保障を得ることが主目的であり、貯蓄・運用のための商品ではない」と説明しており(参照:金融広報中央委員会「生命保険の仕組み」)、貯蓄目的での加入には慎重な検討が求められるとしています。実は、保険で貯蓄をすることには思っている以上に大きなリスクとデメリットがあります。
今回は、保険を貯蓄手段として使うことをおすすめできない4つの決定的な理由と、貯蓄型保険の種類ごとの注意点、ご自身の保険のコストを確認する方法をお伝えします。さらに、すでに保険に加入済みの場合の対処法や、賢い人が選ぶ資産形成の代替手段についても、具体例を交えて分かりやすく解説していきます。その中で、もし実践したいものがあったら、運営会社のサイトや関連情報をチェックして、仕組みをよく理解してから取り組むことが大切です。
保険で貯蓄してはいけない4つの決定的な理由

保険で貯蓄しようと考えるとき、多くの方が期待するのは「安全にお金が増えること」と「いざという時の保障」の両立ではないでしょうか。しかし、残念ながら貯蓄型保険には、その期待を裏切るような大きな落とし穴がいくつか存在します。ここでは、特に注意したい4つの決定的な理由を見ていきます。
元本割れリスクが高い理由
保険商品の多くは、加入してから一定期間内に解約すると、支払った保険料よりも少ない金額しか戻ってこないという仕組みになっています。これを「元本割れ」と呼び、払ったお金より戻ってくるお金が少ない状態を指します。
例えば、終身保険に月2万円を3年間払い続けた場合、総額で72万円を支払ったことになりますね。しかし、この時点で解約すると、実際に戻ってくるのは50万円程度、場合によってはそれ以下というケースも珍しくありません。つまり、20万円以上が手元に戻らず、事実上の損失になってしまうのです。
この元本割れが起こる理由は、保険会社が受け取った保険料の一部を保険契約の維持コストや営業担当者への手数料、そして保険会社自身の利益として差し引いているからです。特に契約初期の数年間は、このコストが大きく、解約返戻金が低く設定されています。貯蓄のつもりで始めたのに、いざお金が必要になったときに取り出そうとしたら大きく目減りしている——これでは安心して貯められるとは言えません。
「途中で解約しなければ問題ない」と思うかもしれませんが、人生には予期しない出費がつきものです。子どもの教育費、親の介護費用、転職による収入減、病気やケガの治療費など、思わぬタイミングでまとまったお金が必要になることは決して珍しくありません。そんなとき、保険という”縛られた貯蓄”では身動きが取れず、結果として元本割れ覚悟で解約するしかなくなる——こうしたリスクを理解せずに加入するのは、あまりにも危険でしょう。契約者貸付などの制度を利用する際も含め、必ず条件を確認しましょう。
運用利回りが低すぎる現実
保険商品には「利回り」という考え方がありますが、その数字が一見魅力的に見えたとしても、実際の運用成果は非常に低いというのが現実です。例えば、保険会社が提示する「返戻率110%」という数字を見て、「10%増えるならいいかも」と思うかもしれません。しかし、これは支払った保険料の総額に対して、満期時に戻ってくる金額が110%であるという意味であり、年利に換算すると驚くほど低い利回りになります。
もちろん、投資にはリスクがつきものですし、元本保証もありません。しかし、長期で見れば、リスクは分散されやすく、歴史的にもプラスのリターンを得られる可能性が高いというデータがあります。保険という「低利回りで縛られた貯蓄」よりも、自分でコントロールできる運用手段を選ぶほうが、資産形成という点では圧倒的に有利だと言えます。他の金融商品と比べると、資産運用の効率は大きく異なります。
途中解約で大きな損失が発生する
先ほども触れましたが、保険商品の最大のデメリットの一つが、途中で解約すると大きな損失が発生するという点です。この損失は、単なる「少し減る」というレベルではありません。場合によっては、支払った金額の半分以下しか戻ってこないケースもあります。
例えば、ある終身保険で月2万円を5年間払い続けた場合、総支払額は120万円になります。しかし、5年目に解約すると、解約返戻金が70万円程度にしかならないこともあります。つまり、50万円が手元に戻らないのです。これは、銀行預金や投資信託では考えられないほどの大きな損失です。
この仕組みが成り立っているのは、保険会社が契約初期に販売手数料や運営コストを大きく回収する設計になっているからです。保険営業の担当者に支払われる手数料、システムの維持費、広告費、保険会社の利益など、これらがすべて契約者の支払う保険料から差し引かれています。そのため、契約から数年間は解約返戻金が非常に低く設定されているのです。
さらに厄介なのは、「途中で解約しなければいいだけでは?」と思っていても、実際には人生の予期せぬ変化によって、解約せざるを得ない状況が起こりうるという点です。その状況に直面したとき、保険という”流動性の低い資産”しか持っていないと、大きな損失覚悟で解約するしか選択肢がなくなってしまうのです。その点、銀行預金や投資信託であれば、必要なときに自由に引き出せる柔軟性があります。つみたてNISAでも、基準価額が下がっている時期は避けるなど、タイミングをある程度コントロールできますよね。
また、保険の解約返戻金には税金が課される場合があるという点も見逃せません。解約時に受け取る金額が、支払った保険料の総額を上回った場合、その差額は「一時所得」として課税対象になります。つまり、せっかく少し増えたとしても、税金を引かれて結局ほとんど手元に残らない、ということも起こりえます。
貯蓄の本来の目的は、「いざというときに使えるお金を用意しておくこと」です。しかし、保険で貯蓄をすると、その目的が達成されないどころか、逆に損をする可能性が高いと言えるでしょう。払い込み期間中の解約は、戻ってくるお金の割合が低くなるため注意が必要です。
インフレに対応できない仕組み
保険商品を貯蓄として使う最大の弱点の一つが、インフレにまったく対応できないという点です。日本では2022年以降、インフレが発生しており、食料品やエネルギー価格の上昇を実感している人も多いはずです。そして、今後もインフレが続く可能性は十分にあります。
インフレとは、簡単に言えば「お金の価値が下がること」です。このとき、現金や保険のように「額面が固定されている資産」は、実質的な価値が目減りしていくのです。
具体例で考えてみましょう。20年後に500万円を受け取れる保険に加入したとします。しかし、その20年間でインフレが年率2%ずつ進んだ場合、500万円の実質的な購買力は約336万円程度にまで下がってしまうのです。つまり約164万円分の価値が失われていると言えます。
さらに問題なのは、保険は契約時に将来受け取れる金額が固定されてしまうという点です。つまり、インフレが進んでも、受け取る金額は一切増えません。一方、株式や投資信託などのリスク資産は、企業の収益成長や物価上昇に連動して価値が上がる可能性があります。実際、過去のデータを見ると、長期的には株式市場はインフレ率を上回るリターンを生み出してきたことが確認されています。
インフレは目に見えにくいリスクですが、長期で見ると資産価値に大きな影響を与えます。「将来のために保険で貯蓄している」と安心していても、実際には物価上昇によって資産価値が目減りしている——そんな状況に陥らないためにも、インフレに強い資産形成の方法を選ぶことが重要になります。いつインフレが起きても良いように、リスクを抑える工夫が求められます。
貯蓄型保険の種類とそれぞれの問題点

貯蓄型保険は「保障」と「貯蓄」の両方がセットになった商品ですが、その二つの機能が同居することで、どちらも中途半端になりやすいという構造的な課題を抱えています。前述の「元本割れリスク」「運用利回りの低さ」「途中解約の損失」「インフレへの対応不足」といった共通のデメリットを踏まえた上で、ここでは代表的な3つの貯蓄型保険について、それぞれが持つ固有の問題点を掘り下げていきましょう。
終身保険の落とし穴
終身保険は、一生涯にわたって死亡保障が続き、途中で解約すれば解約返戻金を受け取れる保険ですね。「万が一のときは家族にお金を残せるし、老後の資金にもなる」という二重の安心感が魅力とされ、保険ショップでも定番の商品として提案されることが多いのではないでしょうか。
しかし、この”二重の安心感”こそが最大の落とし穴だと言えます。終身保険の保険料には、「死亡保障のコスト」と「貯蓄部分の積立」が混在しており、その内訳は契約者にはほとんど開示されません。つまり、毎月2万円の保険料を払っていても、そのうち何割が貯蓄に回り、何割が保障コストとして消えているのか分からない構造になっているのです。
加えて、途中で家計が苦しくなったとき、終身保険は流動性が極めて低いという弱点があります。急な医療費や子どもの進学費用が必要になっても、解約すれば大きく元本割れする時期があるため、「動かせないお金」になってしまいがちです。結果として、カードローンやキャッシングに頼らざるを得ない事態に陥ることもあります。
こうした点を考えると、「貯蓄+保障」の両立を謳う終身保険は、どちらの機能も中途半端で、費用対効果が低い商品と言えるでしょう。掛け捨てタイプの方が割安で、貯蓄型は割高になる傾向があります。
個人年金保険のデメリット
個人年金保険は、老後資金の準備を目的に、毎月一定額を積み立てて将来年金形式で受け取る保険です。「公的年金だけでは不安」という漠然とした不安に応える形で、30〜40代のうちに契約するケースが多いでしょう。保険料控除(年間最大4万円)が受けられる点も、お得感を演出する要素として強調されがちです。
しかし、個人年金保険にも看過できないデメリットが複数あります。まず挙げられるのが運用利回りの低さです。現在販売されている個人年金保険の多くは、予定利率が年0.5〜1.0%程度に設定されています。仮に月1万円を30年間積み立てた場合、払込総額は360万円ですが、受取総額が380万円程度(返戻率105%)にとどまることも珍しくありません。これは年利換算で約0.16%に過ぎず、インフレ率(年1〜2%)を考慮すれば、実質的にはマイナスになる可能性すらあります。
さらに、個人年金保険は契約時の条件が固定されるという特徴もあります。契約時には「30年後に年金を受け取る」と決めても、実際にその時期が来たときに、健康状態や生活環境が変わっていることは十分にあり得ます。
加えて、個人年金保険には流動性が極めて低いという致命的な弱点があります。急にお金が必要になっても、個人年金保険の積立金を自由に引き出すことはできません。無理に解約すれば大きく元本割れするため、結局は別の借入に頼ることになり、かえって家計を圧迫してしまうケースも少なくありません。
保険料控除による節税効果も、実は思ったほど大きくありません。運用利回りの低さや解約時の元本割れリスクを考えると、節税メリットだけで契約を正当化するのは難しいと言えるでしょう。
学資保険が資産形成に向かない理由
学資保険は、子どもの教育資金を準備するために加入する保険で、特に0〜3歳の子どもを持つ家庭で人気があります。「子供が入学する前から、将来の教育費を計画的に貯められる」「親に万が一のことがあっても保険料の払込が免除され、満期金は受け取れる」という二つの安心感が、多くの親の心を捉えています。
しかし、資産形成の手段として学資保険を選ぶことには、いくつかの見過ごせない問題があります。まず挙げられるのが返戻率の低さです。現在販売されている学資保険の返戻率は、多くの商品で105〜110%程度にとどまります。つまり18年間積み立ててようやく5〜10%増える程度です。これを年利に換算すると約0.3〜0.4%にしかなりません。
次に、途中解約時の元本割れリスクも深刻です。学資保険は「18歳満期」などの長期契約を前提としているため、契約から10年以内に解約すると、払込額の70〜85%程度しか戻らないケースがあります。
また、終身保険や個人年金保険と同様に、学資保険には資金の流動性がほとんどないことと、インフレへ対応できないことという構造的な弱点もあります。
さらに見落とされがちなのが、親の万が一の際の保障機能についてです。確かに学資保険には「保険料払込免除特約」がついていることが多く、契約者である親が死亡または高度障害になった場合、以後の保険料は免除され、満期金は予定通り受け取れます。しかし、この保障機能には大きなコストがかかっており、実はそのコスト分だけ運用効率が下がっているのです。仮に「保障なし・貯蓄特化型」の商品があれば、返戻率は110%を超えることも可能です。つまり、保障と貯蓄を一つの商品に詰め込むことで、どちらの機能も中途半端になっていると言えるでしょう。
最後に、学資保険には受取時の課税リスクもあります。満期金や祝い金を受け取る際、払込保険料総額を超えた部分は一時所得として課税対象になります。例えば総払込額が200万円で、満期金が210万円だった場合、10万円が課税対象です。一時所得には50万円の特別控除があるため、学資保険単体では課税されないことが多いですが、同じ年に別の一時所得(例:他の保険の満期金)があった場合、合算されて課税される可能性があります。
これらのデメリットを踏まえ、学資保険が子供のための貯金として、本当に合っているか見極める必要があります。
あなたの保険の本当のコストを計算してみよう

月々に数万円払えば、数年後には大きな金額になって戻ってくる。そう思って加入した終身保険。でも実は、その数字だけでは本当の損得は見えていないかもしれません。保険営業のパンフレットには「返戻率120%!」と大きく書かれていても、それが本当にお得なのか、自分で確認できる方法があることをご存じでしょうか?
保険は「保障」と「貯蓄」が混ざった複雑な商品です。だからこそ、一見お得に見える数字にも、見えないコストが隠れています。ここでは、あなたが今払っている保険料が、本当に将来のためになっているのか、誰でも簡単に確認できる3つの視点をご紹介しますね。電卓ひとつあれば、今日から自分の保険を見直すことができます。
実質利回りの簡単な計算方法
「返戻率120%」と聞くと、1.2倍になって返ってくるからお得に思えますよね。でも、それは「何年かけて」1.2倍になるのか、つまり年間でどれくらい増えているのかを考えないと、本当の価値は分かりません。この「年間の増え方」を示すのが実質利回りです。
この数字を出すには、「72の法則」や「複利計算ツール」を使うと簡単です。ネット上には無料の複利計算機がたくさんあるので、「複利計算 シミュレーター」と検索して、逆算してみてください。
実質利回りを知ることで、「返戻率120%」という数字のマジックから解放されます。保険の営業資料には、この年利の数字はほとんど書かれていません。だからこそ、自分で計算して確認することが、損をしないための第一歩なのです。資料の中に小さく表示されているポイントや注意書きも見逃さないようにして、しっかりと計算してみましょう。
保険料と解約払戻金の比較
次に確認したいのが、途中で解約した場合にどれだけ戻ってくるかです。終身保険や学資保険には「解約払戻金」という仕組みがあり、契約途中で解約すると、それまで払った保険料の一部しか戻ってきません。この金額を、今すぐ確認してみてください。
例えば、あなたが3年前に加入した保険で、すでに72万円(月2万円×36ヶ月)払っているとします。保険証券や年次報告書には「現在の解約払戻金:50万円」といった記載があるはずです。つまり、今やめると22万円が消えることになります。これは保障コストや事務手数料として保険会社に吸収されている金額です。
この「払った額と戻る額の差」は、加入年数が短いほど大きくなります。初期の数年間は、保険会社の営業経費や手数料が多く引かれるため、ほとんど貯蓄されていないことも珍しくありません。逆に、10年、15年と経過すると、徐々に払戻率は上がっていきますが、それでも満期までは元本割れする設計が一般的です。
ここで重要なのは、「今解約したらいくら損するか」ではなく、「これからもこの保険を続けることで、本当に自分の資産は増えるのか」を冷静に判断することです。すでに支払ってしまった保険料は、どんな選択をしても戻ってこない「サンクコスト(埋没費用)」という考え方です。これからの判断には影響しないと割り切り、もし実質利回りが0.5%未満で、他の選択肢(つみたてNISAやiDeCoなど)のほうが明らかに有利なら、早めに方向転換したほうが長期的には得をする可能性があります。
保険の見直しで「もったいない」と思いがちですが、本当にもったいないのは、今後も低利回りの商品にお金を預け続けることかもしれません。解約払戻金の数字を確認して、冷静にシミュレーションしてみるべきです。
機会損失を含めた真のコスト
最後に、保険に入っているせいで「別の選択肢を逃している損失」、これを機会損失と呼びます。
機会損失は、パンフレットにも契約書にも書かれていません。でも、実際に家計に与える影響は計り知れません。この視点を持つだけで、「保険は安心だから」という漠然とした理由で加入し続けることに、疑問を持てるようになります。
機会損失を意識すると、「今の保険を続けること自体がリスク」という見方ができるようになります。数字で比較することは、感情的な判断を避け、家族の未来を守るための冷静な選択につながるはずです。
さらに詳しい情報を知りたい方や、調べてみてもやっぱりお金の運用の仕方がよくわからないという方は、専門家に相談してみるのも良いでしょう。実際に、お金の運用について専門家に相談している例もあります。専門家プロファイルでは個人の悩みに対して専門家が個別に回答してくれます。
専門家プロファイルでは、ファイナンシャルプランナーの植森宏昌さんが以下のような質問に回答しています。
【質問(要約)】

毎月5万円ずつ郵便局の定額貯金で貯めてきた資金が150万円ほどになり、これ以上同じ通帳に預けられなくなったため、今後の運用方法を検討しています。しばらく使う予定はなく、可能であれば娘(11歳)の結婚資金として15年ほど置いておくことも考えていますが、一方で進学資金として必要になる可能性もあり、ある銀行の金利の良い10年定期が中途解約で元本割れすると知って迷いがあります。100〜200万円程度では良い運用方法が見つからず、定額貯金を続けるのも気が進まないため、どの選択肢が適切なのか悩んでいます。
【回答】

初めまして。ファイナンシャルプランナーの植森宏昌です。
現状の家計全体のお金がどれぐらい有るのかの分かりませんが、今回、言われてる150万円が将来の娘様の結婚の為の資金であると考え回答させて頂きます。
1番、簡単な方法では銀行の定期預金です。ネット系銀行が比較的金利は高く、オリックスや住信SBI等が人気ある様に思います。
他、最低3年ぐらいは出さなくても大丈夫という事なら保険会社の一時払保険も良いかも知れませんね。最初の3年間ぐらいは元本割れしますが以後は預金の様に増えて行きます。もしもの時の生命保険の機能も付いていますので悪くないと思います。
最終的には、リスクといわれるものをどの程度まで取るかに因って預け入れる商品は変わります。全くリスクは取らない商品は元本割れしない代わりに金利が低いのが一般的です。逆に、ある程度のリスクを考慮出来るのなら、選択肢の幅が拡がるので、もう少し高利回りに商品を検討できる事になります。
もし、ご相談やご不明な点がございましたら、いつでもご遠慮なくお問い合わせ下さい。また、ご主人様のご年齢をお教え頂ければさらに具体的に試算してお伝え出来ます。もし、ご希望でしたら、いつでもご連絡下さい。
自分の立場にあった選択肢がわからない場合、専門家プロファイルでプロに詳しく相談してみてはいかがでしょうか。個別の悩みに対して専門家が寄り添って答えて不安や心配を解消してくれます。
保険と貯蓄は分けるべき3つの理由

「保険でお金を貯めながら、万が一にも備えられる。一石二鳥ですよね」──そんな営業トークに心惹かれたことはありませんか?実は、保険と貯蓄を一緒にすることで、どちらの機能も中途半端になってしまう可能性があります。この記事では、なぜ保険と貯蓄を分けるべきなのか、その本質的な理由を分かりやすく解説します。
保険本来の役割とは
保険の本質は「起きる確率は低いけれど、もし起きたら家計が破綻するようなリスクに備える仕組み」です。「起きたら困る」リスクを、多くの人で少しずつお金を出し合ってカバーするのが保険の原点なのです。
これに対して、貯蓄型保険や終身保険では「将来の解約返戻金」や「満期保険金」といった形で、保険と同時にお金を貯める機能が組み込まれています。一見便利に思えるかもしれませんが、この設計には落とし穴があるのですね。それは、保険料の一部が死亡保障に、もう一部が貯蓄に振り分けられるため、どちらの機能も手薄になりがちだという点です。
もちろん、貯蓄型保険にも「強制的に貯まる」「保障と貯蓄が一体になっている安心感」といったメリットはあります。ただし、それらは自分で積み立てる習慣を持てば解決できるものであり、高い手数料や元本割れリスクを抱えてまで選ぶ必要があるのか、冷静に考える価値があります。保険は「起きたら困ること」に備えるツールだと割り切り、貯蓄は別の手段で効率的に積み上げる──この考え方が、結果的に家族を守りながら資産も増やせる近道なのです。
効率的な資産形成の基本原則
資産を増やすうえで最も大切な考え方の一つが、「時間を味方につける」ことです。投資の世界では「複利の力」という言葉がよく使われますが、これは「運用で得た利益をそのまま再投資することで、雪だるま式に資産が増えていく仕組み」を指します。そして、この複利効果を最大限に活かすには、できるだけ早く、かつ長く投資を続けることが何より重要です。
では、貯蓄型保険ではどうでしょうか。貯蓄型保険の場合、保険料の一部が「保障コスト」や「保険会社の経費・利益」に使われるため、実際に運用に回る金額は支払った額よりもかなり少なくなります。
もう一つ重要なのが、資産の流動性(換金しやすさ)です。貯蓄型保険は途中解約すると元本割れする期間が長く、急にお金が必要になったときに「解約したら損をする」というジレンマに陥ります。
また、投資信託であれば「自分で運用方針を選べる」という自由度もあります。積極的にリスクを取りたい時期はリスク資産を増やし、老後が近づいたら安定資産を増やすといった調整が可能です。一方、貯蓄型保険は一度契約すると運用方針を変更できないため、環境の変化に対応しづらいという弱点があります。
リスクとリターンの適切な管理
お金を増やすうえで避けて通れないのが「リスクとリターンの関係」です。投資の世界では、高いリターンを得ようとすれば、それに見合ったリスク(価格変動や元本割れの可能性)を負う必要があります。逆に、リスクを極力抑えようとすれば、リターンも控えめになりますね。この原則を理解し、自分のライフステージや目的に応じてリスクとリターンをコントロールすることが、賢い資産形成の鍵です。
では、貯蓄型保険ではどうでしょうか。貯蓄型保険は「元本保証」や「安全性」を謳うことが多いのですが、実際には低リスク・低リターンの商品であり、しかもコストが高いという特徴があります。一方、つみたてNISAやiDeCoで投資信託を購入する場合、短期的には価格が上下しますが、長期で見れば年率3〜5%程度のリターンを狙うことが現実的です。
ただし、投資信託には「価格が下がる時期もある」というリスクが伴います。ここで大切なのは、リスクを分散し、時間をかけて平準化するという考え方です。例えば、全世界株式や米国株式のインデックスファンドを選べば、世界中の企業に分散投資できます。また、毎月一定額を積み立てることで「高い時には少なく、安い時には多く買う」ドルコスト平均法の効果も働きます。こうした仕組みを活用すれば、短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的に資産を増やすことができるでしょう。
もう一つ重要なのが、目的ごとにリスクを使い分けるという視点です。「万が一の死亡保障」は掛け捨て定期保険でシンプルに確保し、「老後資金」はiDeCoでじっくり運用、「子どもの教育資金」はつみたてNISAで必要なときに引き出せる形にする、といった具合です。一つの商品(貯蓄型保険)ですべてをカバーしようとすると、どの目的に対しても中途半端な結果になりがちです。
保険は「起きたら困ること」への備え、投資は「将来の可能性を広げるための種まき」。それぞれの役割を理解し、目的に応じて使い分けることが、家族を守りながら資産を増やす最も確実な方法です。もし「今の保険で本当に大丈夫だろうか」と少しでも不安を感じているなら、一度ファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみることをおすすめします。保険の見直しや資産形成の方針を一緒に考えてもらうのも良いでしょう。無理な勧誘がないか不安な場合は、相談者の声や口コミを事前にチェックしておくと安心です。
貯蓄型保険よりも効率的?賢い人が選ぶ資産形成の代替手段

「保険で貯蓄するのって、本当に得なんだろうか…」そう感じているあなたは、決して間違っていません。実は多くの人が、保険以外の選択肢で着実に資産を増やしています。
賢い人が選ぶ資産形成の代替手段
「保険で貯蓄」という選択肢は、確かに安心感があります。しかし、実際に数字を見てみると、他の方法のほうが効率的に資産を増やせる可能性が高いことに気づくはずです。
たとえば、つみたてNISAやiDeCoといった制度を活用すれば、税制優遇を受けながら、より柔軟に資産を増やしていくことができます。「投資は怖い」と感じるかもしれませんが、適切な知識と仕組みを使えば、保険よりもはるかに合理的な選択になります。
ここからは、具体的にどのような選択肢があるのか、それぞれの特徴とメリット・デメリットを丁寧に見ていきましょう。
つみたてNISAを活用した投資
つみたてNISAは、2018年に始まった国の制度で、年間40万円(月約3.3万円)まで、最長20年間にわたって投資できる非課税制度です。現在は新しいNISAというサービスに移行しており、新しいNISAは無期限の非課税期間が保障され、生涯投資枠は合計1,800万円(うちつみたて枠600万円、成長投資枠1,200万円)、年間投資上限は合計360万円(つみたて枠120万円+成長投資枠240万円)となっています。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、つみたてNISAならその税金が一切かからないという大きなメリットがあります。
また、つみたてNISAで選べる商品は、金融庁が「長期・分散・積立に適している」と認めた投資信託に限定されています。つまり、ハイリスクな商品は最初から除外されているため、初心者でも比較的安心して始められる設計になっているのです。
ただし、つみたてNISAにも弱点はあります。それは「元本保証がない」という点です。株式市場が下落すれば、一時的に資産が減ることもあります。しかし、過去のデータを見ると、15年以上の長期投資では元本割れする確率は極めて低くなることが分かっています。つまり、「時間を味方につける」ことで、リスクを大きく減らせます。
また、つみたてNISAは途中で引き出すことも可能です。保険のように「解約返戻金が元本を下回る」といった制約がないため、急な出費にも柔軟に対応できます。もちろん、長期で持ち続けたほうが複利効果(利息が利息を生む効果)を最大限に活かせますが、ライフステージに応じて調整できる自由度は、保険にはない大きな魅力です。
まずは、証券会社の口座を開設し、月5,000円や1万円といった少額から始めてみるのがおすすめです。オンラインのサービスを利用すれば、初心者でも手軽に始められます。実際に運用してみることで、値動きの感覚が掴めますし、「投資ってこういうものなんだ」という実感が得られるはずです。そのうえで、徐々に金額を増やしていけば、無理なく資産形成を進められるでしょう。
定期預金と投資信託の組み合わせ
「投資はしたいけど、全額をリスクにさらすのは不安…」という慎重派の方には、定期預金と投資信託を組み合わせる方法がぴったりです。これは、安全性と収益性のバランスを取りながら、着実に資産を増やしていく戦略です。
例えば、月2万円の積立予算があるなら、1万円を定期預金、もう1万円を投資信託に回すといった配分が考えられます。定期預金は元本保証で、いざというときの安心材料になります。一方、投資信託は市場の成長を取り込むことで、インフレに負けない資産形成を目指せます。
この方法の良いところは、心理的な安心感を保ちながら、資産形成を進められる点です。「投資って怖いな」と感じている段階では、まず定期預金の比率を高めにしておいて、慣れてきたら徐々に投資信託の比率を上げていく、といった調整も可能です。つまり、自分のリスク許容度に合わせて、柔軟にカスタマイズできるのです。
また、この方法は「用途別に資金を分ける」という考え方とも相性が良いです。例えば、定期預金は「子どもの教育費」や「急な出費への備え」、投資信託は「老後資金」や「将来のゆとり」といった具合に、目的ごとに使い分けることができます。保険だと一つの商品にすべてを託すことになりますが、この方法なら用途に応じた最適な運用が可能になります。
ただし、定期預金の金利は現在の日本では非常に低く、0.01〜0.3%程度がほとんどです。これは、物価上昇率(年1〜2%程度)を下回っているため、実質的には「お金の価値が目減りしている」状態とも言えます。つまり、安全性を重視するあまり、将来の購買力を失うリスクもあるのです。
そのため、最初は定期預金の比率を高めにしても、徐々に投資信託の比率を増やしていく「シフト戦略」を意識することが大切です。投資に慣れてきたら、定期預金の役割を「生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分)」に絞り、それ以外は投資に回すという判断も合理的でしょう。
この組み合わせ戦略を実践している人の多くは、「最初は怖かったけど、やってみたら意外と大丈夫だった」と振り返ります。まずは自分が安心できる配分から始めて、少しずつ経験を積んでいくことが、長期的な資産形成の近道なのです。リスクの許容範囲内で、自分に合ったプランを立てることが大切です。
iDeCoによる老後資金準備
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金づくりに特化した制度で、つみたてNISAとは別の強力な味方です。最大の特徴は、「掛金が全額所得控除になる」という点にあります。つまり、積み立てた金額がそのまま税金の節約につながるのです。
例えば、年収450万円の会社員が月2万円(年24万円)をiDeCoに拠出した場合、所得税と住民税を合わせて年間約4.8万円の節税効果が得られます。これを30年続ければ、節税額だけで144万円にもなります。さらに、運用で得た利益も非課税、受け取るときも税制優遇があるという、三重の税制メリットがあるのです。もちろん、人によって税率が変わるため数値も変動しますが、多くの人が節税効果を得られるでしょう。
「それならiDeCoだけでいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、iDeCoには「60歳まで引き出せない」という制約があります。これは、老後資金としては優れた仕組みですが、子どもの教育費や住宅購入など、途中で必要になるお金には使えません。つまり、つみたてNISAやその他の資産と組み合わせて使うのが賢い選択なのです。
iDeCoで選べる商品は、定期預金、保険、投資信託の三種類です。定期預金や保険を選べば元本保証で安心ですが、利率が低いため、せっかくの税制優遇を活かしきれません。一方、投資信託を選べば市場の成長を取り込めますが、値動きがあります。
ただし、iDeCoにも注意点があります。一つは、掛金の上限が職業によって異なる点ですね。会社員の場合、企業年金がない会社なら月2.3万円、企業年金がある会社なら月1.2万円〜2万円が上限です。もう一つは、口座管理手数料(年間2,000円程度)がかかる点です。これは金融機関によって異なるため、手数料の安いネット証券を選ぶことが重要になります。
また、「所得控除のメリットが大きい」ということは、逆に言えば「所得が低い人にはメリットが小さい」ということでもあります。例えば、パート勤務で年収100万円の場合、そもそも所得税がほとんどかからないため、所得控除のメリットはあまりありません。このような場合は、iDeCoよりもつみたてNISAのほうが適していることもあります。
では、どう使い分けるべきでしょうか?基本的な考え方は、「60歳まで絶対に使わないお金はiDeCo、途中で必要になるかもしれないお金はつみたてNISA、急な出費への備えは定期預金」というように、目的ごとに使い分けることです。
iDeCoの始め方は簡単です。まず、金融機関でiDeCo口座を開設し(ネット証券なら手数料が安い)、掛金額と商品を選ぶだけ。勤務先に書類を提出する必要がありますが、総務部に相談すればスムーズに進むでしょう。最初は少額から始めて、慣れてきたら増額するという方法でも十分です。商品一覧の中から、それぞれ比較して選びましょう。
ここまで、保険以外の資産形成の選択肢を見てきました。どれも一長一短がありますが、共通しているのは「保険よりも効率的に資産を増やせる可能性が高い」という点です。どの選択肢を選ぶにしても、大切なのは、「今のまま保険を続けていいのか」という漠然とした不安を、「具体的な行動」に変えることです。状況に応じた最適な選択肢を見つけることで、将来への安心感はぐっと高まります。
貯蓄型保険に加入済みの場合の対処法

加入してしまった保険をどうするべきか――解約すべきか、続けるべきか、それとも別の方法があるのか。この判断を間違えると、せっかく積み立ててきたお金を無駄にしてしまうかもしれません。ここでは、すでに貯蓄型保険に入っている方が冷静に判断するための具体的な方法と、損をしない選択肢について詳しく解説します。
解約すべきかどうかの判断基準
貯蓄型保険の解約を検討するとき、多くの人が迷うのは「これまで払った保険料がもったいない」という感情です。確かに、加入から数年しか経っていない場合、解約返戻金は元本割れしていることが大半でしょう。しかし、感情だけで判断すると、今後さらに大きな損失を抱え続けるリスクがあります。
まず確認すべきは、現在の解約返戻金額と、今後支払う保険料の総額、そして満期時に受け取れる金額の3つです。保険会社から送られてくる「契約内容のお知らせ」や保険証券に記載されていますが、もし分からなければ担当者に直接問い合わせることもできます。ここで重要なのは、「これまで支払った金額」ではなく、「これから支払う金額」と「それが将来どれだけ増えるか」を比較することです。すでに支払った保険料は、どんな選択をしても戻ってこない「サンクコスト」という考え方です。感情に引きずられず、今後の家計にとってどちらが有利かを冷静に見極めることが、損をしない判断の第一歩になります。
もう一つの判断材料は、保険としての保障が本当に必要かどうかです。終身保険には死亡保障がついていますが、そもそもあなたの家庭に必要な死亡保障額はいくらでしょうか。きちんと計算してみると、つみたてNISAで資産形成する方が生涯的に得かもしれません。保険と貯蓄を分けて考えることが、合理的な判断につながるでしょう。さまざまな要素を見直すことで、より良い選択ができるようになります。
払済保険への変更という選択肢
「解約すると損だけど、保険料の支払いも苦しい」という場合に知っておきたいのが、払済保険という制度です。これは、今後の保険料支払いをストップし、それまでに積み立てた解約返戻金を元に、保障額を減額した状態で保険を継続させる方法です。多くの貯蓄型保険にこの制度が設けられており、保険会社に申し出れば手続きできます。
例えば、月2万円の終身保険に3年間加入し、解約返戻金が50万円たまっているとします。このまま解約すると50万円しか戻ってきませんが、払済保険に変更すれば、保障額は減るものの、死亡保障は継続されます。そして、将来的には解約返解約金が少しずつ増えていくため、「完全に損切りするのは抵抗がある」という人にとっては心理的な負担を軽減できる選択肢になるでしょう。
ただし、払済保険にもデメリットがあります。まず、保障額が大幅に減ることです。元々500万円の保障があった終身保険が、払済保険に変更すると100万円程度になることも珍しくありません。もし家族のために必要な保障額が2,000万円だったとすると、この100万円だけでは全く足りないですよね。その場合、別途掛け捨ての定期保険に加入する必要があり、結局は二重に保険を持つことになります。
また、払済保険にしても、運用効率が低いことには変わりありません。解約返戻金が増えるといっても、年利は0.5%以下のケースが多く、インフレ率を考えると、実質的には資産価値が目減りしていく可能性があります。それでも、心理的に解約したくないという場合には、払済保険は一つの妥協案になります。ただし、その場合でも、今後の新しい積立を優先的に始めることが重要です。払済保険はあくまで「放置しておく」程度の位置づけにし、メインの資産形成は別の手段で進めることをおすすめします。投資や計算が苦手な人や不安がある人は、プロのアドバイスを参考にして後悔のない選び方を学びましょう。
まとめ

今回見てきたように、貯蓄型保険は「安全にお金が増える」というイメージとは裏腹に、元本割れや低い平均利回り、途中解約時の大きな損失など、見落としがちなリスクが多くあります。特に、契約の概要だけで判断してしまうと、実質的な金融コストや長期的なマネーの流れが見えにくく、将来の家計を圧迫する可能性すらあります。また、受け取り時の税金や、インフレで実質価値が下がる点も無視できません。
一方で、つみたてNISAやiDeCoといった代替手段は、流動性や運用の柔軟性が高く、長期の運用に向いています。もちろんどちらを選ぶべきかは、年齢やライフプラン、家族構成といった個々の状況によって異なりますが、「保険は保障、貯蓄は投資」という役割分担をすることで、無理なく効率的な資産形成が可能になります。すでに保険に加入している場合も、概算で利回りを確認したり、払済への変更を検討したりと、行うべき見直しのステップがあります。
最終的には、「なんとなく安心」という気持ちだけで選ばず、目安となる数字を冷静に比較し、自分にとって最適な方法を見つけることが大切です。保険と貯蓄を正しく使い分けることが、将来に向けて最も安定した一歩となるでしょう。






